少年愛玩ドール

成瀬瑛理

秘密

部屋に戻ると少年は大人しくベッドの下に隠れていた。そして、ベッドの近くで声をかけるとピノはすぐに下から飛び出してきて、彼の脚に無邪気に抱きついてきたのだった。
「ローゼフお帰りなさい! ボクベッドの下で大人しく良い子にしてたよ、偉い?」
ピノはそう言って無邪気に笑った。
「あれ、ローゼフどうしたの? なんか元気がないね?」
ピノが心配そうな顔で話しかけると、彼は疲れた顔でベッドに腰を下ろして座った。彼が座るとピノは無邪気に膝の上に座った。
「ボク、ローゼフの膝の上だぁい好き!」
ピノはそう言って甘えると、にこりと愛らしく微笑んでふり返った。
「そうだピノ。お前にお土産があるぞ?」
「わぁい、ありがとう! そのパン美味しそうだね! それになんかいい匂い!」
「フフッ、人形なのに匂いがわかるのか? 面白いなピノは――」
「うん、なんかそんな感じがするんだ!」
ローゼフはピノのその言葉にくすりっと笑うと、ナプキンに包んだクロワッサンを手渡した。
「これなぁに?」
「ああ、これはクロワッサンと言う名前のパンだ」
「食べてもいい?」
「ああ、どうぞお食べ」
ピノは初めて食べるパンを美味しそうにガブリとほうばった。
「ローゼフ、このパン美味しいね!」
「そうなのか? 私はあまり好きじゃないな……」
ピノは口一杯にムシャムシャさせながら、幸せそうに食べていた。その愛らしい様子を見た彼は、傍でクスっと微笑んだ。
「クロワッサンもっと一杯食べたい!」
「ダメだ! 次はもっと持ってくるからそれで我慢しなさい!」
彼がそう言って駄目だと話すと、ピノはションボリしてガッカリした表情を見せたのだった。

「少年愛玩ドール」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「恋愛」の人気作品

コメント

コメントを書く