少年愛玩ドール

成瀬瑛理

愛玩人形

「これはビスク・ドールか……? 随分と大きなビスク・ドールだな。この私にお人形遊びでもしろと言う気か?」
彼は途端に怒ると、鞄から出した人形をガシッと掴んで投げつけた。
「貴様、私の顔が女のようだからカラカっているつもりか!? だとしたら趣味が悪いジョークだな! 何が気に入るだ、ふざけるなペテン師め!」
「まっ、待って下さいローゼフ伯爵……! 私は貴方様をカラカっている訳ではありません……! どうか私の話を最後まで聞いて下さい! この人形はただの人形ではありません、特別な人形なんです……!」
商人はそう言って言い返すと慌てた様子だった。
「なにを戯けたことを……!? もういい、お前はもう来なくてもいいぞ! さあ、今すぐこの部屋から出ていけ! そして二度とこの屋敷に訪れるな!」
彼は商人の腕を掴むと無理やり部屋から追い出そうとした。
「待って下さい! どうか私の話を最後まで聞いて下さい!」
商人が必死で部屋の外から話かけると、彼は観念した顔で部屋のドアを開けた。
「……入れ! でも許したわけではない。用が済んだら早く帰ることだ。この私の気がかわらないうちにな…――!」
「ローゼフ様ありがとうございます……!」
商人は彼の許可を得ると、嬉しそうに再び部屋の中に入った。

          

「少年愛玩ドール」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「恋愛」の人気作品

コメント

コメントを書く