河童を好きになってもらうために伝えたい五つの事
02,河童がキュウリ大好きになったのはきっと感動ドラマがあったから
二日目ですね。
昨夜は河童の夢を見れましたか?
僕は……ふふふ……ふぅ……
さて、本日語りますは河童と【キュウリ】の関係性についてです。
河童と言えばキュウリが大好き。
キュウリを酢飯と海苔でノリノリに巻いたゴキゲンな巻き寿司を【かっぱ巻き】と呼ぶのは今や小学生ですらご存知の事。
余談ですが、マグロ丼と鉄火丼の違いは酢飯を使っているか普通の白飯を使っているかどうかだそうで(鉄火丼が酢飯、マグロ丼が素飯)。
これに習うならば、かっぱ丼はキュウリ酢飯、キュウリ丼はキュウリ白飯、と言う事になるのでしょうか。
ちなみに僕は刺身盛に添えられているキュウリを醤油に浸して白飯にワンバウンドさせる食べ方をよくやります。実質キュウリ丼よな。
ただあれ、余り行儀の良い事ではないので外食時や同席者がいる場合は控えましょうね。
自宅で独りならば何をしても許される。
カレーをライスと卵でぐちゃ混ぜにして食べたって良いのサ。
そう、マイホームロンリータイムならネ。
まぁ僕はドライカレー派なんで卓上で混ぜる必要など無いんですけどね。
閑話休題。
さてさて皆様。レディース&ジェントルズ。そして河童文化の未来を託せるロリータ&ショタロウ。
疑問に思った事は、ありませんか?
何故「河童はキュウリが大好きだ」なんて言われているのか。
僕は気になりました。
なので調べました。勿論、スマホで。
実は先月リンゴマークのスマホを購入しましてね。尻子玉が詰まってそうな名前の音声検索機能を使って色々と調べられるのですよ。
HEY尻子玉ってCMでやってる奴です。
最近アンドロイド端末にも似た様な機能が追加されたみたいですね(某漫才グランプリ中のCMで執拗な程に紹介してました)。
また脱線してしまった。僕の線路は砂利だらけ。
最終日まで基本こんな感じなので覚悟してください。
どうせまたすぐに脱線すると思いますが話を戻します。
そんなこんなで僕はHEYっと調べた訳です。
これまた諸説ありました。
江戸時代の浮世絵師共め……二次創作にしてもはっちゃけ過ぎだろうが……!
しかも何やら、感想にていただいた情報によりますと、河童伝承の普及に関しては富山の薬売りまで絡んでいるとか?
みんな好き勝手に設定盛り盛りし過ぎでしょうよ。
僕だって江戸時代に生まれて乗りたかったわそのビッグウェーブ。
……ですが、まぁ、この多様性も【妖怪】と言うジャンルの持ち味だと飲み下しませう。
何より、今もうこの世にいない連中に恨み言を言った所で無益。実に無益。そんな暇があるなら河童を褒め称えよ。グローリー。
とりあえず僕が「それっぽいなー」「これだったらいいなー」と個人的に思った説は二つ。
ひとつ。
キュウリなど水分を多分に含む野菜は、水神への供物や儀式の寄り代として用いられていたらしく。
つまり、水性の神物に深く由のある品である訳です。
故に水神の類である河童が好むのは当然、と言う説。
ふたつ。
これが中々とんでもない。
なんと、河童は「人間を食う代わりに、キュウリを食べる様になった」と宣うのです。
◆
その昔、河童は【人の血】や【尻子玉を始めとした臓腑類】を食すと言う、中々にファンキーな食性を持っていました。
河童に取って、人間は完全に食糧だった訳です。
猫から見たネズミ、巨人からみた壁の中の住人の様なものですね。
しかして、その関係性はある日、唐突に変化します。
河童達が、突然人を食い殺さなくなったのです。
ある若者が、偶然出会った河童に尋ねます。
「どうして近頃あんたらは俺らを食わないんだい?」
河童はキュウリを一齧りして答えます。
「知ってたかい? キュウリって人間の味がするんだぜ」
そんな馬鹿な、と若者はキュウリを一齧り。
当然、口の中に広がるのは水で薄めた草汁の様な薄味。醤油か味噌か浅漬けの素のエッセンスが欲しくなる物足りなさ。到底肉の官能的旨みとは結び付きません。
しかし、河童は「人間の味覚はわかんねぇな」と笑い飛ばします。
そして河童は続けて語ります。
「人間を狩ろうとして反撃を喰らい、怪我をする河童もいる。キュウリで代えが利くんなら、わざわざお前らを狩りに行く必要も無いだろうよ」
それだけ言って、その河童は川へと帰って行ったそうで。
それ以来、人がよく溺れる川(=人を食う河童が住まう川)にはキュウリを投げ込み、キュウリの味を教える……と言う儀式も生まれたりしたそうな。
◆
今も昔も人間って馬鹿なのかなって。
いくら河童と人間の味覚が違っても、流石にキュウリと肉を同じ味に感じると思いますか?
