燦爛なる高貴武装の舞踏会
01.高貴武装
「ほらアキくん、早く行きますよ」
 人によっては病気かと見紛う程の透き通るような白い肌、くりっとした黒い目、黒い髪を腰の辺りまで伸ばした大和撫子の少女……神崎聖は僕…楓雅暁人に向けて急かすような声を上げる。
 「そんなに急がなくってもよくない?」
 「ギリギリに行くのは良くないですよ。早く行くに越したことはないです」
 はぁ、これだから聖は。昔から真面目な所は変わらないな……。
 僕と聖はこの春、誉れあるクレアベル学園に入学することになっている。クレアベル学園は《舞踏会》を目指す人間が多く集まるため倍率が物凄く高かった。それでも人数が絞られるのは、試験を受ける時に分かる《高貴な心》があるか否か。《高貴な心》を持っていない者はそもそも高貴武装に選ばれる資格がない。僕と聖は昔、あることから《高貴な心》がある事は分かっていたので試験も受けることができ、試験も合格できた。
 そんな訳で今からクレアベル学園の入学式があるんだけど……正直言うと面倒くさい。僕は《高貴な心》を持っているけどあまり《舞踏会》に執着してない。《高貴な心》を持ってる人にしては珍しいタイプだと思う。
 「ほら、見えてきましたよアキくん。クレアベル学園です」
 「ここがクレアベル学園かー……改めて見ると学校とは思えない程大きいね」
 試験は別の場所で受けたため実際にこの目で見たのは初めてだ。無論世界的に有名なためニュースなどで見たことはあるけど。
 「そうですね。私も初めて見ましたけど壮観ですね」
 聖も感慨深そうに呟く。
 「入学式はどこでやるの?体育館?」
 「いえ、その前に行く所があります」
 「行く所?そんな所あったっけ?」
 「はい。試験の時《高貴な心》の力が大きかった上位五人は入学式の前に高貴武装に選ばれるチャンスがあるそうです。本来なら高貴武装に選ばれるチャンスなんてそうそうありませんからね。上位の特権です」
 そんな話聞いたことないんだけど……。だから聖は妙に急いでたんだなあ。
 「ちなみにアキくんにはわざと伝えませんでした。驚く顔が見たかったので」
 聖が表情を変えずに平然と宣う。このう……。
 僕は集まる場所も何も知らないので聖について行くと校舎の中の一室の前に着いた。
 「着きましたよ。ここに高貴武装があるそうです。入って待つように言われているので入りましょう」
 そう言うとすぐに聖は扉を開けて中に入った。
 部屋は大分広く普通の学校の教室五個分ぐらいの大きさだった。部屋は入って三分の一程の場所で透明の仕切りがあり、その奥には剣やら槍やら斧やらがズラリと並んでいた。恐らくあれが高貴武装なのだろう。
 「………何か感じるね」
 「そうですね。こちらを品定めしているような感じ、ですかね」
「でも、もう決まったかな。僕と聖の高貴武装は」
「ええ、恐らくは。あの二つのどちらかでしょう」
 僕と聖には直感的に分かっていた。自分達の《高貴な心》を受け止められるのはあの二つの高貴武装しかないと。
 高貴武装は人を選ぶが人の《高貴な心》が大きすぎたり自分に合わなかったりすると高貴武装達は寄ってこない。だから、もう決まったのだ。
それに、何故かあの高貴武装を知っているような気がしていた。初めて見たはずなのに。
 そして暫くすると三人の新入生がやってきた。一人は赤毛の勝気そうなポニーテールの女の子。一人は片目を隠した茶髪の青年。一人は桃色の髪を短くまとめたぬぼーっとした顔をした女の子だ。聖の話によると上位五人ということなのでこれで全員のはずだ。
 するとまた扉が開かれ今度は身長百四十センチにも満たないような亜麻色の髪の小さい女の子が入ってきた。
 「やーやー、新入生諸君。この度は入学おめでとうねー。私はこの学校の生徒会長の定峰美那だよー」
 ………小さい。この子が生徒会長?なんの冗談?
