少年愛玩ドール

成瀬瑛理

真実の愛、そして永遠

「ねぇ、ローゼフ。ボクは助かるのかなぁ……」
ピノは弱々しい声で彼に尋ねた。ローゼフはその言葉に体を震わせて沈黙した。少年は明らかに弱り始めていた。その光景に彼は、本当のことが話せなかった。
「あ、あたり前だろ……!? 助かるに決まってる! お前をこんな所で死なせたりはしない! さっき私と一緒に帰るって約束しただろ……!?」
震える声でそう答えると、ピノは小さくニコリと微笑んだ。
「ピノ……!」
彼はその笑顔に胸の奥をかき乱された。
「ボクね……オーランドおじさんの、あの子を想う気持ちがわかるんだ…――」
「ピノ……?」
「おじさんはあの子を心から愛してたんだね……」
ピノがそのことを話すと、ローゼフは首を頷かせた。
「ああ、私もそうおもうよ……。ただその愛が深すぎたばかりに、彼はあのような狂気に走ってしまったんだ…――」
「うん、そうだね……。あの子もきっと、おじさんの愛をわかっていたとおもうよ……」
ピノはそう話すと壊れた彼女の方を見た。
「人形だから言葉は話せないけど、人形だから愛は返せないけど、でも自分に注がれている愛には、気づいているとおもう……。あの子を見た時、ボクにはわかったんだ。あの子はあのおじさんに大事に愛されている人形だって…――」
「ピノ、お前にわかるのか……? 人形の気持ちが……?」
「うん……。彼らには言葉はないけど、気持ちは確かにあそこにあるんだ…――」
「――そうか。彼女は彼に愛されて幸せなドールだったんだな」
ローゼフはうつ向くとピノの小さな手を優しく握った。手に触れると、段々と手が冷たくなっていくのを感じとった。あまりの辛さに目をそむけると、彼は空を見上げて天を憎んだ。

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