冒険者の日常
物語の始まり
そこはこの都市を東西に縦断する。
ここはアンティラの中で最も大きな通りである。ダンジョンの入口から草原まで真っ直ぐ伸びた道は常に人が行き交いそこには数多の商店が建ち並ぶ。
基本的にダンジョンに近い方に武器屋や鍛冶屋、アイテム屋となっている。それよりも少し奥、草原よりへ行くと住宅地がある関係で日用品や、八百屋などが店を広げている。
「ちなみにアイシャはどんな武器を使いたいんだ?」
「私は、何を使いたいんでしょうか?」
そんな言葉が飛び出してくれば当然硬直するというものだ、どんな武器を使いたいというのがない冒険者はいないだろうから。いないはずだと思っていたから。
「……えっと、ギルドカードを見せてもらえる?」
ギルドカード、それには様々な情報が記載されている。主にはレベル、スキル、ステータス。
「特に特化したものは無いな、無いんだけど、すごいバランスが取れている。これならどんな武器でも使えそうだな」
正直というか本当に驚きだ、最初基本的なステータスはどれかに特化つまり得意な武器がわかるように振り分けられている。初期値の高いものがその人の武器に直結すると言っても過言ではない。例えば、魔術力が高ければ魔術師みたいな感じ。で、アイシャにはそのステータスの凹凸がほぼないのである。つまるところなんでも使えてなんにでもなれるのだ。
「なんでも使えるよ、なんでも」
「お兄ちゃんのおすすめはある?」
「そうだな、なんでもなれるからどれでもすぐに上達できるはず、でもあえて言うなら……やっぱり魔術師かな」
攻撃において他のどの職種よりも高い上に守備に関しても文句なし、さらに支援と回復を使いこなせるオールラウンダーぶり。誰もがなりたいと思う職業の1つである。
その分少々面倒くさい職業でもあるのだが、そこは結局のところ慣れだと思う。
「少し面倒くさいところもあるけど、パーティーは魔術師がいなきゃ成り立たない。それくらい重要で需要が高い……ま、決めるのはアイシャだ、好きなのを選べばいいさ」
アイシャの能力値は高い、それはステータスが証明している。
だから満遍なく鍛えることも出来るし特化させることも出来る、だからそれを決めるのは僕ではなく彼女だ。そう簡単に決められるものじゃないと思……
「私、魔術師になります」
っていたんだけど即答だった、それしかないと言わんばかりに飛び出してきた言葉に流石の僕も驚きが隠せない。
「いいの? かなり面倒くさい職業だけど……」
「だって、パーティーには必要なんでしょ、それにお兄ちゃんは何か魔術師に思い入れがあるみたいだし、それしかないです」
思い入れか……顔に出ていたのだろうか、しかしやっぱり気のせい……なのかな。
何故かアイシャといると安心する。どこか懐かしい、そんな感じがするのだ。
「そうか……よし、じゃあ鍛冶屋に行こうか」
「うん」
なんでもいいが僕ができることは彼女を、妹を守ること。それ以上でもなくそれ以下でもない。それが僕の決めた絶対の掟、今度こそ守らなくてはいけないのだ……リーナ、ルーシェ、ヤオラ、今度こそ守るよ。お前らの分まで、お前らを守れなかった報い……いや、何より僕自身のために。
「……いちゃん……お兄ちゃん、ここじゃないの?」
「うん? あぁ、ここだよ」
いつの間にか鍛冶屋の前に立っていた。考えているうちにたどり着いていたようだ。いつもの感覚というか習慣がなせる技だな。
今はそんなことよりも、
「さてと、最高の杖を作ってもらうか」
ここはアンティラの中で最も大きな通りである。ダンジョンの入口から草原まで真っ直ぐ伸びた道は常に人が行き交いそこには数多の商店が建ち並ぶ。
基本的にダンジョンに近い方に武器屋や鍛冶屋、アイテム屋となっている。それよりも少し奥、草原よりへ行くと住宅地がある関係で日用品や、八百屋などが店を広げている。
「ちなみにアイシャはどんな武器を使いたいんだ?」
「私は、何を使いたいんでしょうか?」
そんな言葉が飛び出してくれば当然硬直するというものだ、どんな武器を使いたいというのがない冒険者はいないだろうから。いないはずだと思っていたから。
「……えっと、ギルドカードを見せてもらえる?」
ギルドカード、それには様々な情報が記載されている。主にはレベル、スキル、ステータス。
「特に特化したものは無いな、無いんだけど、すごいバランスが取れている。これならどんな武器でも使えそうだな」
正直というか本当に驚きだ、最初基本的なステータスはどれかに特化つまり得意な武器がわかるように振り分けられている。初期値の高いものがその人の武器に直結すると言っても過言ではない。例えば、魔術力が高ければ魔術師みたいな感じ。で、アイシャにはそのステータスの凹凸がほぼないのである。つまるところなんでも使えてなんにでもなれるのだ。
「なんでも使えるよ、なんでも」
「お兄ちゃんのおすすめはある?」
「そうだな、なんでもなれるからどれでもすぐに上達できるはず、でもあえて言うなら……やっぱり魔術師かな」
攻撃において他のどの職種よりも高い上に守備に関しても文句なし、さらに支援と回復を使いこなせるオールラウンダーぶり。誰もがなりたいと思う職業の1つである。
その分少々面倒くさい職業でもあるのだが、そこは結局のところ慣れだと思う。
「少し面倒くさいところもあるけど、パーティーは魔術師がいなきゃ成り立たない。それくらい重要で需要が高い……ま、決めるのはアイシャだ、好きなのを選べばいいさ」
アイシャの能力値は高い、それはステータスが証明している。
だから満遍なく鍛えることも出来るし特化させることも出来る、だからそれを決めるのは僕ではなく彼女だ。そう簡単に決められるものじゃないと思……
「私、魔術師になります」
っていたんだけど即答だった、それしかないと言わんばかりに飛び出してきた言葉に流石の僕も驚きが隠せない。
「いいの? かなり面倒くさい職業だけど……」
「だって、パーティーには必要なんでしょ、それにお兄ちゃんは何か魔術師に思い入れがあるみたいだし、それしかないです」
思い入れか……顔に出ていたのだろうか、しかしやっぱり気のせい……なのかな。
何故かアイシャといると安心する。どこか懐かしい、そんな感じがするのだ。
「そうか……よし、じゃあ鍛冶屋に行こうか」
「うん」
なんでもいいが僕ができることは彼女を、妹を守ること。それ以上でもなくそれ以下でもない。それが僕の決めた絶対の掟、今度こそ守らなくてはいけないのだ……リーナ、ルーシェ、ヤオラ、今度こそ守るよ。お前らの分まで、お前らを守れなかった報い……いや、何より僕自身のために。
「……いちゃん……お兄ちゃん、ここじゃないの?」
「うん? あぁ、ここだよ」
いつの間にか鍛冶屋の前に立っていた。考えているうちにたどり着いていたようだ。いつもの感覚というか習慣がなせる技だな。
今はそんなことよりも、
「さてと、最高の杖を作ってもらうか」
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