学園のアイドルと同居することになりましたが・・・

seabolt

災難の続き…

今回の事件に関して、青園高校の先生たちは、一切何ごともなかったことにする。

つまり、生徒たちの自主性に任せているというのは、誠にいいことなのだが、完全に先生たちは、責任回避の行動に走っていた。そして、今回の事件に一番激怒したのは沙織さんだった。

「どうしてこんなことしたの?」

彼女の怒りの矛先は親衛隊長の堀川だった。ただ、今回の事件について堀川に怒りをぶつけても何も解決はしない。それは、サオカイダーは既に堀川達から一線を画しているのだが、実は、だれがサオカイダーかということはわからないのである。当然といえば当然なんだけど、堀川の協力も得て犯人探しが始まった。更に、佐久間と本田も犯人探しに加わったのだった。

まずは実行犯の女子生徒二人だ。

「めぐみ。その女子って誰だ?」

「それが、すれ違っただけで、全く誰だかわからないんだ」

「なんか思い出さないか?髪の毛が長かったとか…」

「髪の毛ね…」

全く気にも留めていなかったので、何も思い出せない。

「ははは…」

そんな俺を見たみんなは

「だめだこりゃ…」

「そういえば、沙織さんが助けに来た時、中棟へ戻る生徒見なかった?」

「だれも…」

南棟から中棟へは渡り廊下が2か所、しかも、1階から3階まであるのだから、沙織さんとすれ違う確率は6分の1、更に、犯人が沙織さんの教室から最短の渡り廊下を使うことを知っていたとしたら、ほぼ、沙織さんが犯人と出会う確率はゼロに等しい。

「つまり、実行犯の女子生徒2人については、手掛かりなしか…」

ということで次はというと、俺を呼んだ先生は誰かということになった。

「めぐみを音楽教室へ呼んだ先生については、やはりいませんでした」

「たぶん。そうでしょう」

みんなそのことは承知の上で確認をしてくれた。

「残る手掛かりは、教室で俺が音楽室に呼ばれているという声をかけた主だな」

実はここにいるみんなは、その声を聴いていた。すると、みんなが不思議そうな顔をした。

「だれだっけ?」

「さぁ‥」

「え?本田も知らないの」

「そうなんだ。あの声、誰だかわからないんだ」

「わたしも」

沙織さん、ペイペイちゃん、理奈さんも知らないという。けど、俺はあることを思い出した。

「横溝だ!!あいつが俺に呼んでいるって言ったんだ」

こうして、横溝を呼び出すことにした。




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