少年愛玩ドール

成瀬瑛理

「いいかピノ。彼の愛が本当なら確かめて見るんだ。それが真実なら彼は必ず、きみのところに帰ってくるはずだよ」
「アーバンおじさん……?」
「さあ、一緒に行こう! 行って彼を止めるんだ……!」
「で、でも……。お外に出たらローゼフに怒られちゃうよ…――」
「じゃあ、彼があの人に会ってもいいのかい?」
「ダメ!」
ピノはとっさに言い返すと、瞳から大きな涙を浮かべた。
「じゃあ、行こう! 私のあとについて来なさい!」
アーバンが手招きすると、ピノは勇気を出して彼のあとについて行った。そして、庭園を2人でコソコソ歩くと、アーバンが茂みからピノを呼んだ。
「こっちだよピノ!」
「アーバンおじさん待って……!」
2人は小さな小道を隠れながら歩いた。そして、屋敷からずいぶん離れていたことにピノは不意に気がついたのだった。
「アーバンおじさん、この道で大丈夫なの?」
「ああ、そうだよ。こっちで言いんだ。さあ、ついて来なさい」
「う、うん……!」
ピノは彼のあとを黙ってついていった。そして、見知らぬ場所に到着した。森の中には一台の黒い馬車が止まっていた。アーバンはいそぎ足で馬車に近づくと、そこからヒソヒソと誰かに話かけた。
「~~様、例のあの子を。はいそのとおりです。大丈夫です。ご心配なく」
アーバンが誰かとヒソヒソと話していると、ピノはそこで急に不安感を抱いた。
「さあ、乗りなさい」
「え……?」
「さあ、いいから早く!」
「で、でも勝手に屋敷の外に出たら……」
「そんな事はいいから乗って!」
「でもやっぱり……」
「大丈夫、私からあとでパーカスさんには説明しとくよ」
「ほ、本当に……?」
「勿論だとも。私を信じなさい」
「うん、わかった……!」
彼がそう言って話すと、ピノは信じてうなずいた。そして、そのまま馬車の中に乗ったのだった。

「少年愛玩ドール」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「恋愛」の人気作品

コメント

コメントを書く