少年愛玩ドール

成瀬瑛理

真実の愛、そして永遠

窓辺に垂れ下がっている白いカーテンが、風で小さく揺られめいていた。ベッドの脇に置いてあった花瓶には、白い百合の花が飾られていた。ローゼフは霞んだ瞳を開くと、傍に誰かが立っているのが見えた。顔はハッキリと見えなかったが、彼はその姿が誰か直ぐにわかった。金髪に長い髪の女性が優しそうな顔で、彼に微笑むのが見えた。長い髪の女性が彼の傍に近づくと、そっと自分の頭に触れたのを感じた。ローゼフはその女性に向かって声をかけた。
「母上。母上なのですね……?」
長い髪の女性は彼の質問には答えずに、風に揺られてはためいているカーテンの奥へと姿を消した。
「待って下さい……! 私はまだ貴女に…――!」
彼は咄嗟に手を伸ばすと声をあげた。すると、カーテンの奥から小さな人影が見えた。
「ピノ……!?」
名前を呼ぶと再びそこで目が覚めた。 視界には天井が広がった。
「ここは……?」
ベッドの上で呟くと、傍にいたパーカスが声をかけてきた。
「お目覚めですかな、ローゼフ様?」
「パーカス……?」
ローゼフはボンヤリとしたまま、彼の方に目を向けた。パーカスは読んでいる本をパタンと閉じると、椅子から立ち上がって部屋のカーテンを開いて窓を開けた。
「私は何故ここにいるのだ……!? 私はあの時、時計台の塔の上にいたはずだ……!」
ローゼフは驚いたような表情で頭を抱え込んだ。
「そ、そうだ……! パーカス、ピノはどこだ!? ピノはどこに……!?」
「ピノですか? ピノならそこに居ますよ?」
パーカスはキョトンとした顔で彼に答えると、指を指した。ローゼフは急いで体を起こすと、おそるおそる横を振り向いた。振り向くとそこには、ピノがベッドの脇に立ってローゼフの顔をジッと見つめていた。
「ピ、ピノ!?」
その瞬間、ローゼフは信じられない光景に衝撃を受けて声を出した。

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