少年愛玩ドール

成瀬瑛理

愛玩人形

「愛玩ドール……興味深いな」
彼は僅かに興味を抱くと人形を手に持った。
「ローゼフ伯爵、これは買いに間違いありません! 滅多に手に入らない幻の人形なんですよ!?」
商人はそう言って話すと買うように進めた。
「確かに興味深いがまだ買うとは決まっていない……! ましてや生きてて、人形の癖に人間の愛を欲しがるなんて気味が悪いだけだ……!」
彼はそう言い返すと、手に持ったビスク・ドールを手荒く鞄の中に戻した。
「――では、お買いにはなられないのですね?」
「なに……?」
「この機会を逃したらもう二度とこの人形とは巡り会うことはありませんがよろしいですね?」
商人の何気ないその言葉に彼は少し迷った。
「わたし以外の他に買い手がつくとでも言いたいのか?」
「ローゼフ様この人形は幻の人形です。愛玩ドールを探して欲しがっている人はこの世界中に沢山います。貴方様は私の一番のお客様です。だから最初にこれを貴方様に見せたかったのです。――ですが、貴方様がこの人形をいらないと仰るのであれば他の方に人形を売りたいと思います」
商人のその言葉に彼は心が揺らぐと、一言告げた。

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