少年愛玩ドール

成瀬瑛理

バスルーム

その日の夕方、日が沈む頃。ローゼフはピノをお風呂に入れた。寝室の隣にある浴室で、彼はピノの体を綺麗に洗ってあげた。ピノは初めて入るお風呂に喜んでいた。まるで見た目は人間の子供のようだった。だが、少年には大きな秘密があった。それは見た目は人間の子供のようだったが、体の造りが人形だった。間接部分が人間とは異なり、人形特有の間接だった。そこに違いがあるのは明確だった。
ピノは人間ではなく、人形なのに、人と同じ形で生きて喋って動いている。そして体温も感じられる。まるで全てに魔法がかかったようだった。ローゼフは初めは驚いたが直ぐに慣れた。そして少年の柔らかい髪を丁寧に洗ってあげた。
「お前はホント、不思議だな。そして奇跡のようだ。私は生きた人形なんて見たことがない」
「本当に?」
「ああ、そうさ――。ピノ、お前は奇跡の子供だ。きっと世界中でどこ探しても、お前みたいな生きた人形なんていないだろう。私はそこに奇跡を感じずにはいられないのだ」
「奇跡ぃ?」
ピノには彼の話を理解するのは難しかった。だから首をかしげて、彼の方を大きな瞳でキョトンと振り向いたのだった。
ローゼフはそう話すと温かいお湯を頭からかけて洗い流した。ピノは彼に体を洗われながら気持ちよさそうな表情だった。そして湯船の中でリラックスしていた。
「ローゼフもお風呂に入る? 気持ち良いよ?」
ピノはそう言って無邪気に話しかけてくると、彼はそれを断った。
「いや、やめておく――。私は一人で入るのが好きなんだ。それにもし一人で勝手に入ったらパーカスが怪しむだろうしな……」

          

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