異世界の民族問題に現世界のならず者が参加します
ならず者、1人目
「……ここは何処だ?」
茂みの中に一人の男が倒れていた。
傷は無く、なんとも無事なようだったが男の体には何故かだるさが残っていた。
「HQ、HQ、現在位置がわからない。GPSによる確認を要請する。」
男は無線機に話しかけるが誰も返事を返さない。
「参ったな、ここはどこだ?確か俺はパキスタンにいたはずだが…」
そう言って男は一緒に落ちていたバックパックを拾い上げた。
「危ない危ない、こいつを無くしちゃおしまいだ。」
男はバックパックからこぼれ落ちたネックレスのようなものを拾い上げた。
そこには『ホルツ・ベルナルージェ』と刻まれていた。
その男は軍人だった、それも正規の軍ではなく傭兵と呼ばれる類の雇われだった。
ホルツは見たこともない森の中を歩きに歩き、やがて夜になった。
辺りは静まり返り、遠くでは狼の遠吠えらしきものも聞こえる。
しかしホルツはメモ帳に森を歩いてわかったこと、見つけたもの、何かの手がかりになりそうなものを書き記していた。
ホルツ「パキスタンにはないタイプの植物、それも大量、どこかニホンを思わせる木々、しかし一通り歩いてみて巨大な都市所か車道一つない。妙だ、まるで別の時空に飛ばされた様だ。」
状況をテープに録音してホルツはバックパックから暗視ゴーグルを取り出して焚き火を消した。
ホルツ「………何かいるな。」
何かの気配をホルツは感じ取った。
しかし敵意という敵意は感じられない。
妙に遠いのだ。
確実に何かいるがそれは遠くにいて活動している。
ホルツは姿を隠していた小さな茂みの隙間から暗視ゴーグル越しに向こうの丘を睨んだ。
すると丘を誰かが下っているのが見えた。
ホルツ「……餓鬼か。」
子供が丘を下っていた。
家に帰る途中らしい。
ホルツ「妙な緊張して損だったぜ。」
ホルツは寂しさのあまり苦し紛れに独り言を呟いてから自分の銃を握った。
ホルツの愛銃はG3と呼ばれるドイツ製のバトルライフルで高威力だった。
ホルツはこれほどの威力のある銃を装備していれば襲われたとしても反撃で一掃できると考えてウトウトし始めた。
そしてホルツは眠ってしまった。
このときの時刻はまだ7時位だったが、なれない境遇に疲れていたのかぐっすり寝てしまった。
ホルツ「………zzzzz」
ホルツは夢の中で何かの声を聞いていた。
それは子供が泣いているようにも戯れて笑っているようにも聞こえる変な声だった。
ホルツは夢の中で気が狂いそうになっていた。そんな声を聞いていると頭が割れそうになってきたのだ。
『キャキャキャ!!』
ホルツ「やめろ、五月蝿い、黙れ!!」
気がつくとホルツはひどい汗をかいて座っていた。
焚き火の跡の焦げた匂いを嗅いで自分が夢にうなされていたことを思い出した。
ホルツ「………はぁ。」
バックパックから葉巻を取り出してホルツはもくもくと吸い始めた。
ホルツ「…酷い夢だった。」
ホルツが1回煙を吹き出すと、ホルツの耳に変な声が聞こえてきた。
『キャキャキャ』
ホルツ「!?」
急いでホルツは銃に弾丸を装填して暗視ゴーグルを装着した。
ホルツ「……」
じっとして息を潜めるホルツ、茂みの中から子供がいた丘を見つめていた。
ただ見ていれば真っ暗な丘だが、暗視ゴーグル越しにそこを覗くと丘の麓で二人の子供がいるのが見えた。
追いかけっこをしているようだった。
しかしホルツはそれを普通だとは思わなかった。
逃げる子供は至る所から出血し、血をボタボタと垂れ流していたのだ。
ホルツ「どうなっている。」
泣いて逃げる子供を追うのは同じくらいの洋服を着た少女だった。
しかし少女は甲高い声で笑っていた。
明らかに異様な光景だった。
ホルツ「…………馬鹿馬鹿しい、俺は一介の傭兵だぞ、こんなことに首を突っ込めるほどできた人間でもないんだ。」
ホルツは構えていた銃を下ろして暗視ゴーグルを外し、再び寝床に着いた。
『キャキャキャ!!』
『キャキャキャ!!』
『痛い!!痛いよ!!誰か助けて!!』
ホルツはうるさいうるさいと思いながらも耳を塞いで眠ろうとしていた。
『誰か助けて!!助けてよー!!』
ホルツ「チッ……うるせえぞ!!」
ズドドドドドド!!
