ダイカッパーは流れない

須方三城

10,雪妖精は戦わない。《後編》

『………………!!』


 雪吏乃の機装纏鎧、キラメキフブキが纏うあの雪ダルマ的装甲。
 それは破壊エネルギーを吸収してダメージを無効化し、接触すれば動力となるエネルギーをも奪う事で相手を無力化する『特殊な雪』の装甲だった。
 加えて接触無力化の特殊雪は、あの雪ダルマを中心とした戦闘領域半径三〇〇メートル以内にしんしんと降りそそぐと来た。


 こちらの攻撃は全く通らず、指を咥えている間にもどんどんエネルギーを奪われ続ける。
 そして最後には地に伏すしかない。


 理不尽とも言える無敵システムだ。


『どうする? キラメキフブキは無敵。貴方では勝てる勝てない云々以前に、敵として勝負すらできない』
『確かに、打ち震える程に無敵……絶望、「しかけた」よ』
『……?』
『しかし……一見無敵だからこそッ、俺は「付け入る隙」があると考える……!!』
「えっ、どう言う事ですか!? べーちゃん!」
『考えてみるんだ、晴華ちゃん。本当に無敵な素敵兵器ならば、一傭兵がそれを保有し好きに用いる事を世間が許すはずがない……妖怪郷とやらが世紀末染みた無法的世界なら話は変わってくるが……君の様子や今まで会った妖怪達の発言から推し量れる限り、それはあるまい』
『………………』


 勤務先に絶対の忠誠を誓う社畜的正社員の様な兵士ならまだしも、雪吏乃は『傭兵』。言わばアルバイトの様な扱いなのだ。
 拳銃を振りかざすアルバイトを雇うコンビニなど存在しない様に、無敵兵器を保有する傭兵を雇い内部に迎え入れる軍などないはず。
 いくら戦力を拡充させたいと言っても、いざと言う時に従わせる事ができなければ、その兵士に意味は無い。
 こちらのために満足に働いてくれる保証どころか、裏切って敵に回らないと言う保証すらも無い……信用の無い無敵兵士ほど、軍に取っての不安要素は無いのだ。


『ならば、あるだろう。「弱点」……!! 無敵を無敵でなくする何かッ。それも、致命的なのが』
「その通りだぜい、皿助ェッ!!」
『ぬ、その声は……』


 不意に上空から響いた低音ボイス。
 巨大な黒翼を羽ばたかせて滞空し、大きなコウモリ傘で雪を防ぐ黒ずくめの大柄青年。
 先日皿助とずっ友の契りを交わした烏天狗、冠黒武カンクロウだ。


『冠黒武ッ!? 何故今日ここに!? 遊ぶ予定は無かったはずだが……』
「前に鞍馬戸クラマド副司令がMBF総隊長を動かそうとしてるって言ってたのが気になってよう……ちょいと遅かった感はあるが、ギリギリ間に合った様で嬉しいぜい!」
『! その口ぶり……まさか……』
「おうよ! 来たぜ……『助太刀』にッ!!」
『……見た所、貴方は天狗みたいだけど……皿助達につくの? 大丈夫、それ』
『そ、そうだ! いくら友達と言えど立場と言うモノがある!! 駄目なんじゃあないか!?』
「おいおい、あんま俺っちを舐めんなよ」


 くふふふ…と冠黒武は悪い笑顔を浮かべて……


「当然、取ってきた……『有給休暇』。それもただの有給じゃあないぜい……休暇希望目的は、『機装纏鎧を保有する友達の所で。機装纏鎧や禍弄魔カルマを用いた実戦形式の自主訓練を行いたい』、だ……!!」
『!!』
「面白いくらいに快く許可が下りたぜい……何せ禍弄魔は天狗山が全力で開発に取り組む新兵器。でも副作用のせいで試験運用に協力する奴はほとんどいねぇ……そんな中、自ら協力を名乗り出る者がいりゃあ、ロクなケチも付けずに快諾もするよなぁ」


