城に入れないから図書館へ

ジャスミンR

story 3

謎の手紙が朝、郵便受けに入っていた。
真っ白い封筒に、薄い水色の青い空が背景になっている便覧。
なんだよ、王様って………ライに聞くか。
『ライ〜』
待ち合わせ場所は風船売りのお姉さんがいる公園。
「お、きたきた」
『なぁ、こんな手紙が入ってたんだけど』
今朝届いた手紙を見せる。

「……これは…あの人・・・か…」
『あの人?』
「この世界は蛍介が作った世界。けど、同じ環境、感覚、価値観が似ていると、その人と、この世界がリンクする」
『・・・は?』
「つまり、蛍介と同じ考えの人とこの世界が、共有されるんだよ。そうなると、この世界を守らないといけない」
『なんで、守らないといけないんだよ』

「この世界は幸せに満ち溢れていないといけないそれを邪魔するのが彼ら、この世界を壊そうとする悪いヤツだ」
『……なんだよ、この世界を壊そうとするヤツがいるって、RPGの典型的なラスボスじゃんか。けど、どうしてこの世界を壊そうとするんだよ?』
「それは、知識を増やすためだよ」
『知識?』
「知れば知る程、もっと豊かになる知識。それを得るには理想の世界ネバーランドの領土を広げなくてはならない。どうやって?奪うしかないだろ?」
『……』
ごもっともの意見だった。
確かに話し合えばいいとか、平和な考え方をしてたけど、これじゃあ無理そうだ。
「でも、そうやって考えこまなくていい。大丈夫だ。きっと、あっちから来るさ」
『いや、来られたら困るって言ってだろ!?』
やたらと矛盾するな…大丈夫か?
「とにかく、図書館を守らなきゃだね」
『なんで図書館?普通はあーゆー城だろ?』
「蛍介はあの城に行きたいの?」
『え?いや、そんな訳じゃないが…』
気になる。1度も足を踏み入れてないんだ。
ほら、あれだよ。押すなって言われて、押さないでいるんじゃなくて、押したくなる衝動と一緒だ
「…城には王様がいる。そんな固定概念は捨てなよ。あの城は何があっても入るなよ」
『そんなこと言われたら行きたくなるじゃんか〜』
「そんなに気になる?あのお城」
後ろから女性の声がした。
風船売りのお姉さんだった。
『あ、はい』
「あの城は空っぽの城よ」
『空っぽ?』
「人もいなければ、物もない。そしてら明かりさえない」
『明かり…』
「真っ暗闇に入ったら、どこが出口でどこが入口か分からなくなるわ」
『だから、行ったらダメなのか』
「そう。現実に戻れなくなるわよ?」
『現実なんて、戻りたくない!』
「あら、本当に戻りたくないの?」
戻りたいわけないだろ!あんな理不尽で嫌な世界に
『戻りたくなんて…』
「あの城には答えがあるわ。貴方が戻りたいのか、戻りたくないのかが、きっと分かる」
なんだ、この感じ…
「あの城に入れるのは貴方とライだけなのよ」
この、取り憑かれていく感じはなんだ?
『……』
足は動いていた。
気づかないうちに動いていた。
ゆっくり、あの城に向かって
ダメだ、行くんじゃねぇ…
「蛍介!ダメだ!」
分かってるよ、分かってんだ…
でも、






















足が、動くんだ───────











ギィ……












扉が開く。城の中は真っ暗で、不気味さが増している。




「オカエリナサイマセ。王様」








いつの日か聞こえてきた。おぞましい声。

















「此処八、快楽ノ土地。理想ノ城。コワガラナクテイイノデス」























その声は、俺の耳元で囁いた。
































俺は、睡魔に襲われた。いや、襲われている。

何を、考え、思っているのかすらわからない。


思考が、止まりかけていくのが



                          う



            や


                                               く




理解した時には、


                           シャットダウンしていた。








ここからは、別の人の日誌の一部である──

あの子は、読んでくれたかな。
あの子は、少し臆病だからなぁ
信じていないだろうね。
ねぇ?王様。僕は君に逢いに来たんだ。
王様、僕のラブレター。気に入ってくれた?
会いに行くからね。
必ず、
絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対絶対僕の虜にしてあげる‪‪ ︎‬











こんにちは、作者です。
大変遅くなりました。
いつの間にか、年明けてますね。
のんびり、ゆっくり、書いていきます。
気長に待っていてくださると。嬉しいです。
あ、そうだ。1つお知らせがございます。
 次回、新キャラ続々と登場致します。
日記の作者。城の住人等。
頭の整理をどうぞよろしくお願い致します。
(いや、そんなに言わなくても((殴)


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