河童を好きになってもらうために伝えたい五つの事
04,河童は落ちぶれた貴族的神様と言う説がある
早くも四日目となりました。
そろそろ唇が黄色く硬くなってきた方も多いのではないでしょうか。
冬の季節は唇が乾いていけない。
僕はよく流血沙汰になります。口から垂れる紅い一筋……意味も無く鏡の前で「ははッ……意外とやるじゃあねぇか……!!」とか言ってみたり。
いや、まぁ、何事も楽しむ主義なので茶化してますけどね?
割とガチで痛いですからね唇大出血。
しかしリップクリームなんておシャンティーアイテムは持ち合わせていない。
買えよ? ……あ、はい。ウッス。
あとでコンビニに行くとして……とにかく、乾燥と言うのは中々に厄介なものです。
冬の時期に火事の発生件数が増えるのは勿論の事、冬の火事はそう簡単には収まらない。乾燥している物=燃えやすい物が多くあるからです。
コンセント周りからの出火も、冬場の乾燥が助長します。
年末のこの時期、いつもより少し早めに大掃除を始めて、コンセント周りの埃を例年よりも念入りに除去する事をおすすめします。
皆様も、乾燥にはくれぐれもお気を付けください。
さて、以前にもお話しましたが、河童に取っても乾燥は大敵。
皿の水が乾いてしまうと生命に関わる事すらあると言われております。
河童は水辺の者、当然、水から遠ざかればつらたん、と言うのも道理ですね。
ほぼほぼ純陸生である人間ですら、乾燥には弱く、水気は重要なのです。
水生の気が強い河童であればなおさらでしょう。
まぁ、彼らには唇が無いので、そこは人間よりは楽でしょうが。
……何故人間の唇は粘膜部分を口腔外に露出させているのか……こんな唇してんの人間だけですよファッキンガム宮殿。
おっと脱線注意報。
悪いクセだぜ全く。
さてさて。
水辺の者であるが故に乾燥に極端に弱いとされる河童。
本日語りますは、その河童のルーツについてです。
HEY尻子玉!
河童のルーツについて教えてプリーズギブミーヘルプミィィァ!!
……安定の諸説有。
◆
河童の出自については以前にも少々触れたと思います。
その中で挙げた「都落ちしてしょんぼりしてる水神の類」と言う説。
これについて、少々クローズアップして行こうと思います。
水神、と言うのは読んで字の如く「水にまつわる神物」です。
日本では古来より【八百万の神】と言って森羅万象あらゆる物事……それこそ米の一粒や便座ひとつに至るまで、それぞれ司る神様がいると言う考え方が広く普及しています。
物体に宿るだけでなく、結婚・出産・立身出世・学業勤勉などの行動にも、それを専門として取り扱う神様がいます。
それだけ神様がいると、一神教系の神性観とは異なる物が生まれてきます。
それは【神様の階級】です。多くの神様が登場する神話にはよく見られる体系ですね。
神様はみんなすべからく偉い存在ではあるけれど、神同士で社会の様なコミュニティを形成しているならば、その中で序列や品格の差があるのでは、と言う考え方です。
ざっくり調べてみた感じ、天照大神とかその辺がよその神話で言う最高神にあたるみたいですね。
なんとなく考察してみた感じ、人の世に関わり深く信仰をよく集めている神様ほど、上の方に据えられている様に個人的には感じました。
水神は「水にまつわる」と言う性質上、人の生活に深く関わっています。
八百万の神々の中でも、水神の格と言うのは相当上にあるものと考えられています。
しかし、水神にもピンキリでしょう。
そう、神の中に序列があり、また水神の中にも序列があると考えられます。
まぁ、確かに、沼の水神よりも海の水神の方が強そうなのも道理。
さて、ここでひとつ皆様に考えていただきたい。
海ほどの広大な水はともかく……沼や川って、たまに枯れたりしませんか?
井戸にも水神が住むそうですが、井戸なんて人の都合でできたりなくなったりしますよね?
枯れたり潰されたりで消えてしまう様な小さな水場に住んでいた水神は、一体どこへ行ってしまうのでしょう。
――その行き着く先が、河童です。
居場所を失い、路頭に迷う様な格の低い水神は川へと流れ着き、やがて更に格落ちして下級の神物……即ち妖怪へと成り果てる。
それが河童、だとする説があるのです。
つまり、落ちぶれた神様の果てが河童と言う妖怪である、と言う訳ですね。
◆
放浪するポンコツ貴族っていいよね(加虐心100%の微笑み)。
失禁ヒロインとかゲロインとか流行るご時勢ですし、絶対需要あると思うんですよ、落ちぶれた水神系ヒロイン。略すとしたら落水インと言う所でしょうか。
そう言えば少し前に水芸が得意なポンコツ女神様が話題になったりもしましたね。
あれ実質は落水インなのでは?
ヒロインとして見ないにしても、哀愁の漂うおじさんキャラとしてのフレーバーがあります。
全てを失ったまるでダメなおっさんが、河童に成り果てても失わなかった男の矜持を胸に強敵に立ち向かい、誰かを救う物語とか胸熱くない?
それでも……こんな俺でも、守りたいキュウリがあったんだ!! 的な懸命レジスタンス。
逆にサイコな程に真っ直ぐ一本気な主人公と言うテイストも良いでしょう。
神格など関係無い、俺は俺だ!! と叫び駆け抜ける緑色の疾風、大地を強く踏みつける膂力に常識を踏みつける胆力を持った下級水神によるジャイアントキリングな物語も実にソウルバーニング。
没落した事にふてくされて弄れた性格でありながら、体は正直なモノで神性なる者らしく悪逆非道を看過できずに動いてしまうツンデレヤンキー系も充分にあり。
神格がずり落ちただけでもこちとら気分最悪なんだ、性根まで腐り落とす訳にゃあいかねぇな……! 的な。
落ちぶれたポンコツとして必死に足掻く泥臭い路線もあり。
落ちぶれても揺るがずかんらかんらと笑う心強き者路線もあり。
落ちぶれて卑屈決め込んだつもりだけど……な癖の強い感じの輩路線もあり。
落ちぶれた神が、神に見落とされた少女を救う物語……って煽り文だけでもちょっと「おっ」ってなりませんか?
元々は格のある神様だった、と言う過去の一物だけでもう胸熱ドラマは盛り込み放題バーゲンセール。
語弊を恐れずに言えば、実に扱い易い設定であると言えるでしょう。
どうです?
河童、貴方の新作の主人公に起用してみませんか?
零落から成り戻る物語の主演を任せたい妖怪NO,1、これ以上の適任はいないのでは?
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