第3話～過去1～

　ユウに物心がついて書庫をさまよっていたある日・・・ユウは拳大の石に触れた・・・

　ユウの触れた石は音を記録した音の魔石、そこにはユウの両親の声が記録されていた・・・


　そこには、集落について、自分の種族について、今いる場所について、ハーフの扱いについて、自分達がどう思っているのか等・・・あらゆることが記録されていた・・・


　妖魔は身体の成長がとても遅く、寿命がとても長い・・・そして、頭の成長が他の種族と比べてとてつもなく早い・・・

　その為ユウは、全てを理解した・・・

　約半日にも及ぶ長い記録を聞き・・・一日中泣いた・・・

　だがそれでも、ユウは集落を滅ぼした者達を・・・世界を憎まなかった・・・

　両親は強く生きて欲しいと・・・生きていれば必ず良いことが起きると・・・憎しみはなにもうまないと・・・

　両親の言葉を聞いてからユウは周りにある本を読み始めた。

　力がなければ外の世界に行くことはできない、外の世界で生きて行くためには力が必要だと・・・

　幸いな事に、ここには様々な本と素材がある、ここで力をつけようとユウは考えた・・・

　最初は読めなかった文字も１週間で読むことができるようになった。

　それからユウは毎日本を読み続け、知識を蓄えていった。

　そして何年か経ったある日、ユウの目の前にステータスウィンドウが現れた。ユウが10歳を迎えたのだ・・・

　名前：ユウ
　種族：ハーフ　(妖精×魔物×人間)
　年齢：10
　職業：
　Lv ：1
　HP ：24
　MP ：100
　攻撃：2
　防御：5
　速度：3
　魔攻：4
　魔防：6
　知力：134
　状態：通常
スキル：new【錬金：Lv１】
ユニークスキル：
エクストラスキル：
種族スキル：new【妖精×魔物×人間：《未開放》】
称号：new【ハーフ】new【愛された者】
　　　new【孤独な者】new【憎むことなかれ】

　ユウには、錬金術の才能があった。

　さらに、まだ解放されていないがハーフの種族スキルを身につけていた・・・

　おそらく、一度死の危険に晒されたことで身についたのだろう・・・

　


　解放される条件は錬金スキルをLv10にすること・・・




　それがわかってからは、錬金術の特訓も魔術や武術の特訓と並行して行った。

　
　そうして少しづつ、着々と力をつけて行った・・・