神様サイトから始まった異世界英雄譚
第1話 start again
  ただ、俺は求めていた。刺激のある生活を。
  昔からやろうと思ったことはなんでも出来たし、俺に出来ないことなんて、ないとさえ思っていた。
  なんでも出来るといっても、ただ周りよりちょっと勉強が出来て、運動が出来るというレベルではない。「天才」という言葉が一番しっくりくるのではないだろうか。
  これはほんとうのことであるから、傲慢 でもなければ、自意識過剰でもない。
  そんな俺が今この状況に唖然としている。
  パソコンのモニター越しに映る、ブラウンがかった髪に汗が伝わってくるのがわかる。緊張や、不安から出てくる汗ではなく興奮しすぎて出てきた汗だ。なぜ俺がこんなに興奮しているか。
  事の始まりを話せば今日の朝に遡る。
  梅雨が明け俺を嘲笑うかのように照りつく日差しに気鬱になりながらも学校へ向かう。学校なんて必要ないと思っている俺にとっては、この通学路が一番だるい。
  社会のルールを守るためなど、人間関係を学ぶためなどなんなんのそんなことは本当にどうでもいいとさえ思っている。
  高校の勉強なんて容易いものだ。結局将来の役に立ちもしない。
 そんなこんなでいつものように無駄な事を考えながら向かっていると背後からの声に気づく。
「おはよう、亜人(アクト)」
「うぃーす、Mハゲ」
「そのあだ名で読むのやめてくれる?亜人(アジン)」
 だるそうな声音で、佐藤晃さとうあきらことMハゲに挨拶を返す。彼のあだ名Mハゲに関しては、学校長がM字型にハゲているところにある。なぜ学校長と関係あるのかと疑問に思われるだろうが、実に簡単だ。       彼と学校長の名前がおなじであるところから、このあだ名になったのだ。
 そして俺、鈴原 亜人(アクト)のあだ名 亜人(アジン)については、どこの誰だか知らないが読み方を間違えたところよりこのあだ名がついた。
「ほんと、Mハゲってあだ名誰がつけたんだよ、おかげで女子からの評価がだだ下がりじゃん」
冗談めかした声でMハゲは言うが、もともと彼への女子の評価は低いと思う。
鋭い目つきに、目の辺りまで伸びた前髪に、ところどころ寝癖がたっているのが、彼の特徴だ。背丈も俺より目線がちょっと下にあるところから高いとは言い難い。
「Mハゲは顔がキモいから、あだ名のせいにするのはよせよ」
「おいおい、そこはついてくるなよ」
俺とMハゲはこんな感じで冗談を織り交ぜながら言葉のキャッチボールをする。冗談といっても本当のことであるから冗談といえるかは、さておき、俺にとってMハゲは唯一の親友といえるべき間柄だったりする。
俺とMハゲの出会いは小学生まで遡るから、かなりの付き合いだ。
目的地である、学校周辺でMハゲは真剣そうな眼差しでこちらを見てくる。
「どうしたんだ?」
と、俺は疑問を声にし、返答を待つ。
「実はさ、昨日面白いもの見つけちゃってさ」
おぉ、と俺は相槌をうち、Mハゲは続ける。
「まあ、話は長くなるから放課後、屋上で待ってるから、よろしく」
  授業の終止を告げる鐘がなり、俺は教科書などをカバンに詰め教室をあとにする。
  今朝Mハゲと約束した、屋上にむかう。
なぜ屋上なのか、そんな疑問を、浮かべるがすぐに心当たりがつく。この学校の屋上は、昼休みには多少なり人数はいるのだが、放課後となると、誰もいなくなる。
  おそらく、今回の面白い話というのは誰にも聞かれたくないような話ではないかと推測する。そんな聞かれては、まずい話など彼に持ち合わせているのか……などと頭にハテナを浮かべている間に、俺を誘った本人が姿を現わす。
「では、話の続きとやらを始めようか」
「そうゆう茶番はいいから、さっさとしてくれ」
  この登場する場合、彼は本題で話を遠ざけようとしてくるので、さっさと本題に入るように急かす。
「まあまあ、そう焦らず時間はたっぷりあるじゃないか」
