少年愛玩ドール

成瀬瑛理

決闘

ローゼフはピノを抱き締めると優しく微笑んだ。
「当たり前だ! お前は私のすべてだ! そう気づかせてくれたのはお前だ! お前がいなければ私は生きていけない! 愛してるピノ!」
「ローゼフ、ボクも…――」
2人は恋人のように抱き締めあうと、互いに強く惹かれあった。
「さあ、帰ろう。帰って一緒に温かいココアを飲もう」
「うん……! ボクも帰りたい、あのお家に…――!」
「ああ、もちろんだ……! パーカスもお前の事を心配しているぞ?」
「そうだねローゼフ……」
ピノはニコリと微笑んだ。その笑顔が彼にとっては何よりの宝物だった。ローゼフはピノを両腕で抱きかかえると、そこから出口に向かおうとした。すると近くで拍手が鳴った。オーランドは拍手をしながら2人に前に現れた。
「素晴らしい! まるで舞台劇場をみているようだったよ、ローゼフ君!」
彼は優雅な拍手をすると物陰から現れた。彼の姿をみるなり、ローゼフは怒りを爆発させた。
「オーランドォッ! よくも私の大事なピノを、お前だけは絶対に許さないぞ!!」
「フッ、見事な傷の舐めあいに敬意を払いたい気分だ。よく来たなローゼフ伯爵、本当にノコノコ来るとはきみも随分とお人好しな性格のようだ。きみにとっては、その子がよほど大事に見える」
「ああ、そうだとも……! ピノは私のすべてだ!」
ローゼフは強気な姿勢で彼に言い返した。
「違うな、違うなローゼフ君。きみはその子を自分の物だと勘違いしている――」
「何……!?」
「その子はきみのドールじゃない。私のドールだ」
オーランドのその言葉に自分の耳を疑った。
「何を言っている貴様は……!?」
「きみは賢いのになかなか気づくのが遅いようだ。その子が何故、自分のもとに来たのかを考えた事はないのかね? まさか骨董品収集で、簡単に愛玩ドールが手に入れられると思ったか?」
「なっ、何……!?」
「バカめ! そんな簡単に容易く手に入るくらいなら、私はとっくにお前よりも先に愛玩ドールを見つけて今頃とっくに幸せになっているさ……! なんの苦労もしないで手に入れた癖に逆上せるな!」
彼はそう言い放つと、コートに隠していた銃を取り出した。

「少年愛玩ドール」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「恋愛」の人気作品

コメント

コメントを書く