学園のアイドルと同居することになりましたが・・・

seabolt

沙織さんの決意

「さ…おり…さん?」

「ちょっと…いいかしら?」

「あ…いいよ」

パジャマ姿の沙織さんが俺の部屋に入って来た。しかし、さっきのこともあって、目が合わせられないでいる。
そんな挙動不審な俺と目を合わせてこようとする。

沙織さん、残酷すぎるっしょ…

必死に目を逸らすんだけど

「いい加減にしなさい!!さっきのは私も悪かったと思っているから…私を見て」

「はい…」

こうして、沙織さんと向き合うことに、そして、こほんと軽く咳をして

「ちょっと…たのみがあるの」

「た…頼みですか?」

なんだろう?お風呂に入った時、俺のあれを見たけど、一瞬だからよくわからないとか言って、もう一度見せてくれとかいうのかな?うードキドキしてきた。

「うん…」

頷いた後、沙織さんの顔が真っ赤になった。間違いない。もう一度見せろってこと?けど、今は、落ち着いている。と気が付くと股間を抑えていた。

「頼みごとって、ま…まさか…?」

自分の股間をぎゅっとつかんで視線を落とすと沙織さんの視線も俺に追従してきて、その先がなんであるかに気付いた。

「きゃあああ!!」

パチン!!

沙織さんのビンタが炸裂したのだった。




う…気まずい…

「ったく…何考えているのよ」

「すみません」

「恵君のおちんちんなんて!!見たくないわよ」

「ごもっともで…」

流石人妻、俺が必死にオブラートに包んでいたものをきっぱりと言葉にしてしまった。それより次の一言に俺はさらに驚愕することになる

「今晩、一緒に寝て」

「・・・」

じーっと俺を見つめているんだけど、

「い…今…なんて…」

「だから…一緒に寝てください…恥ずかしんだから、何度も言わせるな」

「あ…ごめん…」

沙織さんは逆切れをしているんだけど、俺としては、頭の中が真っ白だ。

「私…その…男性と一緒に寝たことがないから…」

「それは!親父とすべきことだろう!!」

「仕方ないじゃない!!亮さんはいないし、恵君と偽装夫婦をしてるんだから…」

「でも…一緒に寝なくても」

これ以上反対したら、再び、お義母さんとして、無理やりにでも寝ることになる。ということは、ここで折れるしかない。

「それと、恵君を信じているから…家族を大事にする人だと」

「あ…はい…」




ベットの上でお互い向き合った。そして、沙織さんが三つ指をついて頭を下げた

「不束者ですがよろしくお願いします」

「あ…はい…」

こうして俺と沙織さんは一つのベットで寝ることに

せ…狭い…

しかも、横に彼女が寝ている。

ドキドキしてきた。

ただ、天井を見て、そのドキドキ感をどう打ち消そう?そうだ。俺は沙織さんに背を向けた。すると肩に手を置いてきた。

「お願い…こっちを向いて」

寝たふりをするが肩をゆすってきた。

「寝たふりをしない。お願い…こっち向いて」

「はい‥」

くるりと回って、びっくりした。沙織さんが俺の方を見ていたのだ、まじかで見る彼女の顔にもうどきどきものだった。

「こうやって、向かい合うとなんかドキドキするね♡これが知りたかったの」

無邪気に喜ぶ、沙織さんにどう答えていいのか

「あ…はい…」

「恵くんだから安心して一緒に寝られるんだけど」

これって、めっちゃ残酷すぎるでしょ。目の前には沙織さんが、しかも、お義母さんだから、絶対に手が出せない。しかも、相手は完全に俺のことを信頼しきっている。そう思っていると沙織さんが寝息を立て始めた。

うそ!!

めっちゃ!!早!!

マジか?

俺は再び天井を見つめていた。

AM3:00

目がギンギンにさえて、眠れません。どうしよう?沙織さんを起こさないようにベットから出る。すると、沙織さんが気付いたようだ

「どうしたの?」

「あ…トイレ…」

「あ…そう…」

沙織さんは寝ぼけているようだった。一度、部屋を出て深呼吸をした。そして、俺は、そっと押し入れから毛布を取り出して、床で寝ることにした。




目を覚ますとベットに一人になっていた。目覚めた時、どんな感じか知りたかったんだけど、仕方がない。ところで恵君はどこへ行ったの?とあたりを見回すと床で眠っている。案外、寝顔はかわいい。そして、私の為に、ここまでしてくれたんだ。そう思うとなんとなくきゅんとしてくる。

恵君の方がよかったかも…

実は、パパが失踪した後、我が家は大変なことになっていた。借金はとんでもない額で、家を売ってもまだ億単位で残っているとか。しかも、やばいところからも借りていると聞いていた。そして、ママは相続を放棄したうえで、自己破産までしたけど、そのやばい所からの借金取りは執拗に追いかけてきた。着の身着のままで、住み慣れた家を離れないといけない。そんな時に現れたのが、亮さんだった。どういう関係かはわからないけど、ママ曰く、親友だそうだ。
すると亮さんが出してきた条件が、私との結婚だった。当初、亮さんか息子の恵君のどちらかと結婚するという話だった。毎日来る取り立てにおびえる日々に亮さんの提案はまさに神様が現れたと言っても過言ではない。だから、私は亮さんとの結婚を選んだ。
しかし、夫婦生活は何もない仮面夫婦、私にとってはいいはずなんだけど、申し訳ない日々を過ごしていた。そんな時に亮さんに、俺がヤキモチ焼くくらい恵君と仲良くなれば、考えるかもといわれた。だから、こうして、こんな行動をしている。寂しかったせいもある。
しかも、恵君はやさしいから偽装夫婦も受け入れてくれた。ちょっと無理強いしたけど、でも、私の我儘を聞いてくれた。多分、ほとんど寝ていないはず、固い床にもかかわらずイビキをかいて爆睡しているところからも解って来る。だから、ご褒美を上げた。

チュ♡

頬に軽く目覚めのキス

むにゃむにゃと頬を摩っているが、寝返りを打って再びイビキをかいている。

フフフ♡

可愛い





うわぁあああ!!
目を覚ました俺、気が付くとお昼だった。

遅刻だぁあああ!!!



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