少年愛玩ドール

成瀬瑛理

魂の儀式

「まず貴方様の髪の毛一本と、まつ毛一本と、切った爪の欠片を一つ下さい。それをこのお皿に入れて聖水をかけて清めます」
彼は商人の指示に従うとさっそく行動した。
「やったぞ、次はどうするんだ?」
「ではローゼフ伯爵、貴方様の血を一滴このお皿に入れて下さい」
商人はそう言って刃物を彼に手渡した。
「……わかった。指先の血でいいんだな?」
「はい、それで構いません」
彼は刃物で自分の指先を切ると、血を一滴お皿の上にたらした。すると一瞬にして皿の中が沸騰して全てが血の中に溶け込んだのだった。彼は見慣れない光景に唖然となった表情でそこに佇んだ。商人は皿の中に入っている血を、自らの唇に塗る事を彼に指示した。ローゼフは始め嫌がったが言われたとおりに指示に従うと、恐る恐る自分の唇に血を塗ると商人に話かけた。
「……まるで黒魔術みたいだな。本当にこれで大丈夫なのか?」
ローゼフはまだ疑っている様子だった。だが、アーバンは淡々と物事を進めなから落ち着いていた。
「はい大丈夫でございます! さあ、血が乾かないうちに人形にキスをするのです!」
商人のその言葉に彼はとっさに反論した。
「貴様、正気か……!? この私が人形にキスをするだと……!? そんな馬鹿げたことができるか!」
ローゼフはそう言って拒否を示した。
「では、諦めるんですね?」
アーバンは渋っている彼にそう言って問いかけると、ローゼフは急にムキになって言い返した。
「だ、誰が諦めるか……! ここまでやったからには簡単に諦めてたまるか……!」
ムキになって言い返すと、ローゼフは恐る恐る人形にキスをした。すると次の瞬間、人形は目映い輝きを一瞬にして放った。

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