少年愛玩ドール

成瀬瑛理

贈り物

小さな少年が家に来てから彼の世界は一変した。今まで孤独と寂しさにつつまれた屋敷にも、久しぶりに笑い声が響いたのだった。ローゼフは自分の部屋でピノに歩く練習を教えていた――。
「さあ、ピノ。ここまで歩いておいで」
ローゼフは優しく微笑むと大きな手を少年に差しのべた。
「待ってよローゼフ、ボク上手く歩けない!」
ピノはカーペットの上で座り込むと、ぐずりながら言い返した。ローゼフはピノの機嫌をとる為、あることを話した。
「ピノ、ここまで歩いたらご褒美をあげる」
「ほっ、本当……? うん、わかった……! じゃあもう一度、歩いてみる……!」
ピノはそう言って彼に返事をすると、座り込んだカーペットの上を立ち上がった。少年は生まれて間もない様子だった。どこか危なっかしくて、まるで赤ちゃんのような不安定な歩きかただった。ピノは両手を差し出すと、彼のもとにふらつきながらも一生懸命に歩いた。
「よし、いい子だ。そのまま真っ直ぐこっちに歩いてごらん」
ローゼフはそう言って少年を誘導した。
「うん……!」
ピノは一生懸命歩きながら、彼に手を伸ばしながらあるいた。あと少しと言うところでカーペットに躓くとそのまま倒れそうになった。
「キャッ!」
「ピノ……!」
その瞬間、ローゼフは咄嗟にピノを両手で受け止めたのだった。

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