 つまり、冠黒武はあらかじめ『休暇を取る事』と『休暇中に機装纏鎧や禍弄魔を用いた実戦を行う』ための許可を、天狗山から取って来た、と言う事だ。


『と言う事は……』
「そう……問題無いどころかぁッ!! 天狗山の軍事力増強のために自らの腸内環境を差し出した勤勉な軍人として好印象を得てきたって事だぜぇいッ!!」


 何と言うかコスい。実にコスいが、皿助としては実に嬉しい助け。


「そして、俺っちの機装纏鎧……漆飛羅天喰ウルトラテング禍弄魔カルマなら、MBF総隊長……不戦の白逝鬼姫シラユキヒメの弱点を突けるッ!!」


 そう言って冠黒武はコウモリ傘を投げ捨てると、背負っていた黒鋼の錫杖を左手で抜いた。


「行くぜい……機装纏鎧・禍弄魔共鳴ッ!! ゥゥウルトラテングゥ……カァルマァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッッッ!!!!!」


 錫杖を右手の禍弄魔リングに擦り合せる形で構え、冠黒武が叫ぶ。


 一瞬にして、曇天の空に黒い風が逆巻き、そして顕現する。
 三〇メートル級、三面六臂に無数の黒翼を背負う異形の巨大黒鳥人、ウルトラテング・カルマが。


『ウルトラテング……、ッ!!』


 天狗族が汎用配備している量産型機装纏鎧、それがウルトラテングだ。
 その性能や『武装』は、一応天狗族の軍隊に所属する雪吏乃も大雑把にだが把握している。


 あれはその強化発展系っぽい。
 そして冠黒武の自信満々な発言……


『理解したみたいだな、MBF総隊長殿ッ!! あんたの機装纏鎧を無敵的存在へと昇華させるその「雪」の弱点は聞いてるぜい……それは……』


 冠黒武はウルトラテング・カルマが背負う無数の翼を大きく広げ、その内部に組み込まれた武装を起動する。
 その武装とは、空気を取り込んで『極熱の黒い焔』へと変貌させてしまう妖術武装『天刈乱熱風扇テンガロンホット』。


『炎熱属性の妖術武装への耐性が、極端に低い事だッ!!』


 それはいわゆる『妖術的相性』。機装纏鎧の固有特性や妖術武装の根本は、妖術…妖怪科学技術である。そして妖術には絶対の『相性』があるのだ。


 氷雪属性の妖術は炎熱属性の妖術にめっぽう弱い。ビックリするくらい弱い。
 それが妖怪科学技術の絶対原則の一つ。


 妖術兵器である機装纏鎧は、この原則から逃れる事が絶対不可能。
 キラメキフブキの『雪』も例外ではないッ。


 あらゆるエネルギーを吸収・消化してしまうその『雪』も、『炎熱属性の妖術的エネルギー』だけは上手く処理できないのであるッ!!
 つまり、一定量以上の炎熱属性妖術的エネルギーを内包する一撃であれば、あの雪ダルマ装甲『白薄氷の厚化粧アーマード・ウスライ』を破壊できるのだ。


 まぁ、と言っても。
 通常のウルトラテングに装備されている天刈乱熱風扇テンガロンホットでは、その『一定量以上』と言うハードルを越えるのは到底無理な話。
 弱点と言っても、そこを突くのは容易ではない。


 だからこその禍弄魔共鳴ッ。
 多少の副作用は承知の上ッ。友のためならなんのその。冠黒武は、やる。


『行くぞオラァッ!! 皿助ェッ!! チャンスを作れるのはほんの少し、一瞬だァ!! 空気読んで合わせろォ!! テメェの察しの良さと根性なら行けるッ!!』
『応ッ!!』
『………………!』


