漂流先の魔法世界で生き残りサバイバル!

大吉祭り

監視からの自由を!

 それは突然のことだった。
 魔法が封じ込めれた石に関する依頼を達成ししばらく、特に変わることのない日々を過ごしていた。
 そんな時、学園長からの呼び出しを受け、フローラと二人で話を聞くことに。


 「これまで行ってきた監視を解除しよう」


 最初の一言目がこれか。
 フローラと二人でキョトンとしていると、軽く笑いながら。


 「二人が特に悪事を働くそぶりがないので、もう自由にしても良いと、数人で会議して決定したんじゃ」

 「それはまぁ、ありがたいけど……急ですね」

 「これまでの行動が評価されたんじゃよ。依頼もこなしているようじゃし、マスターからの話も高評価という事で」


 そうか、マスターからも話聞いてたんだな。


 「監視の解除は嬉しいけど、特にする事も変わらないからなぁ。フローラもそんな感じだろ?」

 「そうですね。ただ、ようやく仲間になれた気もします」


 フローラの中ではスッキリしたんだろう、表情からは嬉しさを感じる。


 「そう言われるとそうだな。これまでは疑われてた訳だし、ようやく認められたって感じだ」


 そう思うと、自分でも少し嬉しさを感じる。



 数分後、俺とフローラはそれぞれ寮の部屋へと戻っていった。
 これまでも比較的自由だったが、本当に自由になったという事で。


 「なんかこの世界にも慣れてきちゃったな」


 誰に言うでもなく、小さく笑いながら呟いた。
 心に余裕ができると、また別のことを考え始める。


 「元の世界はどうなっているだろう? 確か時間の進みが違うから、まだ元の世界では大した時間経ってないと聞いたけど」


 今はまだ大きな問題ではないが、いつか戻らなければいけない時が来るんだ。
 ……なんだろう、そう思うと少し寂しいな。


 「まぁそんな事考えても仕方ないか! 一人だと余計なこと考えそうだからマスターのところにでも行くかな」


 この時は、まさかこの判断が大きなイベントのスタートになるとは思いもしなかった。

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