無い無い無いのパーリナイですよ。
では、一体どう言う事なのか?
決まっています、河童が変わってくれたんですよ。
(※突然ですが、ここでホップステップ飛ばしてテイクオフする前に注意喚起しておきます。
ここから先はやや暴走気味になっています。読み返して自分でもそう思いました。
河童の様に優しい目をしてご覧ください。)
きっと、河童は何らかのきっかけで、食糧として消費される人間に憐憫の情を抱いたのでしょう。
ささやかな知性を有し、懸命に生を全うしようとする矮小な生命に、愛を覚えたのです。多分。
もしかしたら、我々の知らない所で河童が人間の子を育てる的なハートフルドキュメンタリーが展開されたのかも知れません。
ライオンがシマウマの子供を育てる感動のネイチャァァァ!! 的なアレです。
ああいうのイイよね。最後は育ての親が子を群れに帰すためにわざと強く当たり、背中を見せると、その背中に子は涙のお辞儀して、群れへと帰っていく訳ですよ……!
ああんもう想像しただけで涙腺がグチョ濡れパラダイス。足腰くだけてパラライズ。
まぁ、とりあえずそんなこんなな事があったのではないかと僕は考察します。
そうであれ。……そうである(断定)。
そんな勝手な事を言って大丈夫なのかって?
大丈夫ですよ。サイトの仕様上、エッセイだろうが作品ページの下の方には「特に何も書かれてないなら掲載されている小説はすべてフィクションだからね。実在の人物・団体等とは一切関係無い無い無いのドラゲナイだよ」的な赤文字が表示されています。
つまりここに書いた事はフィクションだと思って読めよと言う事。
故に、根拠希薄だろうがあてずっぽうだろうが非現実性に満たされた妄想だろうが何を断言しても良い。
だから僕は今此処に、確固たる意思を以て唱えましょう。
江戸時代の浮世絵師に続き、この僕が、いいやこの俺が、河童伝説に新たな物語を追記するッ!!
河童と人間の間に、ハートウォーミング&ソウルフルなネイチャードキュメンタリーめいた異種間親子愛の感動物語があったのだとッ!!
こうして「人間は尊い、しんどい。もうダメ。彼らを殺さずに済む道は無いものか」と思い始めた河童達ッ!!
懸命模索した結果、彼ら河童は、自らのルーツである水神への供物として使われていた神性野菜に目を付けたのではないだろうか!?
そう考えれば、全てが調和する!!
キュウリと人肉の味が一緒と言う謎理論が「河童達の小粋な冗談である」と納得できるゥ!!
ああ、河童……いや、河童の旦那ァ……!!
生きる……俺、生きるよ……!!
兄貴分になって欲しい妖怪NO,1、近々取ってしまうのでは?
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