 ダイカッパー、キラメキフブキ、ウルトラテング・カルマ。
 曇天雪降りの河川敷、三体の機装纏鎧が同時に動く。


黒焔・禍鳥風囓カルマ・カルラァッ!!』


 最初に動いたのはウルトラテング・カルマ。
 無数の黒翼で精製した黒焔をその六臂に纏い、キラメキフブキへ向けて投擲。六つの黒焔弾が、真っ直ぐに雪ダルマへと飛んでいく。


『ッ……』


 不味い、と雪吏乃は少し焦る。
 明らかにあの黒焔弾の群れは、白薄氷の厚化粧アーマード・ウスライを破壊するに充分な威力を内包しているとわかる。そして、雪ダルマ状態で回避できる速度ではない。


 雪吏乃は考える。
 おそらく、冠黒武達だって雪吏乃が素直にあの焔弾を受けるとは考えていないはず。
 当然、回避を選ぶと見るだろう。雪吏乃が雪ダルマ装甲を脱ぎ捨てて回避行動を取る事を想定して動くはず。


 ならば。と雪吏乃が選択したのは、不動。
 その場から動かず、黒焔弾を雪の装甲で受け止めた。


『……ぅッ……』


 衝撃。
 見立て通り、白薄氷の厚化粧アーマード・ウスライでは黒焔弾の猛威には耐え切れなかった。
 そう、見立て通り。雪吏乃は想定済み。


 破壊され、砕かれ、溶け落ちていく白雪の装甲。
 そこから現れた美麗なる水晶の巨大姫は……両手を前に突き出して構えていた。


 その振袖の様な形状の袖口には、キラメキフブキの特殊雪を放出する『口』がある。言わば、キラメキフブキが持つ唯一の武器だ。


 皿助は、キラメキフブキが装甲を脱ぎ捨て、装甲を再構築するまでの僅かな隙を逃すまいと躍起になるはず。
 つまり、その一瞬を叩くため、真っ直ぐ全速力で吶喊してくるだろう。


 ならば、迎え撃つ。特殊雪を、直接ダイカッパーにぶつける。そのための構え。


 だが、


『!?』


 黒焔弾が雪ダルマ装甲を溶かした蒸気が晴れたその先に……ダイカッパーの姿は無かった。


「うぉおおおおおおおおッッッ!!」


 ザッパァーンッッッ!! と言う水飛沫の音が、キラメキフブキの真横、川の方から響いた。


『なっ……』


 川から飛び出したのは、皿助だ。ダイカッパーではない、皿助。


『ッ、機装纏鎧を解除して……!?』


 すぐに、雪吏乃は全てを察した。


 皿助は、自分の想定の更に一歩先まで想定していたのだ、と。


 皿助は、全て読んでいた。
 雪吏乃が自分の思惑を深読みし、回避しないと言う選択をする事。
 そして、自分が真っ直ぐ全速力でスピーディに決めに来ると想定し、迎撃態勢を万端に済ませているだろうと言う事。


 だから皿助は、冠黒武が黒焔弾を放ったと同時、ダイカッパーを解除して川へと飛び込んだ。ダイカッパーのまま飛び込めば、大きな水音で雪吏乃に気付かれる可能性があったからだ。
 皿助はそのまま川を潜行。キラメキフブキの横合いまで泳ぎ、飛び出した。
 雪吏乃の想定の一歩…いや、半歩先。本当の本当、ほんの一瞬の隙を突くために。


 雪吏乃に勝つため。晴華を守るため。
 そのために、雪が降る寒空の下、刹那の逡巡すらせずに凍てつく川へと飛び込んだのだッ。


「機装纏鎧ッ!! ダイカッパァァァアアアアアアアアアアアアアアアッッッ!!!」


 飛び出した勢いのまま、キュウリの竜巻を突き破り、皿助はダイカッパーへと変貌。
 あっという間に接触距離クロスレンジへ。


『この……』


 咄嗟にキラメキフブキは腕を振るい、裏拳の要領でダイカッパーを狙う。
 その暴力的な所作すら、水晶の装甲がいちいち煌めいて美しく見えてしまう……のは、まぁ、正味どうでも良い。