 
 「あー!そこのキミっ!えーと…楓雅暁人くん?今こんなちんちくりんが生徒会長?とか思ったでしょー!顔に出てたからねー!?」
 僕が驚いてると会長が僕に怒ってきた。ちんちくりんとまでは思ってない。でも仕方ないでしょうよ。小学生かと見間違えるぐらい童顔で背も小さいんだから。
 「まあその反応も慣れてるからいいけどねー。それじゃ、本題に入るからねー。もうみんな知ってると思うけど今からみんなには高貴武装を手にしてもらいます。いい高貴武装に選ばれることを願ってるよー。そんじゃ早速一人目!行ってみよぅ!神谷顎門くん!」
 「…はい」
 最初に呼ばれたのは片目が髪で隠れてた青年…神谷くんが仕切りの向こう側に入る。
 「神谷くーん。じゃあそこで《高貴な心》、解放しよー!れっつごー!」
 会長の合図とともに神谷くんが自らの《高貴な心》を解放した。この《高貴な心》は自らの身体能力の強化にも使用でき、使用すると常人とは比べ物にならないぐらいの身体能力を発揮する。高貴武装達はこの《高貴な心》の力を見てから自らの所持者を選ぶらしい。
 「あ、何体か高貴武装が寄ってきた」
 「神谷くん、何か聞こえたー?」
 「…はい、この高貴武装達から話しかけられました。『私と一緒に組まない?』って」
 「うんうん、オッケーオッケー。後はその高貴武装達同士が話し合って決めるからもう少し待っててねー」
すると会長が言った通り寄ってきた高貴武装達が集まって何かし始めた。あれは…話し合ってるのかな?傍目から見ると武器同士がぶつかってるようにしか見えない…。
 「それにしても…まあ見事に女性タイプが来たねぇ」
 「どういうことですか?」
 「神谷くんに寄ってきた高貴武装達はみーんな、女性だよー。多分《高貴な心》とプラスして容姿で判断したなー」
 なるほどなー。結局世の中イケメンが得をするのか。恨めしい。
 「…決まったみたいです」
 「お、それはおめでとー!」
 神谷くんが手にしてたのは一本の槍だった。あれが高貴武装。今、神谷くんは夢の舞台への切符を手に入れたことになる。僕にとっては夢の舞台ではないけどね。
「じゃあ次行くよー!荒川レナちゃん!」
次はポニテの女の子の番で彼女はガントレット型の高貴武装に選ばれていた。
その次はぬぼーっとした女の子…コールド・レイアが弓形の高貴武装に選ばれた。
そして次は聖の番だ。聖は仕切りを越え中に入り《高貴な心》を解き放つ。そして次の瞬間、高貴武装の殆どが震え始めた。あれは聖の《高貴な心》が強過ぎて慄いてるみたいだ。
 「うはぁ…この《高貴な心》はすごいなー。こんなの見た事ないよ」
 会長が神妙な表情で呟く。
 「やっぱり、聖の《高貴な心》に耐えれたのはあの二つの高貴武装だけかな」
 見ると二つの高貴武装は微動だにせず耐えていた。そのうち、薙刀型の高貴武装が聖に近づいて人の形に変わった。
 「ふふっ、こんにちはお嬢さん。貴女の《高貴な心》、素晴らしかったですわ」
 「それは有難いお言葉ですね。ありがとうございます」
 人化した薙刀型の高貴武装は燃えるような紅蓮の髪を聖と同じように腰の辺りまで伸ばしていた。紅い目に程よく膨らんだ胸。育ちの良さが伝わるような清楚なお嬢様と言えば良いか。聖と雰囲気は似ている気がする。
 「私の名前は《紅蝶羽》。蝶羽と呼んでくださいな」
 「分かりました。私は神崎聖と言います。以後お見知り置きを。蝶羽さん」
 「ええ、よろしくお願いしますわ、聖。私は基本的にこの姿がいいのですけど、いいかしら?貴方も二メートルもある薙刀を持ち歩くのも大変でしょう?」
 「はい、大丈夫です。お気遣いありがとうございます」
