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異世界召喚されたら魔王じゃなくて神様倒して来いって言われました。

卯月//黒月//

⒎朝の出来事



―朝―
「ん、ん~!はぁ。」
「よう。誠司起きたか。」
「あ、あぁ蒼牙か、あれ?奏人は?」
「あぁ。まだ寝てるみたいなんだよな。」
「え?まじ?ちょっと見てみようぜ。」
「……大丈夫かな?」
「いいだろ!」

そう言って誠司は乗り気、蒼牙は後ろめたくもやる気だった。

「よし。」

奏斗のベットは少し膨らんでいて規則的な寝息がそこから聞こえていた。

誠司がそっとシーツをとり払おうとシーツを掴んだ。

その瞬間ふわっとシーツが舞い上がり、シーツが床に落ちるより前に、蒼牙と誠司の首元に冷たい何かが触れた。

「「へ?」」
「……動くな、その首が飛ぶぞ。」

恐ろしいほどの冷たい声が後ろの方からした。誠司と蒼牙から冷や汗が一気に出てくる。

ーーーー
朝なにかの気配で目が覚めた。それは俺の近くにいるようだった。そいつはシーツを取ろうとしていたので持ち上がると同時に枕元からナイフを2本抜き取りそいつらの首に突きつけた
ーーーー

その状態からいくらほどたっただろうか、殺気のようなものが薄れていった。
その間は実際にはものの2、3秒だったと思うが2人からすればそれは1時間にも2時間にも感じられた。
まだ首筋には何かが当てられていたが。

「……ん。あ、ごめん。」

さっき恐ろしい声がした方から、いつも通り、よりちょっと焦ったような奏人の声が聞こえた。
それと同時に首元が楽になった。心臓がバクバク言っている。
振り向いてみると、左右の目の色が違う奏斗が2本のナイフを持って立っていた。

それを見るとまた、このナイフが自分たちの首に当てられてていたんだと思い、2人はゾッとした。

「か、奏人?か、今の。」
「あ、あぁ。すまない。」

と言いながら、ナイフを背中に隠した。

「い、いや。大丈夫?だよ……」
「そうか、いや蒼牙もすまない大丈夫か?」
「あぁ。ってか、奏人……だよな、……その目どうしたんだ?」
「あ。」

奏人はナイフを持っていた手で器用に片方の目を隠し、もう片方の手で昨日渡された仮面を取った。
そのままこちらの方をチラッと見てから仮面をつけた。

その仮面は右目の所の穴に布が貼り付けてあった。昨日の夜に奏斗が武器庫から取ってきた布だった。

ーーーー

「……。あとで……話す。」

とりあえず俺は苦し紛れにそんなことを言った。

「ダメだろ、そこは話さないと。」
「そうだ、蒼牙の言う通りだ。そんなことまで隠してたら大変だろ。」

めんどくさいな、などと思いながら渋ると蒼牙にはジト目で言われ、誠司からは怒ったように言われた。
やはり話さないとダメか、まぁ話しても困ることは無いし、大丈夫か。
普段は隠すし、目立つとしても目の色で見分けられるよりはいいか……。仮面を外す。


「そう、だよな。わかった話すよ。」
「おう。」

仕方なく説明することになった。微妙に説明が長くなるんだよな、これ。
切り替えなくては、こんなこと考えてるとわかんないようにしないと、少し真面目風に、よし。

「えっと、まず俺は、ハーフなんだ。だから髪もこの色だし。」
「え?まじで?」
「オレは染めてんだと思ってた。」

案の定、少しびっくりした様子で言っていた。

「いや、これは地毛だ。それで、どことのハーフかはよく分からないんだけど、多分ロシア系なんだよ。」
「そうだったのか、まぁ肌白めだしな。どこかは分からないんだな。」
「あぁ。で、俺はそっちの方の血が濃くて、髪も銀髪に近い色だし、右目もこの色なんだ。」
「へー。でもなんで左目だけ黒なんだろうな。」
「あ、俺、右目の色が強くてわかんないかもしれないけど、一応左目も黒では無いんだ。」

そう言うと、誠司も蒼牙も奏人の目をじっと見つめた。少しの間見ていると、蒼牙が言った。

「あ、ほんとだ。よく見たら藍色?だな。」
「ホントだ。へーっ。」

感想を言い終わってもまだ見ていて、少し目が乾いてきた。

「……もういいか?」
「あ、あぁ。ゴメン。」
「でも普段は目黒かったよな。」
「カラコンしてたからな。もう洗ったりできないし、外したんだ。」
「へ~、奏人目悪かったっけ?」
「いや、両方とも2.0以上だ、測定不可能だって言われた。」
「うわっ、目いいなー。」
「でも奏人なら有り得る。」
「そうか?」
「まぁ、だよな。」
「あぁ。」