痺れを切らしたホルツは少女だけを狙い撃った。
少女は自分の目の前で土が舞う姿を見て一瞬静止した。
そして少女はホルツの方を向いた。
『貴方は、とても美味しそう。』
ホルツ「俺とやろうってのか?やってみろちんちくりんが!!」
少女が口を開くとそこには鋭い牙が並んでいた。
犬歯とかではなく、本物の牙が生えていた。
『いただきます!!』
ホルツ「俺を食う気か!やってみろ化け物!!」
飛びかかってきた少女の首にホルツはナタを突き刺した。
『ぎぇぇ!!』
ホルツ「俺を舐めるなよ、こう見えて元海兵隊だ。」
苦しむ少女をホルツは見下ろしながら勝ち誇った顔で笑っていた。
『おじさん!!』
出血していた子供がホルツの腕にしがみついてきた。
ホルツ「おい、餓鬼!!何してやがる逃げろ!!」
『おじさんなんて言ってるの?』
ホルツ「Hey kid escape quick!!」
ホルツ「言葉が通じねえのか?英語くらい覚えとけチビ。」
ホルツが目を離すと少女は起き上がっていた。
ホルツ「ハハッ 本物の化け物だな。」
『強いねおじさん。』
ホルツ「なんて言ってるのか分からねえ。だから仕事のときは通訳もつけろって言ってるのに。」
少女はナタを喉から抜いて再びホルツに飛びかかった。
しかし今回はホルツは避けなかった。
ガブッ!!
ホルツ「ッ!!」
『筋肉はとっても栄養があるの。私の栄養になってね?』
少女はホルツの脊髄を狙った。
しかしそこだけは噛まれないようにするためにホルツは腕でガードした。
『外しちゃった、でも次は外さないよ……あれ?』
ホルツ「どうしたんだい?お嬢ちゃん。」
茂みの中に一人の男が倒れていた。
傷は無く、なんとも無事なようだったが男の体には何故かだるさが残っていた。
「HQ、HQ、現在位置がわからない。GPSによる確認を要請する。」
男は無線機に話しかけるが誰も返事を返さない。
「参ったな、ここはどこだ?確か俺はパキスタンにいたはずだが…」
そう言って男は一緒に落ちていたバックパックを拾い上げた。
「危ない危ない、こいつを無くしちゃおしまいだ。」
男はバックパックからこぼれ落ちたネックレスのようなものを拾い上げた。
そこには『ホルツ・ベルナルージェ』と刻まれていた。
その男は軍人だった、それも正規の軍ではなく傭兵と呼ばれる類の雇われだった。
ホルツは見たこともない森の中を歩きに歩き、やがて夜になった。
辺りは静まり返り、遠くでは狼の遠吠えらしきものも聞こえる。
しかしホルツはメモ帳に森を歩いてわかったこと、見つけたもの、何かの手がかりになりそうなものを書き記していた。
ホルツ「パキスタンにはないタイプの植物、それも大量、どこかニホンを思わせる木々、しかし一通り歩いてみて巨大な都市所か車道一つない。妙だ、まるで別の時空に飛ばされた様だ。」
状況をテープに録音してホルツはバックパックから暗視ゴーグルを取り出して焚き火を消した。
ホルツ「………何かいるな。」
何かの気配をホルツは感じ取った。
しかし敵意という敵意は感じられない。
妙に遠いのだ。
確実に何かいるがそれは遠くにいて活動している。
ホルツは姿を隠していた小さな茂みの隙間から暗視ゴーグル越しに向こうの丘を睨んだ。
すると丘を誰かが下っているのが見えた。
ホルツ「……餓鬼か。」
子供が丘を下っていた。
家に帰る途中らしい。
ホルツ「妙な緊張して損だったぜ。」
ホルツは寂しさのあまり苦し紛れに独り言を呟いてから自分の銃を握った。
ホルツの愛銃はG3と呼ばれるドイツ製のバトルライフルで高威力だった。
ホルツはこれほどの威力のある銃を装備していれば襲われたとしても反撃で一掃できると考えてウトウトし始めた。
そしてホルツは眠ってしまった。
このときの時刻はまだ7時位だったが、なれない境遇に疲れていたのかぐっすり寝てしまった。