 「……それにしても、随分大きくなりましたわねぇ……」
 「?何か仰いましたか?」
 「いいえ、何でもないですわ」
 仕切りの向こうでこの様なやり取りが行われる中こちら側は殆どの人間が驚いていた。
 「あの《紅蝶羽》に選ばれるなんて……末恐ろしい子だねぇ」
 「あの高貴武装…すごい存在感」
 「あの《高貴な心》なら納得かもね…」
 「…すごいな」
 皆口々に賞賛のコメントをしている。高貴武装といえど人型になるのはなかなか珍しい。僕だって高貴武装は何度も見た事はあるけど人型になったのは一人だけだった。
でも、多分次に僕を選ぶ高貴武装もきっと人型になれるはずだ。そのぐらい、他の高貴武装とは一線を画してる。
 「次はアキくんの番ですよ」
 聖が蝶羽と共に帰ってきた。
………この《紅蝶羽》、どこかで見たことあるような。気のせいかな。
 「じゃあ会長、行っていいですよね?」
 「もちろんだよー。最後の一人だからねー」
 全員に見送られ仕切りを越えて高貴武装達が待つ場所へやってきた。
 ようやく《高貴な心》を解放できる。まぁ、この《高貴な心》見たらみんなゾッとしそうだけどねぇ…。
 そのまま《高貴な心》を解放する。その瞬間、部屋の雰囲気が変わり、一部の高貴武装たちは集まって震えている。
 「な、何なの……!この《高貴な心》は…!」
 「…何か、違う」
 「変な《高貴な心》」
 「報告には聞いてたけど…まさかこれ程とはねえ…」
 僕の《高貴な心》を見て全員が恐怖していた。だがそんな中一つの高貴武装は異様な雰囲気を放っていた。
 「やっぱり、あなただけでしたか」
 そこには蝶羽と一緒に並んでいた双剣型の高貴武装、《舞切》が悠然と佇んでいた。
 人によっては病気かと見紛う程の透き通るような白い肌、くりっとした黒い目、黒い髪を腰の辺りまで伸ばした大和撫子の少女……神崎聖は僕…楓雅暁人に向けて急かすような声を上げる。
 「そんなに急がなくってもよくない?」
 「ギリギリに行くのは良くないですよ。早く行くに越したことはないです」
 はぁ、これだから聖は。昔から真面目な所は変わらないな……。
 僕と聖はこの春、誉れあるクレアベル学園に入学することになっている。クレアベル学園は《舞踏会》を目指す人間が多く集まるため倍率が物凄く高かった。それでも人数が絞られるのは、試験を受ける時に分かる《高貴な心》があるか否か。《高貴な心》を持っていない者はそもそも高貴武装に選ばれる資格がない。僕と聖は昔、あることから《高貴な心》がある事は分かっていたので試験も受けることができ、試験も合格できた。
 そんな訳で今からクレアベル学園の入学式があるんだけど……正直言うと面倒くさい。僕は《高貴な心》を持っているけどあまり《舞踏会》に執着してない。《高貴な心》を持ってる人にしては珍しいタイプだと思う。
 「ほら、見えてきましたよアキくん。クレアベル学園です」
 「ここがクレアベル学園かー……改めて見ると学校とは思えない程大きいね」
 試験は別の場所で受けたため実際にこの目で見たのは初めてだ。無論世界的に有名なためニュースなどで見たことはあるけど。
 「そうですね。私も初めて見ましたけど壮観ですね」
 聖も感慨深そうに呟く。
 「入学式はどこでやるの?体育館?」
 「いえ、その前に行く所があります」
 「行く所?そんな所あったっけ?」
 「はい。試験の時《高貴な心》の力が大きかった上位五人は入学式の前に高貴武装に選ばれるチャンスがあるそうです。本来なら高貴武装に選ばれるチャンスなんてそうそうありませんからね。上位の特権です」
 そんな話聞いたことないんだけど……。だから聖は妙に急いでたんだなあ。
