少年愛玩ドール

成瀬瑛理

黒幕

死と言う現実を受け入れられない彼に、ローゼフは冷めた目で話しかけた。
「――いいだろう。欲望にとりつかれた哀れな貴様に教えてやる。これはステッキに見せかけた仕込み銃だ。まさかこんな時にこれが役に立つとはな、私がただ骨董品を集めていたと思うなよ……!」
ローゼフのその言葉にアーバンは大きな衝撃を受けた。
「それにこれはお前が昔、私に売った物だ! そんなことも忘れたのかバカめ……!」
「くっ、ただの小僧と見くびっていた私が甘かった……!」
アーバンはそのことに気がつくと、倒れた地面の上で言葉を失った。ピノは泣きながらローゼフのもとに走り出すと、彼に向かって飛びついた。
「ローゼフ……!」
「ああ、ピノ! もうお前を離さないぞ!」
彼は震える両手でピノを抱き締めると、自分の腕の中にギュッと閉じ込めた。ピノはローゼフの腕の中で安心すると、そこで泣きながら話しかけた。
「っひ……く……! ローゼフ、ボクもう離れないよ……! いっぱい大好き……!」
「ピノ。ああ、私もお前を…――」
彼は優しく微笑むとピノの小さな頭を撫でた。すると突然、ピノは目の前で顔色を変えたのだった。鮮やかに咲く薔薇の花びらがやがて地面に散ってしまうように、終わりは前触れもなく訪れた――。

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