『鈍いッ!!』


 キラメキフブキは非戦闘用の機装纏鎧。特殊な雪を放出できる以外の性能は、はっきり言ってめちゃんこ低い。
 その挙動はお世辞にも機敏俊敏とは言えず、威力に関しても「ゴミ性能」の一言を禁じえないモノ。


 そんな裏拳で、ダイカッパーに立ち向かうなど片腹痛すぎて病院に担ぎ込まれるレベル。


 ダイカッパーはキラメキフブキの裏拳を左手であっさりと掴み止め、右の張り手を振りかぶる。
 肩の覇皿バサラを右掌に接続。準備は万端。好機は今、目の前に。最早、打つしかないだろう、必殺の一撃。


『……ふぅん。すごいじゃん』


 雪吏乃の声に、焦燥や悔しさの色は皆無。むしろ、感心した様に少し微笑む様な……そんな調子の声だった。




   ◆




「はぁー……温かい」
「癒しれす……」


 河川敷。
 冠黒武がべてくれた黒い焚き火を囲んで地べたに座りながら、雪吏乃は大きな白溜息。晴華も並んでほあああってなっている。
 ちなみに、火を焼べた冠黒武は近隣の公衆トイレで格闘中だ。


 皿助は濡れた衣類を焚き火に晒して乾かし中。冠黒武から借りた羽織りと濡れたズボンのみと言う半裸状態。
 皿助の身体は不自然な程に微細に震えている。この震えはスーパーシバリングと言って、その身体を非常に激しく揺らす事で自身の体温だけでなく周囲の温度まで引き上げると言う、シバリングの上位互換的身体機能だ。


「いやぁ……にしても、負けた。久々かも。皿助、すごいね」
「おおおお褒めめめにに授かりりりこ光栄だがががが……そののの名誉よよ、辞退いいしよううううう。俺れれ一人でではああああ、決しししててて貴女にいいはあ勝てなかああああたああああ」
 ※スーパーシバリング中のため皿助的音声が若干乱れています。


 雪ダルマ装甲には弱点がある。それは正解ではあったが、皿助だけではその弱点を突く事は不可能だった。
 今回勝てたのは、冠黒武のおかげだ。


「でも、彼が貴方に味方したのは、貴方に好意的だからでしょう? 貴方が彼にそう思われる実績を残した証。実力と言うのは、その者が積み上げてきた実績に付随する全てを指す。彼を味方に付けたのは、貴方の実力。違う?」
「そうですよ、べーちゃん。冠黒武さんも今この場にいたらそう言うと思います」
「それに、彼が来ただけでも私は負けなかった。こんな寒空の中、川に飛び込む事を厭わなかった貴方の胆力も、必要不可欠な勝因だったと言える。貴方は私の褒めを素直に受けるべき」


 私が誰かを褒めるなんて貴重だし。と雪吏乃はほんの僅かにだけ口角を上げ、皿助に微笑みかけた。


「そそそそうかああああ。ななあああらあばあああ…あああ有りりり難くくくううううそののの言葉あああ頂戴いいしようううう」
 ※スーパーシバリング中のため皿助的音声が若干乱れています。
「……でも、そう喜んでばかりもいられないと思う」
「? き、急にどうしたんですか?」
「私が敗れた以上、鞍馬戸や天狗のお姫様が次にどんな手を使ってくるか……私にもわからない」
「!」
「いくらお姫様や鞍馬戸の権力でも、せいぜいトルノーズ小隊長クラスを動かすのが限界だと思う。そして大規模な頭数を私的に動かすのも難しいはず」


 いくらお姫様と言っても、どんなワガママも通る訳ではない。
 小隊副隊長補佐官や、傭兵部隊の連中ならどうにかできても、それら以上となると難しいはずだ。
 実力相応に出世している者は、そんなに暇ではないだろう。


