妹と召喚されました!

ユノ

女神の考え

世界の間に幼女と少女がいた。
一人は、女神メーラだ。もう一人は、茶色の髪を横で二本に結んだ13歳程の女の子だった。
「よかったのですかメーラ様?」


「何がじゃ、ライよ。」


ライは、先ほどまでいた二人の場所を見つめた。


「如月悠ですよ。彼は、何かあるんじゃないですか?最後は、ふざけていましたが、途中で考えている時の表情は真剣でしたよ。それに、彼が何を考えているのか読めませんでした。」


ライは、懸念そうにメーラを見た。


「お主にも読めんかったか。妾にも読めんかった。悠には、元いた世界で、妾達にも把握できない時間があるのじゃ。その時間は、4年間あり、その間だれも悠のことを考える者はいなかった。それどころか、妾達ですら、悠の姿をとらえることはできんかった。そして、4年後、悠は突如としてまた姿を現した。また、悠のそれを気にしたものおらん。学友と普通に話し、今までいなかったのが嘘のようじゃった。そして、今回悠が召喚されるのをいい機会じゃと思いここに呼んだのじゃが、あまり情報を得られなかったのう。ステータスすら見ることが出来んかった。」


メーラは、考えるようにいった。


「世界の監視下にいながら、それを把握できなかったのですか!それに、ステータスが見えなかい…そんな、ありえない。」


「そうじゃ、ありえんのじゃ。世界は神が創った言わば箱庭じゃ。その中で、どこに隠れようが、妾達は、把握することができる。それに、ステータスじゃ。ステータスを見るには、鑑定眼のスキルと、相手以上の実力が必要となる。妾達女神は、神に次ぐ実力を持っている。それに、悠が元いた世界にはステータスという概念はないはずじゃ。ある程度、成長は望めるにしても、妾達女神を超える実力をつけることは不可能なはずじゃ。じゃが、見えんかったということは、妾以上の実力を持っておるか、鑑定眼に対抗しうる能力を持っているかじゃのう。」


メーラですらも把握ができておらず、ライは驚き再び悠がいた場所を見る。


「本当に何者なのでしょうか、如月悠。」


「そうじゃな、何者かわからん。なので、ライよ、お主には如月兄妹の監視に就いてもらうのじゃ。何か進展があれば、妾に言うてくるのじゃぞ。」


そういいながら、メーラは、世界の間から姿を消した。
残された、ライはため息をつきながら世界の間を出るのであった。

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