少年愛玩ドール

成瀬瑛理

激情

ますます卑劣な彼の手口は、恐ろしい程の醜悪に満ちていた。ピノは泣き叫ぶと助けを求めた。
「おじさんやめてよ! ローゼフを殺さないで!」
「おやおや、こんな時でも美しいおもいやりとやらか? こんな時にたいしたドールだ。自分の命も危ないと言うのに――」
彼はそう言うとピノの頭に銃口を向けた。
「やめろオーランド! やめてくれ頼む!」
「ますますお前達にはヘドが出そうだ! さあ、それでその子を殺せ!」
オーランドは彼の足下に銀の鋭いナイフを投げつけた。
「私にピノを殺せだと!? 貴様、それでも同じ人間か! ピノは…――!」
「この子がなんだ? この子は人間ではなく人形だ。何を勘違いしている? 一緒に居すぎて、人間と人形の見分けの区別もつかなくなったのかバカめ!」
冷酷な顔でそう言い放つと、ローゼフは今まで以上の激しい怒りに燃えた。
「そうだこいつは人形だ。ただ生きてるだけの偽物にしか過ぎないだけだ」
オーランドはそう言うと、いきなり足でピノを後ろから蹴った。
「きゃっ!」
そして地面に倒れたピノの背中を、彼は足でおもいっきり踏みつけた。
「あぁあああああん! いたいよぉっ!!」
「ピノォッ!」
「ふん、貴様に似て小癪な人形だ!」
彼はピノをまるで物のように踏みつけた。そこには彼の歪んだ人格しかなかった。オーランドは泣き叫ぶピノを容赦なく足で踏みつけたのだった。
「勘違いするなよ小僧。 お前に愛玩ドールをあげたつもりはない、ただ貸しただけだ! だから返して貰うだけだ! それに夢は十分みただろ? 孤独なお前はこの子に救われた。だからもうそろそろ良い頃だろ? 今なら綺麗な思い出だけをくれやる。だが、私に歯向かえばこの子は私がジャンクにしてやるまでだ!」
彼の狂気はあまりにも深く。そして、身の毛もよだつような恐怖をローゼフは感じた。
「ギャーギャーうるさい奴だ。足を撃てば少しは大人しくなるのか?」
彼はそう言うと銃の引き金を引いた。

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