そこで1度会話が途切れると、ちょうど部屋がノックされた。蒼牙が立ち上がると、同時に仮面をまた付けた。
蒼牙が開けてみると俺たちに付き添っているメイド達がいた。

「朝食の準備が出来ました。話があるので30分後には全員集まるように、との事です。」
「ありがとうございます。」
「では。」

居なくなろうとメイド達は毎回同じメイドだったので、
そこでこれからは長めの付き合いになりそうだったのでひとつの提案をすることにした。

「あ、すいません。待ってください。」
「どうかされましたか?」
「はい。これからは何かとお世話になると思うので、あなた達の名前を知っておきたいと思いまして。」
「いいですよ。あと、私達はメイド。そのような口調ではなく、もっと崩していただいて結構です。」

誠司と蒼牙は最初不思議そうな顔をしていたが、俺の提案を聞くとなるほど!という感じで笑顔になった。

「じゃあこっちから、自己紹介を。俺は田中誠司、えっと剣士と武………ムグッ。」

誠司が自己紹介をして、職業を言っていると、ふと職業が2つっておかしいよな。と思いとっさに口を塞いだ。すると誠司がコソッと文句を言ってきた。

「何すんだよ!死ぬかと思ったぞ!(コソッ)」
「すまん、でもほかのやつら職業2つってなかっただろ?だから剣士だけにしとけ。(ボソッ)」
「そ、そうか……?まぁいいや……(コソッ)」
「ほらもっかいやり直し。(コソッ)」

不思議そうにしているメイドたちに笑いかけ自己紹介をやり直した。

「もっかい良いか?……ゴホン。俺の名前は田中誠司。剣士だ!」
「オレは工藤蒼牙。魔法使いだ。」
「で、俺が狼谷奏斗。……情報屋。」

職業を何にするか考えていなく、無難なものにした。情報屋って職業あるのか?

「かしこまりました。セイジ様、ソウガ様、カナト様。私の名前は、アメリアと申します。」

アメリアは金髪ロング(団子にしている。)のメイドで真面目そうな顔立ちだ。

「ウチ……じゃなかった。わ、私はエミルと申します。」

エミルは明るい茶髪でボブショートにしているメイドだ。なんだか頼りない趣である。

「私はリーンと申します。これからよろしくお願いいたします。」

リーンは薄い金髪を肩まで伸ばしている。優しい笑みを浮かべていて大人の女性と言ったイメージだ。
ほかの人とは違って目の色が髪の色とおなじではなく蒼い眼だった。

「私はソウガ様のメイドです。」
「ウ……私はカナト様のメイドです。」
「私はセイジ様のメイドです。」

順番にアメリア、エミル、リーンが言った。

「そうなのか、よろしくなアメリア、エミル、リーン。」

誠司が最後にしめて1度アメリア達に部屋を出てもらって、そそくさと着替えを済ませてた。
最後に仮面を付けて、アメリア達と食堂に向かった。

「そう言えばカナト様はなぜあの時もう仮面をつけていたのですか?」

食堂へ行く途中の道エミルが聞いてきた。
俺は素直には言うわけがないしどう言い訳するかと考えた。(その間約0.1秒)

「そろそろエミル達が来る頃かな、と思って。」

満面の笑顔でそう言った。するとエミル達は少しびっくりした顔をしたがすぐに微笑み返した。
エミル達からすればただ、笑って面白いことを言う人だ。と思われたはずだ。
だが、誠司と蒼牙はそうは行かないようで、思いっきり固まってしまった。

「はぁ。誠司、蒼牙。」

パンッ!と2人の目の前で手を叩くとビクッとして正気に戻った。

「ここでは前より少し明るめのキャラにするから、あんまいちいち驚くなよ。(コソッ)」
「え?そうなのか?(コソッ)」
「あ、ああ。わかったよ(コソッ)」
「だったらもう少し表情戻せよ。」

そう言ってまだ表情の戻らない2人の頬を軽くつねっているとアメリアが微笑みながら言ってきた。

「仲がよろしいんですね。さぁ、そろそろ着きますよ。」
「あ、はい。」

その言葉でようやく表情を戻した蒼牙が答えた。

前を見ると食堂の扉がもう見えた。


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