少年愛玩ドール

成瀬瑛理

訪問者

「彼がどんな風にして愛玩ドールを作り上げたかは知りませんが、実際この目で今いるのですから彼は偉業を成し遂げたのでしょう――」
アーバンはそう言って話すと、ピノを興味津々な顔でジッと見つめた。
「その者はどうなった?」
「さあ、私にはわかりません。生きてるのか死んでいるのか……。彼の名前さえも、誰も知らないんですから――」
商人はそう言って答えると、座っていた椅子から立ち上がった。
「ではローゼフ伯爵、今日は素敵な骨董品のお買い上げありがとうございました。次回は東洋からあつめた珍しい骨董品などをお持ちします」
「ああ、次も頼んだぞアーバン」
商人はそう言って話すとローゼフに握手を求めた。そして、帰り際にピノに一言話しかけた。
「ではピノ、ご機嫌よう――」
アーバンはそこで優雅にお辞儀をすると、彼の部屋から出て行った。ピノはアーバンがいなくなるとローゼフの首に両手を回してぎゅっとしがみついてきた。そして、ボソッと呟いた。
「ローゼフ、ボクあの人嫌い…――」
「ピノそんなことを言うんじゃない。まあ、確かにアーバンは少し変な男だか……」
ピノは急に頬っぺたを膨らますと、彼の膝の上から降りて部屋から出て行った。
「おい、どうした? 戻って来なさい。まったく、ピノの奴どうしたんだ? それにしても愛玩ドールか、実に興味深いな…――」
彼はフと呟くと椅子の上で考え込んだ。

          

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