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先生! その異世界小説、間違いだらけですやん!

執筆用bot E-021番 

エルフの存在意義

 魔王城へ行くためには、山を越えなければならなかった。人の足で行ける距離ではない。途中までは馬車を使った。しかし、馬車で通れるのも森に入るまでだった。



「ここから先は道が舗装されてませんから、馬車ではいけません」
 と、御者が教えてくれた。



 そのため、森の中は歩いて進むことになった。舗装されていないとはいえ、獣道のような踏みならした道は伸びていた。



「はぐれないようにね」
 リリさんがそう言ってくれる。



 こうして腕をからめられている以上は、どうガンバってもはぐれないように思う。押し付けられる胸の感触を意識しないようにするのにセイイッパイだった。



「この森を抜けたら、魔王城なんやろか?」
「そうよ。でも、簡単に抜けられるといいけど」



「どういう意味や?」
「森にはエルフがいるから」



 そう言えば、サタンベルクには3種類の知的種族が生息しているのだ。普通の人間。人間と動物の混血であるケモミミ族。それからエルフだ。



「エルフは人間と仲悪いってことないやろ。都市でもエルフは見かけたし」



「仲は悪くないけど、一枚岩とは言えないかも。ビジネス上の関係でしかないから」



「ビジネス?」



「エルフは森を守護する種族。だから、一定の木々を人間に提供してるの。その代わり、エルフが都市で生活することを人間は認めてる。そういうこと」



「へぇ」
 その設定も先生が考えたんだろう。



 ずいぶんと粗雑な物語だったが、作りこんでいる面もあるようだ。



「でも、人間が勝手に森に侵入したり、荒らしたりすることは、エルフは認めてないから」



「でも、都市には水売りって職業がおったやろ?」



「ええ」



「あの人たちは、森から水を汲んで来てるんとちゃうんか?」



「水売りはエルフたちから特別に許可を取ってる――って設定だったはずよ」



「それなら筋は通るか」



 とりあえず今のオレたちは、エルフからは敵とみなされるのかもしれない。出会わないことを祈ったが、どこかで出会うだろうなという予感はあった。



 勇者がヒロインを救出しに行く道中なのだ。1つや2つの障壁とぶち当たるのは、もはや定石と言っても過言じゃない。



 しばらく森の中を突き進んだ。



 蒸し暑い。汗がしたたり落ちてくる。こんな生い茂った森の中を進んでいると、ホントウに冒険してるような気分になってきた。



 なんでオレが先生を助けに行かなあかんねんという不服と、冒険をしているような昂揚感を同時に感じていた。



「もっと水を持って来れば良かった」



 水売りから買っていた水が底を尽いた。逆さまにしても、やっと一滴落ちてくるだけだった。



「水ならあるよ」
「え? ホンマか。えらい準備がええな」



 ここ数日、異世界を旅してきたとはいえ、オレはまだまだ旅慣れしていない。さすがははフィクションの住人だと感心した。




「じゃあ、屈んでくれる?」
「え、こうか」
 足を曲げて、地面に座り込んだ。



「ちょっと待ってね」



 リリさんはそう言うと、ブリオーをたくしあげた。白いすらりとした足があらわになった。目に毒だ。



「な、なにをしてるん。わざわざ服なんか脱がんでもええやないか」



「だって脱がなきゃオシッコできないし」
「オシッコ?」
「だって、水分が欲しいんでしょ?」



 その意味がユックリと脳に届いた。



 リリさんがあんまりにも平然としているから、理解が遅れたのだ。



「な、なななな、なにを言うてるねんな。いったいオレに何を飲まそうとしてるんやッ!」



「男の人は、美少女のオシッコなら――」
「もうそれ以上言わんでくれッ」



 オレは叫ぶように言った。



 ますますカラダが熱くなってしまった。リリさんのこの性質は、いったいどこから由来してるんだろうか。



 サキュバスだから? でも、創作したのは先生のはずだ。もしかして、先生もそんなこと考えてるんやろうか。



「もう少ししたら川があるはずだから、そこで飲む?」



「それを先に提案するべきや」

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