農民ライフのお約束
ランダムで職業が決まりました。
フルダイブ型VRMMORAPG────誰もが夢を抱いたゲーム。
そんなゲームが先月発売された。
ゲーム機本体の値段は20万円、ソフト一個で4万とぼったくりに近い値段にもかかわらず、発売されて一分で一万台売れてしまい、在庫切れになってしまった。
そんなゲーム機が……そんなソフトが、今────俺、川野 学人かわの まなとの前にあった。
「ついに届いた……! ついに届いたぞ!」
ネットオークションでやっとのことで入手したゲーム機本体【セカンドリアル】(ネトオフ価格40万円)、人気ナンバー1ソフト【フリーライフ】(ネトオフ価格10万円)…………
社会人になって5年……大学卒業してからちょくちょく貯めてきた貯金をすべて費やして買った。
買ってしまった…………。
「こ、後悔はしていない!」
自分に言い聞かせてみる。
過度の興奮で一人で喋ってしまったが、まぁ、こんな事しても時間の無駄なので早速開けていこう。
「あっ! ガムテで箱が破けた!」
段ボール箱だけど、綺麗に開けたかったが失敗に終わる。
前に買ったRS4の段ボールも破っていたような気が……。
そうこうしている内に、ようやくゲーム機本体を取り出すことができた。
「神々しい…………」
浴槽位の大きさの本体にヘルメットの様なものが入っていた。
実際は艶消しの黒なのだが俺にはダイヤモンドのように見えた。
自分で色々さわって汚れる前に写真を撮ってLINEのホーム画像にする。
それが終わると早速、ゲームソフトでも入れてみる……
ゲーム機の横にあるディスク入れにディスクを挿入する。
ダウンロードが開始され、待ち時間が表示される。
「残り2時間……」
待ち時間が短いのかどうかはわからないが面倒くさいな。
「終わったー!」
めちゃくちゃ疲れた!
実際は漫画読んだり、アニメ見てたりしていただけだが…………。
「早速やるか」
俺は説明書に従って接続コードを自分の手や足にペタペタと繋げた後、頭にヘルメットっぽい装置をつけて頭の中で「ゲームスタート」と心の中で叫ぶ。
頭の中にイメージ画像が浮かんでくる。
目で見ていないのに直接頭の中に映像が浮かんでくるのにちょっと違和感はあるのだが、ここまでなら従来のVRゴーグルでも見れるところだが────
来た!
突如として浮遊感が俺を襲う。
これがフルダイブと今までのVRの違いだ。
リアルな触感、視覚、嗅覚、味覚、聴覚、すべての五感が再現される。
それがフルダイブVRだ。
と言うか──
「地面が近付いてきてるんですけど!?」
俺は今上空から地面に向かって紐無しバンジー状態である。
しかし落下速度は少しずつ減っていき、最後に空気のクッションみたいなので地面すれすれで止まった。
浮いたままなのだが……。
俺はその感覚を十分に楽しんだ後、ログイン画面に移ろうとした時、女性の声をした合成音が頭の中に直接響いてきた。
『ゲームを始める為にログインしてください』
「ログイン! いのかわさん! パスワード、******!」
事前に作っておいたIDでログインする。
『ログイン……成功 ゲームを始めます』
アナウンスが流れた後、ふっと浮遊感和は消えて、尻から盛大に落ちた。
「痛たた……このゲームプレイヤーの扱い雑すぎるだろ!……っと、ここは何処なんだ?」
俺は村の何もない白い部屋に立っていた。
『今からこのゲームの説明を始めます』
いきなりアナウンスが聞こえてくる。
『このゲームは一つの大きなフィールドを舞台にしたMMORPGです。
キャラメイキングはありません。すべてランダムで決まります。
このゲームにはレベルがあり、最大で100まで上げれます。
また、GOD級モンスターを一人で倒すことにより、一体につき最大レベルの上限が10上がります。
レベルが上がるごとにステータスポイントが10ずつ上がります。
ステータスポイントは自身のステータスに割り振ることができます。
ステータスの種類は以下の通りです
STR:攻撃力、武器の持てる重量が上昇します。
VIT:防御力が上がり、SPが上昇します。
NIT:魔法攻撃力、回復力、MPが上がります。
SPD:攻撃速度、詠唱速度、移動速度が上がります
LUK:ドロップ率が上昇します。
なお、スキルの振り直しはできません。
次に、ロール(職業)の説明をします。