  こんな感じで、本題を急かしてもこの有様なので俺は眉毛を吊り上げ、Mハゲを睨む。
「じゃ、まずこれを見てくれ」
  差し出された携帯の画面を見つめる。
「人生に飽きた人募集中?」
  そこに映されていたのは、今俺が口に出した通りの記述が書かれていた。
「亜人(アクト)、前言ってたじゃん。何もかもがおもしろくないってさ」
  ああ、確かにそう言った覚えはある。でもそれと、これになにが関係してあるのか。そして、Mハゲは続ける。
「このいかにも怪しいサイトに、人生に飽きた人の募集など聞いて、思うことはあると思う。でも、この続きを見てくれ」
  俺はもう一度携帯の画面に視線を写す。
「投稿者、この世界を統べる者なり?なんだよ、これ怪しすぎるし、明らかにおかしいだろ」
「明らかにおかしいって思うのも分かる……でも、亜人(アクト)こうゆうの好きだろ?」
  俺はとうとう、Mハゲに精神科を勧める時が来たか……と思ったが、Mハゲの言う通り俺はこうゆう怪しくて、スリルが味わえそうなのは大好物だ。多分、人間誰しもそうであると思う。危なそうなものこそ手を出して見たくなる気持ち。
「で、この募集って書いてあるけど、どうしたらいいんだ?」
「おぉ、乗り気だねぇ」
「早く進めてくれ」
  Mハゲのこうゆう展開は面倒くさくなるので、答えを急かす。
  Mハゲは携帯を下へスクロールし、ある程度いったところで、手を差し出す。
「ここに、場所が指定されてあるだろ。そこに行けば、このサイトのロックを解く暗号があるらしいんだ」
「ロック?このサイトにそんなのがあるのか?」
「実はな、このサイトは本命ではなく、広告みたいなもんなんだ。でその本命の場所に俺は昨日たどり着くことができたんだが……」
「そこには、暗号がかけられていたと」
  わざわざ暗号までかけて、投稿者の目的は何なんだ……こうゆうのに釣られてしまう人たちを見て楽しむのが目的なのか?
とにかく今はいくら推測しても答えがでてこないだろう。
  まあ、仮に遊ばれていたとしてなかったら、なかったで仕方ないし試してみる価値はあるな。
「Mハゲ、そこの場所を教えてくれ」
  真っ暗やみの狭い一室に、電球の乏しい灯り(あかり)と、パソコンの光だけが唯一の光源だ。
  指定された場所は、ネットカフェいわゆるネカフェだった。
  屋上で、Mハゲに見せてもらった広告によると、そこにいる店員に聞けば暗号を教えてくれるとのことだった。
  俺は店内に入るや否や、店員のもとへ駆けつけた。
「暗号だ暗号を教えてくれ」
  と、俺が言うものだから最初こそ店員も戸惑いはしたが、すぐ俺の言ってることが理解できたらしく、この部屋を案内してくれた。
  店員曰く(いわく)このパソコンを開けばそのサイトにすぐ飛べるらしく、暗号などいらなかったのだ。
  まあ、まずこの状態からしてこのサイトの創作者は、遊ぶために作ったのではないだろうと予測する。 理由として、このサイトに飛ぶためだけにある、このパソコンがあるからだ。仮に遊びだったとして、店が協力してくれるわけがない。
  投稿者の意図どうこうは、後に置いておくとして、俺はすごくこの瞬間に、興奮を覚えている。
  パソコンのモニターに映る文字には『神様サイト』と書かれてあり、その続きには『ここをクリックすると、私と会える』と書かれている。
  このいかにも怪しい感じが俺の思春期心をくすぐる。
  そして俺はこの状況に、唖然としている。
  ここをクリックするとどうなるのか……果たしてほんとうに投稿主と会えるのだろうか……一個、また一個と疑問を浮かべる度に心臓が脈打ってるのが分かる。
「さあ、投稿主との面談と行こうかな」
  一人で呟き、マウスを握る。
  人差し指に力を込め、二度クリックする。
  パソコンから、光が溢れ出し、パソコンの中へ引きずりこまれる感覚におちいる。
  身体は動いていないのに、自分の本体が引きずりこまれるのだ……
