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異世界に転生されたので異世界ライフを楽しみます!

クロ猫のクロウ

◇第1話◇ 転生しちゃいました


「御愁傷様です…」
「そんな…。裕典…」

事故だった。不慮の事故。
ながら運転していた車に轢かれ、俺は宙を舞ったらしい。意識はあまりなかったけど、変わり果てた大好きなTシャツが少し心を抉った。

「裕典を轢いた人は…」
「先程、事故で亡くなったそうで…」
「そんな…!」

あぁ、可哀想に。あの人、急いでたんだよな。じゃなきゃ、あんな大きい道路間違えて反対に来ることなんてあり得ないよな…。

「これからどうしたら…」

母さん、ごめんね。成人式、連れていってあげられなかった。
父さん、ごめんよ。父さんの仕事、ちゃんと継げなかったや。

「あぁ…裕典…」
「裕典…!」

『つらいよなぁ…』

誰ですか?あなた。

『お?もしかして儂の声が聞こえるのか?』

というより…姿ばっちりですけど。
綺麗な黒目に白髪オールバッグ、顎髭まで白髪のちょい痩せおじいさんですよね?

『おぉ…!久し振りじゃ!儂が見えるものは!』

で…?あなたは一体…?

『神じゃよ…』

神?神ってあの神ですか?
所謂人間とはまるで違う力を持っている存在っていう?

『多少説明がましいが、そうじゃ…』

それで、その神がなんの用でしょうか?
俺、これからお世話になった人たちのところに行きたいんですけど…。

『え、いやいや、ちょい待ってよ!神がこうして来るのなんて超レアだよ!?』

そう言われても…。

『それにお主は周りの者とはちょいと違う転生をされる"特異点"じゃ。そう簡単に儂が何処かへ行かせるとでも?』

特異点…?って、なんですか?
何か特別な重要な人…とか?

『似て非なるものじゃ…。だがまぁ、今は伝えても分からんじゃろ。その内教えてやろう…』

そう言うと神様は3枚のカードを取りだし、俺の前に並べた。1つは人間が書かれたカード。もう1つは盗賊のような人が書かれたカード。最後に出されたカードは騎士の書かれたカード。

「これは…?」
『これからお主がなる3人の人間じゃ。お主が決めるがよい。村民か、盗賊の頭領か、王国の騎士か。決めるがよい』
「一番まともなのは…村民かな…?」

村民…。まぁ、頭領なんて俺には無理だし、王国の騎士もちょっときつそうだし…。妥当だよね。

『村民か。よかろう。では、転生の犠に…』
「あ、ちょっと待って」
『おぉう!?え、まだなにか!?』
「いや、えっと…ありがとね、神様」
『ん…?』
「俺、もう一回生きてみるよ」
『まったく…。面白いやつじゃ…』
「じゃ、よろしく!」
『フッ…。では行って参れ。"ユーリ"よ…』

""さて…どんな男になるか楽しみじゃな…。ジジはゆっくり見させてもらうとしよう…""






「ユーリー!ご飯出来たよー!」
「はぁーい」

ハーレン村に転生してから12年、本来ならもう37歳なんだけど、今の俺は12歳の子供。畑を耕して、ご飯を食べて、風呂に入って寝る。それしかできない生活。

「いや、それ最高だろ…!」
「うわっ、どうしたの?」
「あ、ごめん。独り言」

正直未だに転生したことは信じられない。未だに夢の川を流れているのかと思うほどだ。いつ、夢から覚めるか分からないけど、今はこの生活を満喫したい。

「んじゃー、行ってくるよ!」
「いいかい、あそこは神龍〈フェルブ〉の巣なんだからね…?」
「わかってる。危なくなったら逃げるよ!」
「小剣は?」
「持ってる」
「松明は?」
「持ってるって」
「傷薬…」
「大丈夫だよ。行ってきます!」

このフェルブの山へ行ったことをきっかけに、俺に厄災が降り注ぐ。
けどそれは、未だ先のはなし。


◇第1話◇ 転生しちゃいました    fin.





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