村人の成り上がり英雄譚

ユノ

アリサとシイ

「アリサ、剣はどうする?」
リクはアリサに剣がないことが少し不安だった。
「お姉ちゃんは、剣を使うんですか?」
シイが興味があるように聞いてきた。
「そうよ、私これでも剣術には自信あるんだからね。それより、お姉ちゃんって呼び方止めない?アリサでいいわよ。」
アリサは呼び方のほうが気になっていたようだった。
「分かりました。アリサさんじゃあダメですか?」
「それでいいわよ。」
アリサは満足そうに頷いた。
「それじゃあ、俺もお兄ちゃんって呼び方を止めてくれないか?リクって呼んでくれ。」
リクはお兄ちゃんって呼ばれるのがこそばゆかったようだ。
「お兄ちゃんはお兄ちゃんなんで無理です。」
シイはきっぱりと断り、リクはなんでとぶつぶつ言っていた。
「アリサさん、剣ってどんな剣でもいいんですか?」
シイは再び剣の話に戻した。
「そうね、使うのには構わないんだけど、剣が合わないとすぐに壊れちゃうんだよね。」
「それなら、私剣の錬成できますよ。」
「本当に!なら、これからはシイちゃんに剣を錬成してもらおう。これで、リク君の役に立てるね。」
シイは自分でも役に立てると嬉しそうにしており、アリサはリクを守ろれると息巻いていた。
「シイ、それは魔術だよな。限度があるんじゃないか?」
リクが尋ねるとシイは寂しそうに頷いた。
「なら、シイもし魔力欠乏になりかけたら俺に言ってくれ。俺は力の供給ができるから、もしもの時はそれを使おう。」
リクがそう提案すると、シイは頷かず、不安そうな目でリクを見た。
「安心しろ俺は元々の魔力量が多いらしい、よっぽどのことがない限り尽きないだろうと師匠からも言われてる。」
シイは笑顔になり大きく頷いた。シイはリクが言っていた師匠が少し気になったが尋ねなかった。
「じゃあ、基本的に前衛は俺とアリサで、シイは後衛でサポートとアリサの剣を錬成してくれ。シイをサポートするのは俺とアリサ二人でしよう。それは臨機応変に対応しよう。」
リクは今後の戦いについて、基本的パターンを想定して話した。その日はそれで話終わり、リクは部屋に戻って休んだ。アリサとシイは同じ部屋のベットに寝転がり話していた。
「アリサさんはお兄ちゃんと寝なくていいんですか?」
シイはアリサがリクと一緒に寝ていないのか不思議だったようだ。
「どうして?」
アリサはどうしてシイがそんなことを思ったのか分からなかった。
「お兄ちゃんとアリサさんは恋人じゃないんですか?恋人や夫婦は一緒に寝るものだと教わりました。」
アリサはシイがなぜそんなことを思ってるのか理解した。
「私とリク君はそんな中じゃないわよ。リク君のことは好きだけど、リク君の心の中心は別の人がいるの。私はリク君からその人を奪ってしまったの…」
アリサはシイに今までのことを優しく教えてあげた。シイはそんなことを話してくれたことをうれしく想いながらも、アリサに同情心を抱いていた。
「アリサさんはそれでいいんですか?私もお兄ちゃんのことは会ってすぐですが、好きですよ。私はお兄ちゃんの一番ンになりたいとは思いますが、一番じゃなくてもお兄ちゃんのそばにはいたいと思います。想い人として、お兄ちゃんのそばにいたいんです。この気持ちが定まった時私はお兄ちゃんに自分の気持ちをぶつけます。アリサさんが今までどんな風に思ってきたのかは私にはわかることはできませんが、アリサさんは親友の為に気持ちを押し殺していくんですか?そんなの悲しいですよ。」
シイは年下なのに、アリサにはその時とても立派に見えた。
「シイちゃんありがとう。そうだよね、やっぱり自分の気持ちにウソはつけないよね。私もこの気持ちが強くなって溢れそうなときはリック君に自分の気持ちぶつける。そうじゃないと、悔やんでも悔やみきれないよね。」
シイとアリサはその日絆を深くし、同じ想い人を考えながら眠りについた。



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