少年愛玩ドール

成瀬瑛理

愛玩人形

「お、落ち着いて下さいローゼフ様……!」
「これが落ち着いていられるか! 人形が人の愛を欲しがるわけがないだろ! 人形は人形なんだぞ!?」
ローゼフは興奮した様子で問い詰めると、商人は困った表情で言い返した。
「ほっ、本当に本当なんです……! この人形は愛玩ドールと言う幻の人形なんです……!」
「愛玩ドール?」
その言葉に掴んだ胸ぐらをパッと離した。
「さようです。この人形は人の愛を欲しがる人形であり、その為に作られた特別な人形なのです……! まさに人形の中の究極のドールとも言えます!」
商人の話に思わず、彼は不思議とその話を聞き入れた。
「愛を欲しがる人形だと……? ばかな! それではまるで生きてるみたいではないか……!?」
ローゼフは気味悪そうな表情で言い返すと、人形が入った青い鞄を指差した。
「確かにその通りです。このままだとただの人形でございます。ですが“あること”をすると人形に魂が宿り、人に姿を変えるのです……!」
「なっ、なんだと……!?」
「言ったでしょう。この人形は不思議な人形だと――」
「あっさりと言うな! お前、気持ち悪いと思わないのか!? 人形が生きてるんだぞ……!?」
激しく動揺する彼の様子とはうってかわり、商人は落ち着いていた。
「すみません。職業病なのでそう言ったことについては免疫がついているので、あまり驚かなくなってしまったんです……」
「た、確かにお前みたいな変な骨董品屋は変わってるしか言いようがないな――」
彼はそう話すと両腕を組んで、呆れた表情を浮かべたのだった。

          

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