少年愛玩ドール

成瀬瑛理

「でも、所詮は偽りだ。偽りの姿のきみを、彼が本気で愛すわけがなかろう。彼は人形遊びを楽しんでいるだけなんだよ」
「違う……!」
「きみが珍しいから。きみが生きた人形だから、彼は面白がっているんだ。ちがうかい?」
「違う違う……!」
「そして飽きたら人形遊びをやめて、他に興味を示すだけだ。例えばローザンヌ家の美しい令嬢、ベアトリーチェとかいう娘にな。おお、可哀想なピノ……。きみはなんて不幸で可哀想なんだ。愛し愛される為にこの世に誕生したのに、一方的にしか愛は通じておらず。彼の愛はきみから離れていくばかりだ。なんて可哀想な愛玩ドールなんだろうか、私ならきみを悲しませたりはしないよ――?」
「ボ、ボクが可哀想なドール……?」
「ああ、そうだとも。彼の愛がきみから離れていくのをそばで感じないか?」
彼がそう言って話すと、ピノは急に泣き出してワンワン泣いた。
「っひ……うっ……うっ……。ローゼフ……ローゼフ……ひっく……」
ピノは悲しくて涙が止まらなかった。オーランドは悲しんでるピノを見ると、ニヤリと微かに笑った。
「ど、どうしておじさん。ボクが愛玩ドールだってこと知ってるの……?」
「ああ、わかるとも。私はずっときみを探していた。愛玩ドールに会える日を、私はどんなに心から待ちわびただろうか。もとはきみは私の愛玩ドールになる予定だった。しかし、計画が少々狂ったが問題はない。私はきみをやっと手に入れたからな」
オーランドのその言葉にピノは衝撃を受けると、怖くなって馬車から飛び降りようとした。 しかし、彼は持っているステッキでドアの前を叩いて塞ぐと急に座れと怒鳴り声をあげた。ピノはビックリすると、椅子に戻って震え上がった。

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