  昔からやろうと思ったことはなんでも出来たし、俺に出来ないことなんて、ないとさえ思っていた。
  なんでも出来るといっても、ただ周りよりちょっと勉強が出来て、運動が出来るというレベルではない。「天才」という言葉が一番しっくりくるのではないだろうか。
  これはほんとうのことであるから、傲慢 でもなければ、自意識過剰でもない。
  そんな俺が今この状況に唖然としている。
  パソコンのモニター越しに映る、ブラウンがかった髪に汗が伝わってくるのがわかる。緊張や、不安から出てくる汗ではなく興奮しすぎて出てきた汗だ。なぜ俺がこんなに興奮しているか。
  事の始まりを話せば今日の朝に遡る。
  梅雨が明け俺を嘲笑うかのように照りつく日差しに気鬱になりながらも学校へ向かう。学校なんて必要ないと思っている俺にとっては、この通学路が一番だるい。
  社会のルールを守るためなど、人間関係を学ぶためなどなんなんのそんなことは本当にどうでもいいとさえ思っている。
  高校の勉強なんて容易いものだ。結局将来の役に立ちもしない。
 そんなこんなでいつものように無駄な事を考えながら向かっていると背後からの声に気づく。
「おはよう、亜人(アクト)」
「うぃーす、Mハゲ」
「そのあだ名で読むのやめてくれる?亜人(アジン)」
 だるそうな声音で、佐藤晃さとうあきらことMハゲに挨拶を返す。彼のあだ名Mハゲに関しては、学校長がM字型にハゲているところにある。なぜ学校長と関係あるのかと疑問に思われるだろうが、実に簡単だ。       彼と学校長の名前がおなじであるところから、このあだ名になったのだ。
 そして俺、鈴原 亜人(アクト)のあだ名 亜人(アジン)については、どこの誰だか知らないが読み方を間違えたところよりこのあだ名がついた。
「ほんと、Mハゲってあだ名誰がつけたんだよ、おかげで女子からの評価がだだ下がりじゃん」
冗談めかした声でMハゲは言うが、もともと彼への女子の評価は低いと思う。
鋭い目つきに、目の辺りまで伸びた前髪に、ところどころ寝癖がたっているのが、彼の特徴だ。背丈も俺より目線がちょっと下にあるところから高いとは言い難い。
「Mハゲは顔がキモいから、あだ名のせいにするのはよせよ」
「おいおい、そこはついてくるなよ」
俺とMハゲはこんな感じで冗談を織り交ぜながら言葉のキャッチボールをする。冗談といっても本当のことであるから冗談といえるかは、さておき、俺にとってMハゲは唯一の親友といえるべき間柄だったりする。
俺とMハゲの出会いは小学生まで遡るから、かなりの付き合いだ。
目的地である、学校周辺でMハゲは真剣そうな眼差しでこちらを見てくる。
「どうしたんだ?」
と、俺は疑問を声にし、返答を待つ。
「実はさ、昨日面白いもの見つけちゃってさ」
おぉ、と俺は相槌をうち、Mハゲは続ける。
「まあ、話は長くなるから放課後、屋上で待ってるから、よろしく」
  授業の終止を告げる鐘がなり、俺は教科書などをカバンに詰め教室をあとにする。
  今朝Mハゲと約束した、屋上にむかう。
なぜ屋上なのか、そんな疑問を、浮かべるがすぐに心当たりがつく。この学校の屋上は、昼休みには多少なり人数はいるのだが、放課後となると、誰もいなくなる。
  おそらく、今回の面白い話というのは誰にも聞かれたくないような話ではないかと推測する。そんな聞かれては、まずい話など彼に持ち合わせているのか……などと頭にハテナを浮かべている間に、俺を誘った本人が姿を現わす。
「では、話の続きとやらを始めようか」
「そうゆう茶番はいいから、さっさとしてくれ」
  この登場する場合、彼は本題で話を遠ざけようとしてくるので、さっさと本題に入るように急かす。
「まあまあ、そう焦らず時間はたっぷりあるじゃないか」
  こんな感じで、本題を急かしてもこの有様なので俺は眉毛を吊り上げ、Mハゲを睨む。
「じゃ、まずこれを見てくれ」