「注意警戒は必要」
「うぅ……そろそろ諦めてくれるとかないですかね……」
「天狗のお姫様とは何度か会った事ある。あの我が強そうな娘が、そう簡単に自分の願望を曲げるとは思えない」
「……そうか……」


 流石にちょっと疲れて来たので、皿助はスーパーシバリングを停止。


「まぁ、とりあえず」


 ゆっくりとした所作で雪吏乃が立ち上がった。


「皿助、晴華。せいぜい頑張ってね。これも何かの縁だし、応援はしてる。面倒そうだから味方になってあげるのはパスだけど」
「応援だけで充分だ。ありがとう」
「頑張ります!」
「うん。それじゃあ。またどこかで」
「ああ」


 時々くしゃみを交えながら、ゆっくりとした歩調で帰っていく雪吏乃の背中を見送りつつ、皿助は少し考える。


「……天狗の姫……か」
「? テンちゃんがどうかしたんですか?」
「……いや、諸悪の根源はやはり『そいつ』だな、と思ってな」


 晴華が理不尽に晒されるのも、皿助が何度か危機に陥ったのも、冠黒武が漏らしたのも、寒いのが苦手な雪吏乃が寒空の下で戦わなければならなくなったのも、全て天狗姫が原因。
 基本的に温和な性格の皿助でも、流石に負の感情を抱かずにはいられない。


「あぁー…スッキリしたぜぇい……やっぱクソは厠で出すのが一番だな」


 と、ここで冠黒武が自身の腹をポンポンしながら帰還。
 今回の禍弄魔使用時間は短めだったので、少々便通が良くなった程度で済んだ様だ。


「……冠黒武。今回助けてもらったばかりだのに図々しいと言うのは承知で、一つ、頼みたい事がある」
「んお? いきなりどうしたんだぜい? まぁ良いけど。言えよ相棒」
「俺を、『天狗山』とやらに連れて行ってくれないか」
「……はぁぁ?」
「な、何言ってるんですか、べーちゃん!? 天狗山って……言わば敵の本拠地ですよ!?」
「……今日……俺は、今まで良くも悪くも晴華ちゃんの事しか考えれていなかったのだと痛感した」


 今まで、皿助は未熟故に「晴華側の視点」でしか発想ができていなかった。
 だが今は違う。晴華だけでなく、冠黒武や雪吏乃とコミュニケーションを取った事で「刺客として使われる者の視点」からも考えが及ぶ様になった。


「俺は、天狗姫が諦めるのを待つつもりでいた。晴華ちゃんの身の安全さえ確保できれば、それで良い。それだけが目的だった。だが……それでは、ダメだったんだ。天狗姫は自身の願望のために、周囲を巻き込み過ぎた」


 自身も刺客達と肩を並べて戦線に出ているのならば、まだわかる。
 だが実際の所、天狗姫は一度も姿を見せた事は無く、ただただ刺客を送り込んでくるだけ。
 己の願望を叶えたいがための行為だのに、何と言う怠慢だろう。
 そんな怠慢に友である晴華や冠黒武、応援してくれた雪吏乃が振り回されているなんて……考えると、なんだかムシャクシャしてきた。


 皿助の腹の虫と言う奴が、久々に大暴れしそうだ。


 そう……皿助は今、自覚した。
 自分は今、久々に『怒り』や『憤り』と言った物を感じているのだ……と。


「諸悪の原因は全て天狗姫……ならば、『ツケ』を払わせる」


 また誰かが奴に振り回される前に。
 天狗姫に、報いを。そして、その周囲に不幸を振りまく歪んだ願望に、修正の一撃を。


「『諦める終わるのを待つ』のではない……『諦めさ終わらせる』んだッ」


 気付くのが遅かった感は否めない。もっと早く気付いていれば、冠黒武や雪吏乃が巻き込まれずに済んだかも知れない。
 自らの未熟さへ、後悔はある。反省もある。
 だが、今はそれ以上にやる事がある。


 皿助は、決めた。
 天狗姫との『直接対決』を―――



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