漂流先の魔法世界で生き残りサバイバル!

大吉祭り

さらば日本!〜いよいよ出発です〜

  私はお前の父だ!ウソだー!
  ピッ!
  目覚ましの音で目を覚ますと、俺は時計を止め部屋を出てリビングへ。

  「いつもながら、ゆっくり起きてくるのね。家を出るまで後1時間ないじゃない」

  すでに起きていた母が、呆れたように話しかけてきた。
  本当、今更の発言である。

  「準備は前日にしてるし、慌てる必要ないからね。朝飯食べたら身支度済ませるだけ。数分で終わるね」
  「そう言うけど、大抵何か忘れてるでしょ。まさか、パスポートとか忘れてないでしょうね?」

  そう言われると、不安になるもの。
  部屋に確認しに行くと、しっかりカバンに入っていた。

  「入ってたよ。こんな大切なもん、忘れるわけないでしょー」

  俺が少し勝ち誇ったように報告すると。

  「不安になった時点で負けです!」

  ごもっともで・・・。
  勝ち誇ったことが、急に恥ずかしくなった。



  バタン!
  待ち合わせ場所になっている空港の入り口に着き、母の運転する車から降りた。
  連絡によると、相川は先に着いているようだ。

  「じゃあ、行ってくるよ」
  「気をつけてね〜」

  簡単な挨拶を交わし、重い荷物を持って空港に入る。
  そもそも、今回の旅は何日かかるのか知らされていない。
  荷物が多くなるのも当然だよな〜。

  「お〜大樹!少し遅いよ〜」

  今回の旅の元凶がお出ましだ。
  予定くらい聞かせてほしいな。

  「少し道が混んでたからな。それに、時間には間に合ってるぞ?相川が早すぎるだけだ」
  「それもそっか。海外旅行だから楽しみでね。30分前に着いちゃった」

  やはり、ただ単に海外へ行きたかっただけか。
  文句の一つでも言ってやろうかと思ったが、嬉しそうな顔をしていたので、黙っておいた。

  「それじゃあ時間だし、そろそろ飛行機まで行きましょう!」
  「へいへい」

  こうして、いよいよ俺たちは慣れ親しんだ日本を離れ、海外を目指す。
  
長い冒険の、最初の一歩だ。

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