基本的に職業はランダムに決められます。
職業によって使用可能な武器が変わっていきます。
職業は主に基本ジョブ、特殊ジョブに分かれていて、特殊ジョブは特殊クエストを達成することで、基本ジョブと並行して持つことができます。
また、基本ジョブは以下の通りとなります。
剣士:物理的な攻撃を主に使って戦います。 片手剣や大剣、槍などが装備可能です。
魔法使い:魔法を主に使って戦います。 杖や魔導書、水晶玉などが装備可能です。
僧侶:回復やサポート、拳での攻撃を主に戦います。 杖やグローブなどが装備可能です。
その他にも鍛冶師や錬金術師、商人、木こり、農民があります。
その他の職業については、ゲームの説明が終わった後にヘルプで確認できます。
以上で説明を終わります。
どうぞゲームをお楽しみください────────』
────────────「やっと終わったか…………」
長い束縛から解放されてイメージが鮮明に浮かび上がってくる。
『始まりの町 アガスト』
「ここがゲームの…………フリーライフの世界……………………」
初めて見た人は、ただ唖然とするしかないだろう。
目に飛び込んでくるのは今までに見たことがない美しい景色、中世洋風の街並み、そして活気立つ街とその住人NPCや和気あいあいと話すプレイヤー達、そのすべてが今までのゲームの常識を覆していた。
『【チュートリアル、職業を確認せよ】が開始されました』
俺がぼーっと街を眺めていると頭の中でアナウンスが流れる。
「えーっと…………確か…………【ステータス】!」
俺がそう言ったのを合図に、俺のステータスが目の前に表示される。
【name:inokawasan Lv1
ジョブ:農民
HP 30
SP 10
MP 10
POW 1
VIT 1
INT 1
SPD 1
LUK 1
次のレベルアップまであと 100】
『【チュートリアル、職業を確認せよ】が達成されました』
『【チュートリアル、モンスターを倒そう】が開始されました』
……………………
「え…………?…………農民?」
俺のクエスト完了のアナウンスよりも、自分の職業が農民という何とも弱そうな職業だったことに唖然としてしまっていた。
そんなゲームが先月発売された。
ゲーム機本体の値段は20万円、ソフト一個で4万とぼったくりに近い値段にもかかわらず、発売されて一分で一万台売れてしまい、在庫切れになってしまった。
そんなゲーム機が……そんなソフトが、今────俺、川野 学人かわの まなとの前にあった。
「ついに届いた……! ついに届いたぞ!」
ネットオークションでやっとのことで入手したゲーム機本体【セカンドリアル】(ネトオフ価格40万円)、人気ナンバー1ソフト【フリーライフ】(ネトオフ価格10万円)…………
社会人になって5年……大学卒業してからちょくちょく貯めてきた貯金をすべて費やして買った。
買ってしまった…………。
「こ、後悔はしていない!」
自分に言い聞かせてみる。
過度の興奮で一人で喋ってしまったが、まぁ、こんな事しても時間の無駄なので早速開けていこう。
「あっ! ガムテで箱が破けた!」
段ボール箱だけど、綺麗に開けたかったが失敗に終わる。
前に買ったRS4の段ボールも破っていたような気が……。
そうこうしている内に、ようやくゲーム機本体を取り出すことができた。
「神々しい…………」
浴槽位の大きさの本体にヘルメットの様なものが入っていた。
実際は艶消しの黒なのだが俺にはダイヤモンドのように見えた。
自分で色々さわって汚れる前に写真を撮ってLINEのホーム画像にする。
それが終わると早速、ゲームソフトでも入れてみる……
ゲーム機の横にあるディスク入れにディスクを挿入する。
ダウンロードが開始され、待ち時間が表示される。
「残り2時間……」
待ち時間が短いのかどうかはわからないが面倒くさいな。
「終わったー!」
めちゃくちゃ疲れた!
実際は漫画読んだり、アニメ見てたりしていただけだが…………。
「早速やるか」
俺は説明書に従って接続コードを自分の手や足にペタペタと繋げた後、頭にヘルメットっぽい装置をつけて頭の中で「ゲームスタート」と心の中で叫ぶ。
頭の中にイメージ画像が浮かんでくる。
目で見ていないのに直接頭の中に映像が浮かんでくるのにちょっと違和感はあるのだが、ここまでなら従来のVRゴーグルでも見れるところだが────
来た!
