少年愛玩ドール

成瀬瑛理

真実の愛、そして永遠

「では、美味しい紅茶を淹れましょう! ローゼフ様はダージリン・ティーがお好きでしたよね?」
「ああ、頼むよ」
「紅茶の他にお菓子は如何でしょうか? 苺のシャルロット・ケーキもご用意致します」
パーカスはニコッと笑うと、お辞儀をして彼の部屋から出て行こうとした。
「待てパーカス……!」
「はい、なんでしょうか?」
ローゼフはベッドの上から彼を呼び止めた。パーカスは振り向くと足早に戻って来た。そして、彼の側に佇んだ。
「その……私は一体、どうやって自分の屋敷に戻って来たのだ?」
ローゼフは、いつの間にか屋敷に戻っていたことに困惑している様子だった。彼が何気なく尋ねると、パーカスは有りのままの事実を伝えたのだった。
「貴方様は屋敷の門の前で、ピノを両腕に抱きかえたまま倒れていました」
パーカスはそう答えると首を傾げた。
「そうか、不思議なこともあるんだな…――」
「覚えていらっしゃらないのですか?」
「ああ……」
ローゼフは頷くと傍にいたピノに目を向けた。目を向けると、不意にある事を思い出した。
「そうだ……! そう言えばお前、背中の刺し傷はどうした……!?」
彼が心配そうな顔で尋ねると、ピノは素直に答えた。
「う~ん、よくわかんない。気がついたら背中の傷が消えてたの」
ピノは服を捲ると背中の傷を彼に見せた。
「さ、刺し傷がない……!?」
彼は信じがたい状況に驚くと、口を閉ざして考え込んだ。そして、しばらく黙ると彼はピノに話しかけた。
「やはりな…――」
「ローゼフ?」
「やはりあの声は……」
「ローゼフの知っている人?」
ピノはキョトンとした顔で首を傾げると、彼の顔を覗き込んだ。
「いいや、違う。でもきっとあの声はきみのお父さんの声かもしれない…――」
彼の思いがけない言葉にピノは驚くと、そこで唖然となった。

          

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