少年愛玩ドール

成瀬瑛理

愛玩人形

部屋で一人きりになった彼は、ため息をつくと椅子に座って腰を下ろした。テーブルの上にある青い鞄を見ると不意に中を開けた。そしてビスク・ドールを手に取ると不意に呟いた。
「愛玩ドール、愛を欲しがる人形か…――」
ローゼフは手に持った人形を興味深い表情で眺めると、フと我に返った。
「ふん、バカらしい……!」
そう言って手に取った人形を再び鞄の中戻した。
「第一、この人形には表情もなければ髪さえもない。それに何も身につけてない。まるで作りかけの人形みたいだ。そんな人形を見てどうやって愛着が沸くと言うのだ…――!?」
そう言って独り言を呟くと、その日は早い時間に就寝したのだった。


――翌日、彼は再び鞄から人形を取り出して、半信半疑で話かけてみた。そして、その次の日も人形に話かけた。でもいくら話しかけても、人形は返事をすることもなく黙ったままだった。彼は自分で呆れながらもそれでも人形に話かけ続けた。そして、たまに庭に人形を抱っこしたまま出歩いたりもした。そんな光景は使用人や執事にも目撃された。しかし、そんな彼の奇妙な行動を目にしても周りは誰も言えなかった。そしてそんな日々が続いたある日、再び商人が屋敷に現れたのだった。

          

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