突如として浮遊感が俺を襲う。
これがフルダイブと今までのVRの違いだ。
リアルな触感、視覚、嗅覚、味覚、聴覚、すべての五感が再現される。
それがフルダイブVRだ。
と言うか──
「地面が近付いてきてるんですけど!?」
俺は今上空から地面に向かって紐無しバンジー状態である。
しかし落下速度は少しずつ減っていき、最後に空気のクッションみたいなので地面すれすれで止まった。
浮いたままなのだが……。
俺はその感覚を十分に楽しんだ後、ログイン画面に移ろうとした時、女性の声をした合成音が頭の中に直接響いてきた。
『ゲームを始める為にログインしてください』
「ログイン! いのかわさん! パスワード、******!」
事前に作っておいたIDでログインする。
『ログイン……成功 ゲームを始めます』
アナウンスが流れた後、ふっと浮遊感和は消えて、尻から盛大に落ちた。
「痛たた……このゲームプレイヤーの扱い雑すぎるだろ!……っと、ここは何処なんだ?」
俺は村の何もない白い部屋に立っていた。
『今からこのゲームの説明を始めます』
いきなりアナウンスが聞こえてくる。
『このゲームは一つの大きなフィールドを舞台にしたMMORPGです。
キャラメイキングはありません。すべてランダムで決まります。
このゲームにはレベルがあり、最大で100まで上げれます。
また、GOD級モンスターを一人で倒すことにより、一体につき最大レベルの上限が10上がります。
レベルが上がるごとにステータスポイントが10ずつ上がります。
ステータスポイントは自身のステータスに割り振ることができます。
ステータスの種類は以下の通りです
STR:攻撃力、武器の持てる重量が上昇します。
VIT:防御力が上がり、SPが上昇します。
NIT:魔法攻撃力、回復力、MPが上がります。
SPD:攻撃速度、詠唱速度、移動速度が上がります
LUK:ドロップ率が上昇します。
なお、スキルの振り直しはできません。
次に、ロール(職業)の説明をします。
基本的に職業はランダムに決められます。
職業によって使用可能な武器が変わっていきます。
職業は主に基本ジョブ、特殊ジョブに分かれていて、特殊ジョブは特殊クエストを達成することで、基本ジョブと並行して持つことができます。
また、基本ジョブは以下の通りとなります。
剣士:物理的な攻撃を主に使って戦います。 片手剣や大剣、槍などが装備可能です。
魔法使い:魔法を主に使って戦います。 杖や魔導書、水晶玉などが装備可能です。
僧侶:回復やサポート、拳での攻撃を主に戦います。 杖やグローブなどが装備可能です。
その他にも鍛冶師や錬金術師、商人、木こり、農民があります。
その他の職業については、ゲームの説明が終わった後にヘルプで確認できます。
以上で説明を終わります。
どうぞゲームをお楽しみください────────』
────────────「やっと終わったか…………」
長い束縛から解放されてイメージが鮮明に浮かび上がってくる。
『始まりの町 アガスト』
「ここがゲームの…………フリーライフの世界……………………」
初めて見た人は、ただ唖然とするしかないだろう。
目に飛び込んでくるのは今までに見たことがない美しい景色、中世洋風の街並み、そして活気立つ街とその住人NPCや和気あいあいと話すプレイヤー達、そのすべてが今までのゲームの常識を覆していた。
『【チュートリアル、職業を確認せよ】が開始されました』
俺がぼーっと街を眺めていると頭の中でアナウンスが流れる。
「えーっと…………確か…………【ステータス】!」
俺がそう言ったのを合図に、俺のステータスが目の前に表示される。
【name:inokawasan Lv1
ジョブ:農民
HP 30
SP 10
MP 10
POW 1
VIT 1
INT 1
SPD 1
LUK 1
次のレベルアップまであと 100】
『【チュートリアル、職業を確認せよ】が達成されました』
『【チュートリアル、モンスターを倒そう】が開始されました』
……………………
「え…………?…………農民?」
俺のクエスト完了のアナウンスよりも、自分の職業が農民という何とも弱そうな職業だったことに唖然としてしまっていた。
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