少年愛玩ドール

成瀬瑛理

秘密

高い所から落ちたピノは、体を地面に叩きつけられた。
「うわぁっ!!」
物凄い衝撃の音にローゼフは驚くと、持っているステッキを床に投げ捨てた。そして、慌ててピノのもとに駆け寄ったのだった。
「ピノ大丈夫か……!?」
彼はそう言って心配そうな顔で覗きこんだ。
「うわぁあああん! ローゼフ怖かったよぉ!」
ピノはその場で泣き出すと、彼に抱きついてワンワン泣いた。
「ピノ、部屋から勝手に出てはいけないとあれほど言っただろ!?」
「だってだって帰ってくるの遅いんだもん! ボクお腹空いて我慢出来なくて……! っひ……く、ローゼフごめんなさぁい……!」
ピノが泣いて謝るとローゼフは一瞬、呆れた表情をした。そして、黙って頭を優しく撫でた。
「よしよし。もう泣くな、わかったから泣かないでくれ――」
「ひっく……ひっく……ローゼフ……っひ……」
2人のやり取りを見ていたパーカスは、その場で思わず声をかけた。
「ローゼフ様これはどうゆう事ですか!? ちゃんとわかるように私に説明して下さい! この子は一体、誰なんですか!?」
「黙れパーカス! お前みたいな奴に話すことなど一つもない!」
「いいえ、そうはいきません! 私はこの家に長年お仕えしてきました! 今さら隠しごとはよろしくないかと思います! ましてやこんな小さな子供を……!」
パーカスは激怒した表情でローゼフに問い詰めた。だが、彼はなかなか話さなかった。
「ええい、うるさい……! ピノは人形なんだぞ!? 壊れたらどうする、もっと優しく扱え!」
「なっ、なんですと……!?」
ローゼフは怒り狂うと、おもわず秘密を口走ってしまった。その言葉にパーカスは驚愕した表情で目を丸くさせたのだった。
「し、しまった……!」
その瞬間、ローゼフはしまったと口にすると急に黙り込んだ。パーカスは聞捨てならない話に困惑すると、彼に思わず聞き返した。
「ローゼフ様、今の言葉は一体どう言うことですか……!?」
「お、お前には関係ないことだ……!」
「ローゼフ様、ちゃんと説明して下さい! 今貴方様はこの子を人形と仰りましたね!?」
「黙れパーカス!」
「ローゼフ様、ちゃんと答えて下さい!」
2人がその場で言い争うと、ピノはピタリと泣き止んで呆然とした表情でキョトンとした。

          

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