冒険者の日常
新たなる試練 4
一瞬にして喫茶店の中の喧騒がなくなった。みんながみんな僕を見ている。その視線には驚愕のひとつが強く感じられた。
いかに僕とは言えどここまで一瞬にして空気を変えたことは無い。
僕の方がよほど驚愕だった。
「………………」
な、なんだこれ。一体僕がなにをしたというのだ。この空気どうすればいいのだろうか?
誰か助けて……
「……はっ、そうか。嬢ちゃんがネロの妹でパーティーメンバー、ってどういうことだ?」
分かったようで何も分かってないマスターがやっとのことでこの世界に帰ってきた。その身はこれは一体どういう事なのかと興味津々にカウンターから乗り出している。
「別にどうってことはありませんよ……」
それから、今日あったことを1から説明した。それにしても皆さん本当に興味があるようで、僕が話している間彼らは聞いてない振りをして聞き耳を立てていた。身を乗り出してる人もいたくらいだ、マスターのように。皆さんの圧がすごいんです。
それよりも途中話を遮った冒険者がみんなから殴られていたけど大丈夫なのだろうか。結構本気で殴られていたような……
「なるほどな。にしてもサリーは面倒見がいいな、いやお人好しなのかな」
「でも、そのおかげで僕と彼女の2人が助かってるんですからお人好しも捨てたものじゃないですよ」
本当にサリーさんには感謝が尽きない。僕のみならずアイシャまで引き取ってくれて、路頭に迷うことなくこうして生活出来ているのは本当に彼女のおかげなのだ。改めてなにかお礼をしなきゃいけないな。
「あぁ、確かにそうだな。それでアイシャちゃん、昼はどうする」
サービスするぜ、と胸を張っている。相変わらず女性には優しいマスターだ。その半分くらい男性に優しければこの店はもっと繁盛するのではないかと思う。
「わ、私はこれがいいです」
そう言ってメニューを指さしながら僕に確認をとる。
「なんでもいいよ、好きなものを頼んで」
どうやらまだ食べたいものがあったらしい。「ふぁ〜」と口に出しキラキラと目を輝かせて再びメニューと睨めっこを始めたアイシャを片目に一息つく。
「じゃ、その都度頼むよ」
「了解」
そう言ってマスターは、調理場へ注文を届けに行った。
***
「ご注文のオムライスと豚の生姜焼き定食です。ごゆっくりどうぞ」
従業員のひとりが注文した料理を運んできてくれた。
「……アイシャ、とりあえず冷めないうちに食べよう」
未だにメニューと睨めっこを続けているアイシャに声をかける。
「お兄ちゃん、苺のパフェとメロンのアイスとどっちがいいと思いますか?」
これまた真剣な表情でそんなことを聞いてくる。
「食べたいのはその2つなのか?」
「はい、でもどっちも美味しそうで……」
「マスター、苺のパフェとメロンアイスを追加で、食後に」
「はいよ」
「え、お兄ちゃん? そんな2つなんて食べれないですよ」
「食べれなかったら僕が食べるよ。それにまた来ればいいんだから、とにかく今は食べよう」
「はい! いただきます」
その後、パフェとアイスは勿論のことオムライスも僕のお腹の中へと消えることになったのは言うまでもない。それでも、アイシャが満足してくれたようなので良かったということにしておこう。
正直まだまだたくさんの不安が残っているのだが……
いかに僕とは言えどここまで一瞬にして空気を変えたことは無い。
僕の方がよほど驚愕だった。
「………………」
な、なんだこれ。一体僕がなにをしたというのだ。この空気どうすればいいのだろうか?
誰か助けて……
「……はっ、そうか。嬢ちゃんがネロの妹でパーティーメンバー、ってどういうことだ?」
分かったようで何も分かってないマスターがやっとのことでこの世界に帰ってきた。その身はこれは一体どういう事なのかと興味津々にカウンターから乗り出している。
「別にどうってことはありませんよ……」
それから、今日あったことを1から説明した。それにしても皆さん本当に興味があるようで、僕が話している間彼らは聞いてない振りをして聞き耳を立てていた。身を乗り出してる人もいたくらいだ、マスターのように。皆さんの圧がすごいんです。
それよりも途中話を遮った冒険者がみんなから殴られていたけど大丈夫なのだろうか。結構本気で殴られていたような……
「なるほどな。にしてもサリーは面倒見がいいな、いやお人好しなのかな」
「でも、そのおかげで僕と彼女の2人が助かってるんですからお人好しも捨てたものじゃないですよ」
本当にサリーさんには感謝が尽きない。僕のみならずアイシャまで引き取ってくれて、路頭に迷うことなくこうして生活出来ているのは本当に彼女のおかげなのだ。改めてなにかお礼をしなきゃいけないな。
「あぁ、確かにそうだな。それでアイシャちゃん、昼はどうする」
サービスするぜ、と胸を張っている。相変わらず女性には優しいマスターだ。その半分くらい男性に優しければこの店はもっと繁盛するのではないかと思う。
「わ、私はこれがいいです」
そう言ってメニューを指さしながら僕に確認をとる。
「なんでもいいよ、好きなものを頼んで」
どうやらまだ食べたいものがあったらしい。「ふぁ〜」と口に出しキラキラと目を輝かせて再びメニューと睨めっこを始めたアイシャを片目に一息つく。
「じゃ、その都度頼むよ」
「了解」
そう言ってマスターは、調理場へ注文を届けに行った。
***
「ご注文のオムライスと豚の生姜焼き定食です。ごゆっくりどうぞ」
従業員のひとりが注文した料理を運んできてくれた。
「……アイシャ、とりあえず冷めないうちに食べよう」
未だにメニューと睨めっこを続けているアイシャに声をかける。
「お兄ちゃん、苺のパフェとメロンのアイスとどっちがいいと思いますか?」
これまた真剣な表情でそんなことを聞いてくる。
「食べたいのはその2つなのか?」
「はい、でもどっちも美味しそうで……」
「マスター、苺のパフェとメロンアイスを追加で、食後に」
「はいよ」
「え、お兄ちゃん? そんな2つなんて食べれないですよ」
「食べれなかったら僕が食べるよ。それにまた来ればいいんだから、とにかく今は食べよう」
「はい! いただきます」
その後、パフェとアイスは勿論のことオムライスも僕のお腹の中へと消えることになったのは言うまでもない。それでも、アイシャが満足してくれたようなので良かったということにしておこう。
正直まだまだたくさんの不安が残っているのだが……
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