冒険者の日常
最悪と最強
未だ寒さの残る半月の夜。それは満を持して決行された。指令が降りてから2日後のことだ。最強と謳われる先鋭のパーティーがこの奇怪な状況の打破へと向かうのだった。
このパーティーのリーダーは黒髪の少年ネロ。彼はこの街最強の冒険者だ。レベル52、現在確認されている中で最高ランクだ。それだけではなく彼は今までの記録、最高ランクを最年少で破った。それは彼の持つスキルによるものもある。彼の持つ希少スキルの名は『漆黒の夜空』
その効果は経験値の増加を主軸としてさまざまな付与効果がある。簡単な話全てを飲み込むんでしまうということだ。
「大丈夫だよね? ネロ」
彼女は僕のパーティーメンバーでレベルは32。このパーティーにおいて2番目のレベルの高さを誇る、ちなみに種族は森の妖精、エルフである。エルフらしい金髪ロングで翡翠のような目を持っている。
「あぁ、大丈夫だよ。ルーシェ」
「前から来ますよ、ネロっ」
「了解、俺が出る」
魔術師リーナの敵感知能力はすごく、半径1キロの生体反応をキャッチできる。とても優秀な魔術師だ。レベル29、八咫一族ので末裔である。八咫一族は代々強力な魔術を使える一族で、先代は山を消しとばしたなど数々の逸話が残されている。ちなみにリーナは小柄で赤髪だ。代々八咫一族はそうらしい。左右の目の色が赤と青で、それが初代と同じようで幼い頃から一族から期待されていたそうだ。
それともう1人、さっきからずっと気配を消して偵察をしている、ヤオラという仲間がいる。彼はヤマトと呼ばれる地方のニンジャというものらしい。レベルは30。一度姿を隠すとリーナの敵感知にもかからなくなる。まぁ、それでは困るからと言うリーナと一悶着あったらしく今はリーナの敵感知だけには反応するようになったらしい。一体どうやっているのかは謎のままだ。
誰においても、この街ではずば抜けた才能や戦闘能力を持っている。
「さらに前に2、来ます」
「了解」
というふうな連携をして、最速でダンジョン第15階層へとたどり着いた。
「ここが、最初の目撃地か。ヤオラ、何かあるか?」
僕のすぐ隣にヤオラが音もなく現れる。
「目立ったものはありませぬ。しかし、報告の通りダンジョンが動いているのが確認できます」
「ありがとう」
そうして彼はまた消えていった。
 一番最初がここ、それ以降はここよりも上で事件は起きている。今までこれより下で問題が起きたのは確認されていない。やはり発生源はここなのか。でも、これより下が何もないという保証もない。
「もう少し下がってみるぞ」
 ***
「ネロたちは大丈夫かしら」
とある街角の酒屋。今日はいつにも増して客が多い。
そんな酒屋で女将さんが心配そうな顔をしている。どうも、さっきからそわそわしている。決して客が多くて浮き足立ってるわけではない。
「大丈夫だ、あいつはこの街一の冒険者だ。簡単なことじゃ死なねぇよ。それに嬢ちゃんたちだってこの街じゃトップクラスの冒険者だ。あのヤオラってのもすげぇしな、ニンジャだっけ?」
何を心配する必要があるのかといった様子で料理をする料理長。しかし、その顔には若干の不安が漂い、包丁を握る手も細かく震えている。
それは、ここにきている客からも感じられた。彼らの手はグラスを掴んだまま何かを願っているようで、いつものような喧騒は聞こえてこない。
「えぇ、彼は強いわ。それでも……」
そこまで言って言葉を飲み込む。
 (いえ、大丈夫です。彼は必ず生きて帰ってきてくれるはずです。彼の仲間とともに)
この街の住人から冒険者まで、全員がそう思っていた、そう願っていた。
必ず全員生きて帰ってこい。
このパーティーのリーダーは黒髪の少年ネロ。彼はこの街最強の冒険者だ。レベル52、現在確認されている中で最高ランクだ。それだけではなく彼は今までの記録、最高ランクを最年少で破った。それは彼の持つスキルによるものもある。彼の持つ希少スキルの名は『漆黒の夜空』
その効果は経験値の増加を主軸としてさまざまな付与効果がある。簡単な話全てを飲み込むんでしまうということだ。
「大丈夫だよね? ネロ」
彼女は僕のパーティーメンバーでレベルは32。このパーティーにおいて2番目のレベルの高さを誇る、ちなみに種族は森の妖精、エルフである。エルフらしい金髪ロングで翡翠のような目を持っている。
「あぁ、大丈夫だよ。ルーシェ」
「前から来ますよ、ネロっ」
「了解、俺が出る」
魔術師リーナの敵感知能力はすごく、半径1キロの生体反応をキャッチできる。とても優秀な魔術師だ。レベル29、八咫一族ので末裔である。八咫一族は代々強力な魔術を使える一族で、先代は山を消しとばしたなど数々の逸話が残されている。ちなみにリーナは小柄で赤髪だ。代々八咫一族はそうらしい。左右の目の色が赤と青で、それが初代と同じようで幼い頃から一族から期待されていたそうだ。
それともう1人、さっきからずっと気配を消して偵察をしている、ヤオラという仲間がいる。彼はヤマトと呼ばれる地方のニンジャというものらしい。レベルは30。一度姿を隠すとリーナの敵感知にもかからなくなる。まぁ、それでは困るからと言うリーナと一悶着あったらしく今はリーナの敵感知だけには反応するようになったらしい。一体どうやっているのかは謎のままだ。
誰においても、この街ではずば抜けた才能や戦闘能力を持っている。
「さらに前に2、来ます」
「了解」
というふうな連携をして、最速でダンジョン第15階層へとたどり着いた。
「ここが、最初の目撃地か。ヤオラ、何かあるか?」
僕のすぐ隣にヤオラが音もなく現れる。
「目立ったものはありませぬ。しかし、報告の通りダンジョンが動いているのが確認できます」
「ありがとう」
そうして彼はまた消えていった。
 一番最初がここ、それ以降はここよりも上で事件は起きている。今までこれより下で問題が起きたのは確認されていない。やはり発生源はここなのか。でも、これより下が何もないという保証もない。
「もう少し下がってみるぞ」
 ***
「ネロたちは大丈夫かしら」
とある街角の酒屋。今日はいつにも増して客が多い。
そんな酒屋で女将さんが心配そうな顔をしている。どうも、さっきからそわそわしている。決して客が多くて浮き足立ってるわけではない。
「大丈夫だ、あいつはこの街一の冒険者だ。簡単なことじゃ死なねぇよ。それに嬢ちゃんたちだってこの街じゃトップクラスの冒険者だ。あのヤオラってのもすげぇしな、ニンジャだっけ?」
何を心配する必要があるのかといった様子で料理をする料理長。しかし、その顔には若干の不安が漂い、包丁を握る手も細かく震えている。
それは、ここにきている客からも感じられた。彼らの手はグラスを掴んだまま何かを願っているようで、いつものような喧騒は聞こえてこない。
「えぇ、彼は強いわ。それでも……」
そこまで言って言葉を飲み込む。
 (いえ、大丈夫です。彼は必ず生きて帰ってきてくれるはずです。彼の仲間とともに)
この街の住人から冒険者まで、全員がそう思っていた、そう願っていた。
必ず全員生きて帰ってこい。
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