少年愛玩ドール

成瀬瑛理

舞踏会

「ところローゼフ君、この小さな子供は?」
「ああ、この子はピノと言います。わけあって私が今引き取っています。この子には両親がなく、身寄りがないのです」
「ほう、そうか……。それは可愛そうにピノ君、さぞかし辛いだろ?」
オーランドは屈んでそう話すと、ピノの頭を優しく撫でた。
「そ、そんなことないよ……! ボクには大好きなローゼフがいるもん……!」
ピノはそう話すと、ローゼフの服の袖を掴んで後ろに直ぐに隠れた。
「そうかそうか、それなら結構だ。どうやらピノ君は、きみを凄く慕っているようだ。実にうらやましいよ…――。私には家族がいないから、さそがし毎日が楽しいだろうな」
「ねえ、おじさん!」
「コラ! おじさんではなく、オーランド公爵と呼びなさい!」
ローゼフが軽く叱りつけるとピノは反省した。
「構わんよローゼフ君。年頃の子供には、私はそう見えるかも知れないな」
オーランドはそう話すと、近くの椅子に腰を下ろして座った。ピノはローゼフの側を離れると、オーランドの前に立って聞いてみた。
「ねえ、オーランドさんには子供はいないの?」
「およしなさいピノ……!」
「だ、だって……」
ローゼフがとっさに叱りつけると、ピノは再び怒られて悄気て見せたのだった。オーランドはそこで小さく笑うと、ピノの質問に快くこたえた。
「ああ、居るとも。きみも見ただろ――?」
「え……?」
「この屋敷に飾られている人形は全て、私の大切な子供だ」
「そうだったんだ! この屋敷に飾られているお人形さん達、みんな幸せな顔しているからおじさんに愛されているんだね!?」
ピノはそう話すと無邪気に微笑んだのだった。

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