  差し出された携帯の画面を見つめる。
「人生に飽きた人募集中?」
  そこに映されていたのは、今俺が口に出した通りの記述が書かれていた。
「亜人(アクト)、前言ってたじゃん。何もかもがおもしろくないってさ」
  ああ、確かにそう言った覚えはある。でもそれと、これになにが関係してあるのか。そして、Mハゲは続ける。
「このいかにも怪しいサイトに、人生に飽きた人の募集など聞いて、思うことはあると思う。でも、この続きを見てくれ」
  俺はもう一度携帯の画面に視線を写す。
「投稿者、この世界を統べる者なり?なんだよ、これ怪しすぎるし、明らかにおかしいだろ」
「明らかにおかしいって思うのも分かる……でも、亜人(アクト)こうゆうの好きだろ?」
  俺はとうとう、Mハゲに精神科を勧める時が来たか……と思ったが、Mハゲの言う通り俺はこうゆう怪しくて、スリルが味わえそうなのは大好物だ。多分、人間誰しもそうであると思う。危なそうなものこそ手を出して見たくなる気持ち。
「で、この募集って書いてあるけど、どうしたらいいんだ?」
「おぉ、乗り気だねぇ」
「早く進めてくれ」
  Mハゲのこうゆう展開は面倒くさくなるので、答えを急かす。
  Mハゲは携帯を下へスクロールし、ある程度いったところで、手を差し出す。
「ここに、場所が指定されてあるだろ。そこに行けば、このサイトのロックを解く暗号があるらしいんだ」
「ロック?このサイトにそんなのがあるのか?」
「実はな、このサイトは本命ではなく、広告みたいなもんなんだ。でその本命の場所に俺は昨日たどり着くことができたんだが……」
「そこには、暗号がかけられていたと」
  わざわざ暗号までかけて、投稿者の目的は何なんだ……こうゆうのに釣られてしまう人たちを見て楽しむのが目的なのか?
とにかく今はいくら推測しても答えがでてこないだろう。
  まあ、仮に遊ばれていたとしてなかったら、なかったで仕方ないし試してみる価値はあるな。
「Mハゲ、そこの場所を教えてくれ」
  真っ暗やみの狭い一室に、電球の乏しい灯り(あかり)と、パソコンの光だけが唯一の光源だ。
  指定された場所は、ネットカフェいわゆるネカフェだった。
  屋上で、Mハゲに見せてもらった広告によると、そこにいる店員に聞けば暗号を教えてくれるとのことだった。
  俺は店内に入るや否や、店員のもとへ駆けつけた。
「暗号だ暗号を教えてくれ」
  と、俺が言うものだから最初こそ店員も戸惑いはしたが、すぐ俺の言ってることが理解できたらしく、この部屋を案内してくれた。
  店員曰く(いわく)このパソコンを開けばそのサイトにすぐ飛べるらしく、暗号などいらなかったのだ。
  まあ、まずこの状態からしてこのサイトの創作者は、遊ぶために作ったのではないだろうと予測する。 理由として、このサイトに飛ぶためだけにある、このパソコンがあるからだ。仮に遊びだったとして、店が協力してくれるわけがない。
  投稿者の意図どうこうは、後に置いておくとして、俺はすごくこの瞬間に、興奮を覚えている。
  パソコンのモニターに映る文字には『神様サイト』と書かれてあり、その続きには『ここをクリックすると、私と会える』と書かれている。
  このいかにも怪しい感じが俺の思春期心をくすぐる。
  そして俺はこの状況に、唖然としている。
  ここをクリックするとどうなるのか……果たしてほんとうに投稿主と会えるのだろうか……一個、また一個と疑問を浮かべる度に心臓が脈打ってるのが分かる。
「さあ、投稿主との面談と行こうかな」
  一人で呟き、マウスを握る。
  人差し指に力を込め、二度クリックする。
  パソコンから、光が溢れ出し、パソコンの中へ引きずりこまれる感覚におちいる。
  身体は動いていないのに、自分の本体が引きずりこまれるのだ……
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