復活魔王の国家建国!

しゃけちゃづお。

魔王と未来と作戦会議!





「……私はこの国を一から作り直すわ。あなたが守ってくれた……いえ、あなた達が守ってくれたこの城を中心に、もう一度帝国を立ちあげる。
もう誰にも負けない、誰も傷つかない幸せな国を…!!!!!」





……なんて言ってみたはいいものの、国を作るって何をすればいいのかしら…?

いや、そもそも国を作る……よりも先に自分の衣食住。
ライフラインを整えるべきよね。

そもそも人員も足りないわ。

…そう言えば、昔ソーンブラで暮らしていた魔族の生き残りや、デミゴール以外の家臣達は今どこにいるのかしら。


「…ねぇ、デミゴール?」

気になって話しかける。

「なんでございましょう、テスカトリポカ様?」


「…他の魔族、もとい家臣達は今どこにいるの?」


「あぁ…。その件でございますか。」

と、言うとデミゴールは続けて


「まず、国民ですが…こちらは先の竜族との戦争により、大半は死亡。生き残ったもの達はおそらく近郊にある霧の森で身を隠しながら生きているかと思われます。
続いて家臣達…7眷属の者達はそれぞれ自分達の属性に合うルーンポイントに居られるかと。」

霧の森…。

ソーンブラ帝国の外れにある森ね。

あそこは霧が深くて、入ったら並大抵じゃ出られない上に特にこれといって何かある訳でもないし、よっぽどの事がない限りは誰も近寄らない…。
確かに隠れるにはもってこいの場所よね。


それから…ルーンポイント、だったかしら?

たしか、ルーンポイントは地脈の要…魔力が集まる場所よね。

自分に合った属性…って言っていたし、火属性は火のルーンポイント、水なら水って具合なわけね。
…おそらく、1番近いのはガルシア火山。
火の眷属がきっと居るわね。

なんとなく、少しだけ居場所がわかってきたわね。
全員死んでしまっていたわけじゃなくてほっとしたわ。
私的には先に眷属を探すのがベストかと思うのだけれど……。


「…なるほどねぇ。それで、デミゴールはどっちを優先したらいいと思う?」  

少し考えて私は問いかけた。


「はっ、私などが無礼を承知で進言させていただきますと、ここは火の眷属…。
ガルシア火山へと出向かれるのが良いかと。」

私と同じ考えをデミゴールは言う。

その後続けて、

「火の眷属は力も強い。街中の瓦礫を退かすにも彼の力は役に立つかと。
さらに、火の力ということは焼き物や鍛冶に必要な炉を作る際に必要な知識も持っているかもしれません。」

…なるほど。
そこまでは気が付かなかったわ…。
確かに一理…どころか二里、三里もあるわね。
というか私より統治向いてるんじゃないのコイツ…。


「…え、えぇ!そうよね!私もちょうどそう思っていたのよ…!!いや、ホントに!!あなたを試したのよねぇ…!!」

焦りながら私は言った。


「…おお!さすが我らがテスカトリポカ様!やはり、流石でございます…!!」

デミゴールは目を輝かせながら答えた。

……ごまかせた………かしら?


「…とりあえずは、ガルシア火山へ向かうということで決定みたいね。」

そう言うと私は続けて

「…それと!テスカトリポカって長いのよもう!!テスカ、でいいわよ。」

と、言った。


「で、ですが…私なんぞがそんな無礼なことを……」

デミゴールがたじろぐ。

…まぁ無理もないか。
上司からそんなこと言われたら私もそうなるわね。

まぁ、魔王だから上司いないけど。 

「じゃあ、命令よ。これからはテスカ、ね?」

さらに念を押す。


「か、かしこまりました……。
テスカ様…。」

なれない違和感にデミゴールは話しにくそうにする。


「そうと決まれば明日、遅くとも明後日にはガルシア火山に出向いてみるわ。
留守の間、城をよろしくね、デミゴール?」

と、私は言う。
本来なら2人で行ければ良いのだろう。
だが、流石にこの帝国…もとい城を空ける訳にはいかない。


「了解致しました、テスカ様…。」

テスカ様1人でもし何かあったら…!とでも言いたげだ。
だが、私の意図も汲んでいるのだろう。
それ以上は何も言わなかった。



「そうと決まれば夕飯よ。ご飯お願いね、デミゴール…!」

「かしこまりました、今日は何になさいますか、テスカ様?
とはいえ、食材もありませんので作れるものはあまりありませんが……」

「おまかせでいいわよ。あなたが作るものなら何でも……ね?」


2人の声が城中を満たす。


まるで、満ち溢れた未来への希望を表すかのように……。


















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