宇宙の星くず

春田 よぎり

46話目 安売りと出し惜しみ

あの子は
とてもよく泣く
可愛らしくて
純粋で
理想的で
それは
ナイフのように突き刺さって
水のように
染みてきて
火のように
内側を焼く
僕は
あまり泣かない
悔しいし
狡いと思うから
女の涙は
武器になる
涙を
目の奥でせき止めて
馬鹿に見えるよう
笑う
嗤う
表面上に出ることが
全て
本当とは限らない
僕が壊れたように
獣のように吠えて泣けば
君は
どうしたの?
らしくないね

言うのだろうか
『君なら大丈夫』と
あの子の肩を抱き
僕に手渡される
その言葉が
どれほど
僕を傷つけて
頑なにさせるか
きっと誰も知らない
変に丈夫で
馬鹿で醜くて
からかうのに丁度いい
ねぇ
もう誰も信じないしか
ないでしょう
甘い障害しかない
少女漫画が嫌いです
無条件に
仲間を信じる
少年漫画の
主人公が嫌いです
嫌い
僕には
わかって
わからない感情
神様とか
信じてないよ
信じたくないよ
言い訳できなくなるでしょう
耐えかねたように
溢れる時
僕の側には
君ではなくて
愛しい誰かがいてくれるだろうか



          

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