少年愛玩ドール

成瀬瑛理

髪飾り

「ピノ、あの部屋とはローゼフ様の母上の部屋ですかな?」
「たぶん……。部屋の壁に大きな肖像画が飾られているんだ。その人すごく綺麗で、まるで雰囲気がローゼフみたいなんだ」
「ええ、知っていますとも……。マリアンヌ様はとてもお美しく、賢明で慈愛に満ちた優しい方でした。そして、ローゼフ様を心から愛しておられました」
「そうなんだパーカス。あの人がローゼフのお母さんなんだ……」
ピノはあの肖像画の女性がローゼフの母親だとしると、様々な想いが胸の中に広がった。
「所でピノ、あの髪飾りをどこで拾ったのだ?」
「うんとね……。さっき部屋の鏡の前にいたらね、あの人が鏡の中に映ったの。それで髪飾りをボクに探して欲しいって言ってきたの。凄く大事な物だって言ってた……。だからあの人に言われるまま、髪飾りを探したんだ。そしたらね、タンスの下の奥に落ちてたのを見つけたの。ボク髪飾りを見つけて鏡の中の人に話したんだ。そしたらね、それをローゼフに渡して欲しいって……。だからボク、見つけた髪飾りをローゼフに見せたの…――」
ピノは悲しそうにそう話すと、瞳から大きな涙を溢した。パーカスはその話しを聞くと大きな衝撃を受けて動揺した。
「し、信じられん……! マリアンヌ様の魂が鏡の中に映ったとは……!? ひょっとしたらこの子には、マリアンヌ様の魂が見えたに違いない……!」
パーカスは思わずひとり言を呟くと、深く考えたのだった。2人が話しているとローゼフが戻ってきた。そしてピノが入っていた青い鞄を床に投げると冷たく言い放った。

「少年愛玩ドール」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「恋愛」の人気作品

コメント

コメントを書く