ホルツ「………zzzzz」
ホルツは夢の中で何かの声を聞いていた。
それは子供が泣いているようにも戯れて笑っているようにも聞こえる変な声だった。
ホルツは夢の中で気が狂いそうになっていた。そんな声を聞いていると頭が割れそうになってきたのだ。
『キャキャキャ!!』
ホルツ「やめろ、五月蝿い、黙れ!!」
気がつくとホルツはひどい汗をかいて座っていた。
焚き火の跡の焦げた匂いを嗅いで自分が夢にうなされていたことを思い出した。
ホルツ「………はぁ。」
バックパックから葉巻を取り出してホルツはもくもくと吸い始めた。
ホルツ「…酷い夢だった。」
ホルツが1回煙を吹き出すと、ホルツの耳に変な声が聞こえてきた。
『キャキャキャ』
ホルツ「!?」
急いでホルツは銃に弾丸を装填して暗視ゴーグルを装着した。
ホルツ「……」
じっとして息を潜めるホルツ、茂みの中から子供がいた丘を見つめていた。
ただ見ていれば真っ暗な丘だが、暗視ゴーグル越しにそこを覗くと丘の麓で二人の子供がいるのが見えた。
追いかけっこをしているようだった。
しかしホルツはそれを普通だとは思わなかった。
逃げる子供は至る所から出血し、血をボタボタと垂れ流していたのだ。
ホルツ「どうなっている。」
泣いて逃げる子供を追うのは同じくらいの洋服を着た少女だった。
しかし少女は甲高い声で笑っていた。
明らかに異様な光景だった。
ホルツ「…………馬鹿馬鹿しい、俺は一介の傭兵だぞ、こんなことに首を突っ込めるほどできた人間でもないんだ。」
ホルツは構えていた銃を下ろして暗視ゴーグルを外し、再び寝床に着いた。
『キャキャキャ!!』
『キャキャキャ!!』
『痛い!!痛いよ!!誰か助けて!!』
ホルツはうるさいうるさいと思いながらも耳を塞いで眠ろうとしていた。
『誰か助けて!!助けてよー!!』
ホルツ「チッ……うるせえぞ!!」
ズドドドドドド!!
痺れを切らしたホルツは少女だけを狙い撃った。
少女は自分の目の前で土が舞う姿を見て一瞬静止した。
そして少女はホルツの方を向いた。
『貴方は、とても美味しそう。』
ホルツ「俺とやろうってのか?やってみろちんちくりんが!!」
少女が口を開くとそこには鋭い牙が並んでいた。
犬歯とかではなく、本物の牙が生えていた。
『いただきます!!』
ホルツ「俺を食う気か!やってみろ化け物!!」
飛びかかってきた少女の首にホルツはナタを突き刺した。
『ぎぇぇ!!』
ホルツ「俺を舐めるなよ、こう見えて元海兵隊だ。」
苦しむ少女をホルツは見下ろしながら勝ち誇った顔で笑っていた。
『おじさん!!』
出血していた子供がホルツの腕にしがみついてきた。
ホルツ「おい、餓鬼!!何してやがる逃げろ!!」
『おじさんなんて言ってるの?』
ホルツ「Hey kid escape quick!!」
ホルツ「言葉が通じねえのか?英語くらい覚えとけチビ。」
ホルツが目を離すと少女は起き上がっていた。
ホルツ「ハハッ 本物の化け物だな。」
『強いねおじさん。』
ホルツ「なんて言ってるのか分からねえ。だから仕事のときは通訳もつけろって言ってるのに。」
少女はナタを喉から抜いて再びホルツに飛びかかった。
しかし今回はホルツは避けなかった。
ガブッ!!
ホルツ「ッ!!」
『筋肉はとっても栄養があるの。私の栄養になってね?』
少女はホルツの脊髄を狙った。
しかしそこだけは噛まれないようにするためにホルツは腕でガードした。
『外しちゃった、でも次は外さないよ……あれ?』
ホルツ「どうしたんだい?お嬢ちゃん。」
「ファンタジー」の人気作品
書籍化作品
-
-
2
-
-
314
-
-
59
-
-
70810
-
-
55
-
-
221
-
-
75
-
-
37
-
-
4
コメント