少年愛玩ドール

成瀬瑛理

真実の愛、そして永遠

アーバンは血を流しながら立ち上がると、そのままヨロヨロと後ろに下がった。
「フハハッ……! いいきみだ……! 冥土の土産には丁度いい! これで貴方は、また一人ぼっちの逆戻りです! 私を死に追いやったんだ、それくらいの罰を与えなくてはね……!」
「アーバンッ!」
「フフッ……。貴方のその絶望に打ちのめされた顔ときたら、滑稽過ぎて笑ってしまいそうです。そこのジジイと一緒に貴方も纏めて始末する予定でしたけど、まあ良いでしょう……。貴方は精々、誰もいなくなった世界で、この子の死に永遠に嘆くがいいです――」
アーバンは最後まで彼を罵ると、時計台の塔の隅まで歩き、そこで終わりを迎えようとした。ローゼフは怒りと憎しみに支配されながら、彼の名前を叫んだ。
「待てアーバン!」
彼はそこで佇むと不意に呟いた。
「最後に良いことを教えてあげましょう、貴方のご両親は――」
アーバンはそこで呟くと、フッと笑った。彼が制止したのも関わらず、アーバンは両手を広げると、時計台の塔の上から自ら身を投げて命を絶った。
「なんて最後まで卑怯な男なんだ! クソッ……!」
ローゼフは怒りに拳を震わすと、自分の唇を噛み締めながら悔しさを込み上げた。ピノは息絶え絶えになりながら彼の名前を呼んだ。ローゼフはハッとなると、急いで傍に駆け寄った。
「ピノ大丈夫か……!?」
「ハァハァ……ロ、ローゼフ……もう終わったの……?」
「ああ、終わった。終わったとも…――」
彼は悲しげな表情でそう話した。
「そう……よかった――」
ピノは横たわった地面の上で、ホッと安心した顔を見せた。
「さあ、帰ろう……。一緒に……」
ローゼフは胸の奥が押し潰されるほどの酷い悲しみに襲われると、そこで言葉を詰まらせて沈黙した。
どうみても助からないのは一目瞭然だった。地面には、少年が流した血が流れ出ていた。どうすることも出来ない無力な自分に、彼はただ溢れる涙を堪えることしか出来なかった。ローゼフは心配させないように気丈に振る舞うと、両手でピノを抱き上げようとした。するとピノは彼の腕の袖口を掴んだ。

          

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