少年愛玩ドール

成瀬瑛理

魂の儀式

「な、なんだこの蒼白い光は……!?」
ローゼフは目の前で人形が輝くと、その不思議な光景に驚愕したのだった。
「ローゼフ伯爵、人形に魂が宿りました! さあ、今のうちに貴方様が望む理想のドール像を心の中で描くのです! それは貴方様だけのドールです!」
アーバンはそう言って彼を急かしたのだった。
「いきなり何を言っているんだお前……!?」
「早く理想を描くのです! でなければ魂の儀式は失敗に終わります! この儀式が失敗すれば、次にやり直せるのは今から100年後になります!」
「貴様、そんな大事なことは先に言えっ!!」
ローゼフはアーバンに怒りながら言い返すと、彼に言われるままに心の中で理想のドール像を描いた。そして輝きは失われると儀式は終わった。
「終わったのか……?」
「そのようですね、理想は描きましたか?」
アーバンは彼にそう言って尋ねると、ローゼフは一言返事した。
「ああ、一応な。でも人形に変化はないな……」
「もしかしたら人形に変化が起こるのは、明日かも知れませんよ――?」
「ああ、そうだな……」
ローゼフは商人とそう言って会話を終わらすと、さっきの出来事がまだ信じられない様子だった。
「では、わたしはこれで……!」
商人は軽くお辞儀をすると、そそくさと部屋を出て帰って行った。ローゼフは不思議そうな顔で人形を眺めた。
「本当にこれで動くのか……?」
ローゼフはテーブルの上にある人形を手に取ると鞄の中に戻したのだった――。

          

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