 「ちなみにアキくんにはわざと伝えませんでした。驚く顔が見たかったので」
 聖が表情を変えずに平然と宣う。このう……。
 僕は集まる場所も何も知らないので聖について行くと校舎の中の一室の前に着いた。
 「着きましたよ。ここに高貴武装があるそうです。入って待つように言われているので入りましょう」
 そう言うとすぐに聖は扉を開けて中に入った。
 部屋は大分広く普通の学校の教室五個分ぐらいの大きさだった。部屋は入って三分の一程の場所で透明の仕切りがあり、その奥には剣やら槍やら斧やらがズラリと並んでいた。恐らくあれが高貴武装なのだろう。
 「………何か感じるね」
 「そうですね。こちらを品定めしているような感じ、ですかね」
「でも、もう決まったかな。僕と聖の高貴武装は」
「ええ、恐らくは。あの二つのどちらかでしょう」
 僕と聖には直感的に分かっていた。自分達の《高貴な心》を受け止められるのはあの二つの高貴武装しかないと。
 高貴武装は人を選ぶが人の《高貴な心》が大きすぎたり自分に合わなかったりすると高貴武装達は寄ってこない。だから、もう決まったのだ。
それに、何故かあの高貴武装を知っているような気がしていた。初めて見たはずなのに。
 そして暫くすると三人の新入生がやってきた。一人は赤毛の勝気そうなポニーテールの女の子。一人は片目を隠した茶髪の青年。一人は桃色の髪を短くまとめたぬぼーっとした顔をした女の子だ。聖の話によると上位五人ということなのでこれで全員のはずだ。
 するとまた扉が開かれ今度は身長百四十センチにも満たないような亜麻色の髪の小さい女の子が入ってきた。
 「やーやー、新入生諸君。この度は入学おめでとうねー。私はこの学校の生徒会長の定峰美那だよー」
 ………小さい。この子が生徒会長?なんの冗談?
 
 「あー!そこのキミっ!えーと…楓雅暁人くん?今こんなちんちくりんが生徒会長?とか思ったでしょー!顔に出てたからねー!?」
 僕が驚いてると会長が僕に怒ってきた。ちんちくりんとまでは思ってない。でも仕方ないでしょうよ。小学生かと見間違えるぐらい童顔で背も小さいんだから。
 「まあその反応も慣れてるからいいけどねー。それじゃ、本題に入るからねー。もうみんな知ってると思うけど今からみんなには高貴武装を手にしてもらいます。いい高貴武装に選ばれることを願ってるよー。そんじゃ早速一人目!行ってみよぅ!神谷顎門くん!」
 「…はい」
 最初に呼ばれたのは片目が髪で隠れてた青年…神谷くんが仕切りの向こう側に入る。
 「神谷くーん。じゃあそこで《高貴な心》、解放しよー!れっつごー!」
 会長の合図とともに神谷くんが自らの《高貴な心》を解放した。この《高貴な心》は自らの身体能力の強化にも使用でき、使用すると常人とは比べ物にならないぐらいの身体能力を発揮する。高貴武装達はこの《高貴な心》の力を見てから自らの所持者を選ぶらしい。
 「あ、何体か高貴武装が寄ってきた」
 「神谷くん、何か聞こえたー?」
 「…はい、この高貴武装達から話しかけられました。『私と一緒に組まない?』って」
 「うんうん、オッケーオッケー。後はその高貴武装達同士が話し合って決めるからもう少し待っててねー」
すると会長が言った通り寄ってきた高貴武装達が集まって何かし始めた。あれは…話し合ってるのかな?傍目から見ると武器同士がぶつかってるようにしか見えない…。
 「それにしても…まあ見事に女性タイプが来たねぇ」
 「どういうことですか?」
 「神谷くんに寄ってきた高貴武装達はみーんな、女性だよー。多分《高貴な心》とプラスして容姿で判断したなー」
