少年愛玩ドール

成瀬瑛理

贈り物

「どうだサイズは?」
「うん、ちょうどピッタリだよ!」
ピノはそう言って答えると、彼の前で無邪気にクルリと回ってみせた。その愛くるしさに思わず、ローゼフは表情が緩くなった。
「ゴホン……そうだ、歩くのが慣れたら外の庭を一緒に散歩しよう」
「えっ、お外に出れるの……!?」
その言葉にピノはびっくりすると、瞳をキラキラ輝かせながら聞き返した。
「ホントにホント……!?」
「ああ、私はお前に嘘はつかない」
ローゼフはそう言って答えた。ピノはその言葉を信じると、嬉しそうに跳び跳ねながら喜んだ。
「わぁっ! 嬉しいなぁ! 早くお庭で遊びたい! 約束だよローゼフ! 一緒にお庭で散歩しようね!?」
ピノは心から喜んでいる様子だった。彼はそこで再び約束を交わした。
「ああ、ピノと私の初めての約束だ…――。この可愛らしい手に誓うよ」
ローゼフは不意に少年の小さな手をとると、手の甲に誓いのキスをした。美しい彼の顔を近くでみたピノは頬を赤く染めたのだった。それから2人は毎日歩く練習をした。彼が自分の部屋で小さな少年と過ごしていることは誰も知らなかった。時おり彼の部屋から明るい笑い声が聞こえてくると、執事のパーカスは首をかしげるくらいだった。孤独な彼にとって少年との時間は失われた時間や、過去や思い出を埋めるような、楽しい一時だった。両親を幼い頃に失った時からずっと、彼は笑わずに生きていた。その凍った心も少年と一緒にいることで雪解けのように溶けていった。ピノは彼にとって唯一の家族のような存在だった。自分の孤独を紛らすように、彼は少年の傍に寄り添った――。

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