冒険者の日常
史上最大の敵(ドラゴンロード)
「で? 肝心のドラゴンロードはどこにいんじゃ、姿が見えんのじゃが」
「おそらく、上空です。視認できない位置にいると思われます。攻撃は上から降ってきましたから……」
みんなの視線が空へと集約する。
「あっ、いたぞ」
「どこですか、ネロ」
「ほらあそこ、黒い点が見えるだろ。多分あれだ」
「ほんと、ですね。恐らくあそこでしょう」
「じゃが、問題はどうやってあそこまで行くか、じゃな」
「えっ? ちょっとどこに点なんてあるんですか……」
「あそこ、見えないのか?」
周りの冒険者達は揃って首を横に振った。あぁ、そう言えばレベルによって視力とかそういう身体能力も上がるんだったな。だからこの街で高ランクと言われる僕を含めた3人は見えるのだ。
「……ネロ、お前の魔法を使ってあの高さまで飛べるか?」
おそらく通常の攻撃魔法では全く届かない。砲撃魔法でも半分も届かないだろう。となれば攻撃が届く範囲まで行くしかないのだ。
「限りなく不可能に近いけど……まぁ、やるしかないよな」
できるできないは置いておいて、やれることをやるしかないのだ。
「僕が飛んで、攻撃が届く範囲まで行ってあいつを落とせばいいんだよな」
「すまんな、それくらいしか思いつかんのじゃ……」
「いや、それしかないんじゃないかな。みんな、身体強化を頼む」
赤青様々、7色の光が僕の体を包み込む。恐らくそれぞれ別の強化がかかっているものだ。
よし、行くしかないな。ここまで来たんだから、男みせないと。
「我が力の根源たるもの、今こそその力を解放せよ」
『漆黒の夜空』を発動させる。
自分を中心に魔力が渦を巻く。
「そんじゃ、行ってくる」
足に力を込める、そうして地面を蹴る。物凄い破壊音がして地面にクレーターが作り上げられた。その反動を使って物凄いスピードで空へと上がっていく。
「……あれは、もう人間ではないな、私たちでは勝てるわけもない」
自嘲気味にユニが呟いた。
***
段々と黒い点が大きくなってくる。あと少し、まだあと少し……
「まだだ、まだ足りないぞ……」
少しづつ、スピードが落ちている。このままでは届く前に失速していまいそうだ。
「こんなもんじゃねぇーだろ」
僕の声に反応するように魔力が膨れ上がる、そうして出てきたのはあの漆黒の翼だ。
が、どうも今までとは様子が違う。どう見ても翼の大きさがこれまでの比じゃない。
「でも、これで空が飛べるわけだ……覚悟しろよ」
「グロォォォォォオオオオーーーー!!」
ドラゴンロードは天高く咆哮した。それは正しく王の威厳と言うにふさわしいもので空気がビリビリと震動する。そうしてドラゴンロードの口元が発光を始める。おそらく都市の結界を破ったあの攻撃だ。
「光栄じゃねぇか、そんな攻撃をしてもらえるなんてよお!」
ドラゴンロードがさらに口を開く、より白く大きく魔力が膨れ上がる。ほんの数秒で数十倍の魔力が集められる。
「なっ……そんなに早く貯蓄しちまうのかよ、準備もクソもねぇじゃねぇか!」
でも、これを避ける訳には行かない。そうなれば都市は壊滅するだろうし数えられないほどの死者が出るだろう。
「ふっ、ふははは! 上等じゃねぇか、全力で受けてやるぜ!」
これをどうにか出来ればおそらくこいつを地面に落とせるはずだ。なら引いてる暇はない。それに、この攻撃が魔術攻撃ならば……
「おそらく、上空です。視認できない位置にいると思われます。攻撃は上から降ってきましたから……」
みんなの視線が空へと集約する。
「あっ、いたぞ」
「どこですか、ネロ」
「ほらあそこ、黒い点が見えるだろ。多分あれだ」
「ほんと、ですね。恐らくあそこでしょう」
「じゃが、問題はどうやってあそこまで行くか、じゃな」
「えっ? ちょっとどこに点なんてあるんですか……」
「あそこ、見えないのか?」
周りの冒険者達は揃って首を横に振った。あぁ、そう言えばレベルによって視力とかそういう身体能力も上がるんだったな。だからこの街で高ランクと言われる僕を含めた3人は見えるのだ。
「……ネロ、お前の魔法を使ってあの高さまで飛べるか?」
おそらく通常の攻撃魔法では全く届かない。砲撃魔法でも半分も届かないだろう。となれば攻撃が届く範囲まで行くしかないのだ。
「限りなく不可能に近いけど……まぁ、やるしかないよな」
できるできないは置いておいて、やれることをやるしかないのだ。
「僕が飛んで、攻撃が届く範囲まで行ってあいつを落とせばいいんだよな」
「すまんな、それくらいしか思いつかんのじゃ……」
「いや、それしかないんじゃないかな。みんな、身体強化を頼む」
赤青様々、7色の光が僕の体を包み込む。恐らくそれぞれ別の強化がかかっているものだ。
よし、行くしかないな。ここまで来たんだから、男みせないと。
「我が力の根源たるもの、今こそその力を解放せよ」
『漆黒の夜空』を発動させる。
自分を中心に魔力が渦を巻く。
「そんじゃ、行ってくる」
足に力を込める、そうして地面を蹴る。物凄い破壊音がして地面にクレーターが作り上げられた。その反動を使って物凄いスピードで空へと上がっていく。
「……あれは、もう人間ではないな、私たちでは勝てるわけもない」
自嘲気味にユニが呟いた。
***
段々と黒い点が大きくなってくる。あと少し、まだあと少し……
「まだだ、まだ足りないぞ……」
少しづつ、スピードが落ちている。このままでは届く前に失速していまいそうだ。
「こんなもんじゃねぇーだろ」
僕の声に反応するように魔力が膨れ上がる、そうして出てきたのはあの漆黒の翼だ。
が、どうも今までとは様子が違う。どう見ても翼の大きさがこれまでの比じゃない。
「でも、これで空が飛べるわけだ……覚悟しろよ」
「グロォォォォォオオオオーーーー!!」
ドラゴンロードは天高く咆哮した。それは正しく王の威厳と言うにふさわしいもので空気がビリビリと震動する。そうしてドラゴンロードの口元が発光を始める。おそらく都市の結界を破ったあの攻撃だ。
「光栄じゃねぇか、そんな攻撃をしてもらえるなんてよお!」
ドラゴンロードがさらに口を開く、より白く大きく魔力が膨れ上がる。ほんの数秒で数十倍の魔力が集められる。
「なっ……そんなに早く貯蓄しちまうのかよ、準備もクソもねぇじゃねぇか!」
でも、これを避ける訳には行かない。そうなれば都市は壊滅するだろうし数えられないほどの死者が出るだろう。
「ふっ、ふははは! 上等じゃねぇか、全力で受けてやるぜ!」
これをどうにか出来ればおそらくこいつを地面に落とせるはずだ。なら引いてる暇はない。それに、この攻撃が魔術攻撃ならば……
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