少年愛玩ドール

成瀬瑛理

黒幕

「手に入れられるなら、悪魔に魂を売ってもいいとね! 実に素晴らしいじゃないですか、だから私もそれに従っただけです」
「おのれアーバン……! よくもこの私をハメたな……!」
オーランドは自分の唇を噛み締めながら、怒りにうち震えた。
「人聞きの悪い言い方はお止め下さい。私は単にもっといい方法を思いついただけです。だから貴方はもう必要ないんです。そう、このガラクタの人形みたいにね――!」
アーバンは悠然と話すと、オーランドの可愛がっていた少女の人形を後ろから足で椅子ごと蹴り飛ばした。そして、少女の人形は車椅子から落ちると、地面に横たわったのだった。
「ホッホッホッ、実に気分がいいです。最高です。人が大事にしているものを足で踏みにじる事が、こんなにも楽しいとは思いませんでしたよ。いいですね、貴方のその間抜けな顔なんてとくに。大事なものを手にかけられて、ショックで言葉もでないって感じで見てて楽しいです。貴方だって、彼の大切にしている人形を足で踏みつけたでしょ? そう、丁度こんな風にね…――」
アーバンはニヤリと笑うと、彼の目の前で少女の人形を足でおもいっきり踏みつけた。そして、人形の顔を足で何度も踏みつけると、彼は見下しながらそこで話した。
「まったく……! いい年した貴族のオッサンが、こんな人形ごときで自分の一生を無駄にするなんてバカげている! なんの苦労もしないで人形なんぞに無駄な金をかけて! だから私は貴族が嫌いなんだ! パンを一つ買うだけでも市民達は苦労していると言うのに……! 貴様らはろくに苦労もしないで、好きなモノを楽して手に入れている! たかが生まれた環境が違うだけで自分達は市民達よりも、特別な存在だと思い込んでいる! つけあがるなよクソの癖にして、貴族がいるから市民達の暴動が絶えないんだ!」
アーバンは怒りをぶつけると、倒した人形の顔を足で何度も踏みつけた。そして唾を吐いて憂さ晴らしをした。

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