宇宙の星くず

春田 よぎり

54話目 傷だらけの人生論

どんなに苦しかろうが
僕らは笑って
そうやって
生きていくのだろうと思う
泣く時は一人だ
少なくとも
僕はそうだ
完璧じゃなくていいから
弱い自分は見せたくない
恥ずかしさが勝つうちは
大丈夫です
参考にしてくださいと
匿名アイコンが言ってたから
心配していない
病院の先生も
友達も
家族も
同じ苦しみを持つ人も
僕にはなれないから
知らなくていい
書き記して
積み上げてゆく
ただそれだけで
少し楽になる
不思議だ
吐き出せない人もいるから
そういう点では
僕は恵まれている
そこの君は
どんな風だろうか
僕みたく
勝手に
深みにはまったなら
自分の苦しみの殻に
閉じこもって
周りが見えていないのでは
ないだろうか
すぐ否定して
キャンキャン吠えずに
黙って
ゆっくり噛み砕いて
客観的に
親身になってくれる人の
話をよく聞いてご覧
知り合いのあの子の
気持ちを想像して見てご覧
自分を分析してみてご覧
思いの外
自分が最悪で
毛嫌いしてた
そこらの偽善的クズとも変わらなくて
そんな人でなしを作ったのは
自分みたいな人間だと
僕は
最近気付いたけれど
僕は悪くないって
思いたかったの
素直になれない
合わせることの出来ない
子供な自分を認めたくなくて
下に体をほったらかしで
意識だけを上に飛ばして
あの子を睨みつけてただけだった
それを認めたら
案外楽になれたことを
ここに記しておこう
1mmくらい
大人になれただろうか
自分にしたって
他人にしたって
許さなくていい
認めることが
最善の近道なのだ
そう
僕は思っている

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