学園のアイドルと同居することになりましたが・・・

seabolt

ハグ

ペイペイちゃんは悩んでいた。なぜ、私になびかないのか?この間までは言い寄る男は数知れず、日本に来てからも毎日のように告白をしてくる男の子はいる。よくわからないけどごめんなさいと謝る。嫌なものははっきり嫌と言えばいいのに、日本人ってややこしい。それよりも恵くんだ。私になびいて来てくれない。どうしたものか?恵君の性格のせいなのだろうか?日本人的に何かあるのだろうか?一応、教科書通りに毎日好きといって、近づくことはしている。しかし、恵君は少し迷惑そうにしている。更に沙織も時々邪魔をしてくるから、あの二人が既にできていると言うのであれは、考え方を変えればいいけど、そうではないようだ。
私は、コンビニにで趙子龍に会うと書類を渡された。

「これが例の資料です。日本の男はハグと壁ドンに弱いようです。参考までにDVDを見ていください」

DVDを見る。年齢設定がだいぶん年上のようだ。一人の女性が家政婦として働いているうちに結婚して、お互いが好きになるというドラマ。一時ブームになった逃げ恥だ。これのどこにヒントがあるんだ?うーむ。ハグね…そして、壁ドン?このシーンか…これで本当にそうなるのだろうか?





翌日から実行することにした。まずは、ハグからだ。

「恵君、おはようございます」

「ペイペイちゃん。おはよう」

「お願いがあるんですけど」

テレビのように少しもじもじと恥じらいながらお願いをしてみた。

「ん?なに?」

「ハグしてもらえませんか?」

「ん?ハグ…いいよって?ハグ?な…なななんで?」

その驚き様は面白くって笑うのをこらえるのが大変だった。

「はい…ハグをです」

「え?どうして?」

「私がしたいからです」

「…」

「嫌なのですか?」

「え?いや…普通ハグってこんな時にするもんじゃ…」

「お嫌いですか?」

「え?違うけど…」

中々煮え切らない…私は両手を広げた

「さ?ハグしましょ!!」

私の態度を見て覚悟を決めたようだ

「わかりました。ハグさせていただきます」

「さ!!」

「えい!!」

ハグが終わるとなんとなく気まずくなった。でも、あのドラマでもこんな感じだったから良しとしよう。今度は壁ドンだ。

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