 なるほどなー。結局世の中イケメンが得をするのか。恨めしい。
 「…決まったみたいです」
 「お、それはおめでとー!」
 神谷くんが手にしてたのは一本の槍だった。あれが高貴武装。今、神谷くんは夢の舞台への切符を手に入れたことになる。僕にとっては夢の舞台ではないけどね。
「じゃあ次行くよー!荒川レナちゃん!」
次はポニテの女の子の番で彼女はガントレット型の高貴武装に選ばれていた。
その次はぬぼーっとした女の子…コールド・レイアが弓形の高貴武装に選ばれた。
そして次は聖の番だ。聖は仕切りを越え中に入り《高貴な心》を解き放つ。そして次の瞬間、高貴武装の殆どが震え始めた。あれは聖の《高貴な心》が強過ぎて慄いてるみたいだ。
 「うはぁ…この《高貴な心》はすごいなー。こんなの見た事ないよ」
 会長が神妙な表情で呟く。
 「やっぱり、聖の《高貴な心》に耐えれたのはあの二つの高貴武装だけかな」
 見ると二つの高貴武装は微動だにせず耐えていた。そのうち、薙刀型の高貴武装が聖に近づいて人の形に変わった。
 「ふふっ、こんにちはお嬢さん。貴女の《高貴な心》、素晴らしかったですわ」
 「それは有難いお言葉ですね。ありがとうございます」
 人化した薙刀型の高貴武装は燃えるような紅蓮の髪を聖と同じように腰の辺りまで伸ばしていた。紅い目に程よく膨らんだ胸。育ちの良さが伝わるような清楚なお嬢様と言えば良いか。聖と雰囲気は似ている気がする。
 「私の名前は《紅蝶羽》。蝶羽と呼んでくださいな」
 「分かりました。私は神崎聖と言います。以後お見知り置きを。蝶羽さん」
 「ええ、よろしくお願いしますわ、聖。私は基本的にこの姿がいいのですけど、いいかしら?貴方も二メートルもある薙刀を持ち歩くのも大変でしょう?」
 「はい、大丈夫です。お気遣いありがとうございます」
 「……それにしても、随分大きくなりましたわねぇ……」
 「?何か仰いましたか?」
 「いいえ、何でもないですわ」
 仕切りの向こうでこの様なやり取りが行われる中こちら側は殆どの人間が驚いていた。
 「あの《紅蝶羽》に選ばれるなんて……末恐ろしい子だねぇ」
 「あの高貴武装…すごい存在感」
 「あの《高貴な心》なら納得かもね…」
 「…すごいな」
 皆口々に賞賛のコメントをしている。高貴武装といえど人型になるのはなかなか珍しい。僕だって高貴武装は何度も見た事はあるけど人型になったのは一人だけだった。
でも、多分次に僕を選ぶ高貴武装もきっと人型になれるはずだ。そのぐらい、他の高貴武装とは一線を画してる。
 「次はアキくんの番ですよ」
 聖が蝶羽と共に帰ってきた。
………この《紅蝶羽》、どこかで見たことあるような。気のせいかな。
 「じゃあ会長、行っていいですよね?」
 「もちろんだよー。最後の一人だからねー」
 全員に見送られ仕切りを越えて高貴武装達が待つ場所へやってきた。
 ようやく《高貴な心》を解放できる。まぁ、この《高貴な心》見たらみんなゾッとしそうだけどねぇ…。
 そのまま《高貴な心》を解放する。その瞬間、部屋の雰囲気が変わり、一部の高貴武装たちは集まって震えている。
 「な、何なの……!この《高貴な心》は…!」
 「…何か、違う」
 「変な《高貴な心》」
 「報告には聞いてたけど…まさかこれ程とはねえ…」
 僕の《高貴な心》を見て全員が恐怖していた。だがそんな中一つの高貴武装は異様な雰囲気を放っていた。
 「やっぱり、あなただけでしたか」
 そこには蝶羽と一緒に並んでいた双剣型の高貴武装、《舞切》が悠然と佇んでいた。
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